メン in エポック ■チェスターフィールドコート□
2007年01月12日
ご好評頂いております読売新聞西日本版270万部、
1月12日の朝刊に掲載された「メンインエポック」の最新号をお届けします。
チェスターフィールドコート
~端正な比翼仕立て 気分は銀幕スター~
チェスターフィールドコートは
格式の高いフォーマル、街着用として定着している。
銀幕スターのように襟を立て、
両手を脇ポケットに入れたまま、
小雨の中を歩いてみたくなる。
原型は19世紀末、英国で完成された。
上襟にベルベットをつけ、
フロントは隠しボタンのある比翼仕立て。
腰にはふた付きポケット、
後ろの開きは深いセンターベントが基本的だ。
1840年ごろに愛用した
チェスターフィールド伯爵の名に由来するという。
生地はカシミアや触り心地の柔らかいウールがよく、
素材の丈夫さで考えればメルトン地も悪くない。
こんなエピソードをご存知だろうか?
背広の語源ともされる
ロンドンのサビルロウのテーラーたちはかつて
「チェスター」という俗称で呼ばれた。
それほど、このコートは盛んに仕立てられたという。
そのシルエットはゆったりとしたラグランコートに比べ、
ウエストラインを程よく絞りシャープな印象。
端正な「できる男」を演出してくれる。
ハードボイルドに……
そんな男たちの勝手な哀愁にも
ふさわしいアイテムと言えよう。
(テーラー・小西 正仁)
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イラスト・仲里カズヒロ

