「2025年に太陽光を付けたいけど、結局どう設置するのが一番トクなの?」
「蓄電池って本当に必要? 高いけど元取れる? 同時? 後付け?」
「FIT価格が変わるって聞いたけど、大丈夫?」
「うち、北向きなんだけど… 長い目で見たら損しない?」
太陽光発電や蓄電池の導入、大きな買い物だからこそ、確かな情報に基づいて判断したいですよね。特に2025年10月1日からFIT(固定価格買取制度)の仕組みが変わり、最初の4年間は1kWhあたり24円で売電でき、5年目以降は8.3円と変則的になりますね。「本当に元が取れるのか?」「どの設置方法がベストなのか?」と迷っている方も多いのではないでしょうか。
こんにちは!konyです。我が家(岡山県・4人家族・オール電化・不利な北向き屋根…)では、2023年に太陽光パネル(6.12kW)と蓄電池(9.8kWh)を設置しました。
この記事では、他では絶対に見られない、我が家で実際に記録した365日・30分毎の詳細な電力データを基に、もし2025年に設置したらどうなるかを徹底シミュレーション!
この記事最大の特徴は、我が家の2024年度の太陽光・蓄電池の30分毎のすべてのデータに基づいて算出している点です。巷のシミュレーションサイトでは分からない詳細な収支を、具体的な計算式と共にご覧いただけます。
この記事で得られる、具体的な情報
- 2025年の新FIT価格でのリアルな収支(計算過程付き)
- ①太陽光のみ vs ②同時設置 vs ③5年目蓄電池追加 の3パターン比較
- 【図解】年間利益と費用回収までの道のり
- 【結論】長期的な利益が最も大きいのはどのパターンか? (20年・30年後の収支比較・計算過程付き)
- 蓄電池の本当の価値(自家消費メリット)を数値で具体的に解説
「データとその根拠をしっかり理解して、納得して最適な選択をしたい!」という方は、ぜひご自身の状況と照らし合わせながら読み進めてください。
↓2024年収支結果はこちら!
シミュレーションの基本情報:我が家のデータと2025年の条件
計算の基となるデータです。
【我が家の基本データ(2024年実績)】
- 家族/住居: 4人家族 / 岡山県 / オール電化 / 平日日中も在宅
- 屋根条件: 北向き / 低勾配0.5寸 (一般的に不利とされる条件)
- 年間発電量: 7,496.7 kWh
- 年間消費量: 6,469.1 kWh
- 年間充電量: 2,700.2 kWh (蓄電池に貯められた量。小数点以下を丸めて2700kWhとして計算)
- 年間売電量(蓄電池なしの場合): 約5,879 kWh (発電量 – (消費量 – 放電量))
- 年間電気代支出(太陽光なしの場合): 約25.9万円 (過去記事での試算値)
- 年間電気代支出(太陽光のみの場合): 約18.5万円 ⇒ 電気代削減効果: 約7.4万円/年
- 年間電気代支出(蓄電池ありの場合): 約10.3万円 ⇒ 電気代削減効果: 約15.6万円/年
- 電力プラン: 中国電力「電化Style」(時間帯別・デイタイム約44円/kWh ※計算で使用)
【費用・制度(2025年設置と仮定)】
- 太陽光(6.12kW)費用: 671,000円
- 蓄電池(9.8kWh)費用: 1,200,000円
- 同時設置 合計: 1,871,000円
- FIT価格(10kW未満):
- 1~4年目: 24円/kWh
- 5~10年目: 8.3円/kWh
- 卒FIT後売電単価: 10円/kWh(仮定)
- 蓄電池寿命: 15年(仮定)
【重要計算】蓄電池の価値:「自家消費」でいくら節約できる?
蓄電池の経済的な価値は、「売電収入が増える」ことよりも「高い電気を買わずに済む(自家消費)」ことによる節約効果が大きいです。これを計算してみましょう。
計算式: 蓄電池の年間メリット = (買電単価 – 売電単価) × 年間充電量
- 買電単価: 44円/kWh (デイタイム単価で代表)
- 年間充電量: 2700 kWh (我が家の2024年度実績ベース)
- 売電単価: FIT期間や卒FIT後で変動
【期間別・蓄電池の年間メリット額】
- 1~4年目 (FIT 24円):
(44円 – 24円) × 2700kWh = 54,000円/年 - 5~10年目 (FIT 8.3円):
(44円 – 8.3円) × 2700kWh = 96,390円/年 - 11年目以降 (卒FIT 10円):
(44円 – 10円) × 2700kWh = 91,800円/年
FIT単価が8.3円に下がる5年目以降、蓄電池による節約効果(年間約9万円以上)が非常に大きくなることが、この計算から明確にわかります。
【3パターン徹底比較】費用回収までの道のり(計算過程公開)
各シナリオで、初期費用を回収するまでの年数を計算します。
パターン①:太陽光パネルのみ設置
- 初期費用: 671,000円
- 年間利益 (1~4年目): 7.4万円(削減効果) + (5879kWh × 24円) = 215,096円
- 費用回収年数:
671,000円 ÷ 215,096円/年 = 約3.12年
パターン②:太陽光+蓄電池 同時設置
- 初期費用: 1,871,000円
- 年間利益 (1~4年目): 215,096円(太陽光のみ利益) + 54,000円(蓄電池メリット) = 269,096円
- 年間利益 (5~10年目): 122,496円(太陽光のみ利益) + 96,390円(蓄電池メリット) = 218,886円
- ※太陽光のみ利益(5-10年目) = 7.4万円 + (5879kWh × 8.3円) = 122,496円
- 費用回収計算:
