デクスター・ゴードン
2006年05月24日
BESPOKE TAILOR DMGの宮本です。
前回の『フェイクなドレスシューズ』に引き続きスーツにちなんだJAZZのお話を…。
今回ご紹介するのはサックス奏者デクスター・ゴードン。
この人もオシャレなジャズメンとして有名なお方で,
60年代のBLUE NOTEのレコードジャケットの中で
粋な着こなしを見せてくれています。
このデクスター・ゴードンをオシャレなジャズメンとして
決定付ける有名なエピソードにかの帝王マイルス・デイヴィスを
ダサいとコキ下ろしたというお話があります。
時は1940年代の末、NYはビパップ革命と呼ばれた
モダンジャズへの転換期を迎え、
その熱気がまだ冷めやらぬ時代でした。
若きマイルスは、ビバップの最重要人物である
サックス奏者チャーリー・パーカのもとで
修練を積み頭角を現しだし、自らの演奏スタイルに自信を深めてだしておりました。
マイルスの自伝によると、その当時マイルスは
自らオシャレと信じて疑わなかったブルックスブラザーズのスーツを
好んで着ていたようで、そんな自分のスーツスタイルを
「俺は格好に関しちゃ定評があり、誰も何も言えなかった」
と評しております。
デクスターゴードンについては、その当時の音楽シーンで
一番ヒップでクリーンで最高に格好良かったと語っており、
そんなゴードンにマイルスはこう言い放たれるのです。
「そんな格好で俺達と一緒に居ないでくれ、もっとましな格好してこいよ」
「お前は世界一ヒップなバード(チャーリーパーカーの愛称)
のバンドに居るんだからもっと勉強しなくちゃ駄目だ」
この言葉に落ち込んだマイルスはついには
ゴードンお薦めのお店でスーツを買い直したのだとか。
このエピソードに私は
「ブルックスは確かに高級な服かもしれないが、
なんでそんな白人のお坊ちゃまみたいな格好をするんだ?
お前はビバップの表現者として、もっとヒップな格好をしなくちゃ駄目なんだ!」
というゴードンのメッセージを感じてしまうのでありました。
デクスターゴードンのスーツスタイルで私の好きなのがこちら。
撮影年が1948年ということはマイルスお話の頃のスーツスタイルですね。
そして、この後、時代は1950年代に入りCOOL STRUTTIN'&Coに継承される、
よりシャープでスタイリッシュなスーツスタイルが登場するのです。