- 4年間の累計利益: 269,096円 × 4年 = 1,076,384円
- 4年終了時点での残費用: 1,871,000円 – 1,076,384円 = 794,616円
- 5年目以降に必要な回収年数: 794,616円 ÷ 218,886円/年 = 約3.63年
- 合計回収年数: 4年 + 3.63年 = 約7.63年
パターン③:太陽光設置 → 5年目に蓄電池追加
- 初期費用: 1年目 67.1万円 + 5年目 120万円 = 合計 1,871,000円
- 年間利益:
- 1~4年目(太陽光のみ): 215,096円
- 5年目以降(蓄電池あり): 218,886円
- 費用回収計算:
- 4年間の累計利益: 215,096円 × 4年 = 860,384円
- 4年終了時点で太陽光費用(67.1万円)は回収完了。余剰利益: 860,384円 – 671,000円 = 189,384円
- 5年目開始時に蓄電池費用(120万円)が発生。実質的な残り回収額: 1,200,000円 – 189,384円 = 1,010,616円
- 5年目以降に必要な蓄電池回収年数: 1,010,616円 ÷ 218,886円/年 = 約4.62年
- 全体の費用回収完了時期: 4年 + 4.62年 = 約8.62年
【図解】費用回収シミュレーション


- グラフのポイント:
- 太陽光のみ(青)が最速で回収(約3.1年)。
- 同時設置(赤)は約7.6年で回収。
- 5年目追加(緑)は、5年目に蓄電池投資で一時的にマイナスが大きくなるが、約8.6年で回収完了。
【本題】長期(20年・30年)で最も利益が出るのは?(計算過程公開)
初期費用を回収した後、最終的に手元に残る利益はどのパターンが多いのでしょうか?蓄電池の寿命(15年と仮定)も考慮して計算します。
計算の考え方:
各期間の年間利益 × その期間の年数 を合計し、初期費用を引きます。蓄電池が寿命を迎えた後の期間は、「太陽光のみ」の年間利益で計算します。
- 利益A (1-4年目): ①21.5万円、②26.9万円、③21.5万円
- 利益B (5-10年目): ①12.2万円、②21.9万円、③21.9万円
- 利益C (11-15年目): ①13.3万円、②22.5万円、③22.5万円
- ※利益C(蓄電池あり) = 13.3万円(太陽光のみ利益11年目以降) + 9.2万円(蓄電池メリット11年目以降) = 22.5万円
- 利益D (16-19年目): ①13.3万円、②13.3万円(蓄電池寿命)、③22.5万円(蓄電池稼働中)
- 利益E (20年目): ①13.3万円、②13.3万円(蓄電池寿命)、③13.3万円(蓄電池寿命)
- 利益F (21-30年目): ①②③すべて 13.3万円 (蓄電池寿命)
【20年後の累計純利益】
- シナリオ① (太陽光のみ):
(利益A×4年) + (利益B×6年) + (利益C×5年) + (利益D×4年) + (利益E×1年) – 67.1万円
= (21.5×4) + (12.2×6) + (13.3×5) + (13.3×4) + (13.3×1) – 67.1 = 約225.1万円 - シナリオ② (同時設置):
(利益A×4年) + (利益B×6年) + (利益C×5年) + (利益D×4年) + (利益E×1年) – 187.1万円
= (26.9×4) + (21.9×6) + (22.5×5) + (13.3×4) + (13.3×1) – 187.1 = 約230.3万円 - シナリオ③ (5年目追加):
(利益A×4年) + (利益B×6年) + (利益C×5年) + (利益D×4年) + (利益E×1年) – 187.1万円
= (21.5×4) + (21.9×6) + (22.5×5) + (22.5×4) + (13.3×1) – 187.1 = 約245.5万円
【30年後の累計純利益】
- シナリオ① (太陽光のみ):
20年後利益 + (利益F×10年) = 225.1 + (13.3×10) = 約358.1万円 - シナリオ② (同時設置):
20年後利益 + (利益F×10年) = 230.3 + (13.3×10) = 約363.3万円 - シナリオ③ (5年目追加):
20年後利益 + (利益F×10年) = 245.5 + (13.3×10) = 約378.5万円
【表】長期収支比較まとめ
シナリオ | 初期費用 | 回収年数 | 20年後 累計純利益 | 30年後 累計純利益 |
① 太陽光のみ | 67.1万円 | 約3.1年 | 約 225 万円 | 約 358 万円 |
② 同時設置 | 187.1万円 | 約7.6年 | 約 230 万円 | 約 363 万円 |
③ 5年目蓄電池追加 | 187.1万円 | 約8.6年 | 約 246 万円 | 約 379 万円 |

【結論】長期利益は「5年目蓄電池追加」が最大化!
計算の結果、長期的な視点では「③ 5年目に蓄電池を追加設置」するシナリオが最も多くの利益を生むことが分かりました。これは、FIT単価が高い初期に売電量を最大化し、単価が下がってから蓄電池の自家消費メリット(年間約9万円以上)を15年間享受できるためです。
結論:2025年設置、あなたに最適な戦略は
今回の試算では、30年間の累計収支で見た場合、各戦略間の差は比較的小さい(最大でも約21万円程度)という結果になりました。この点をまず念頭に置いて、以下の戦略をご検討ください。
ただし、将来的な電気料金の動向には注意が必要です。 特に電気料金が今後上昇した場合、太陽光発電で作った電気を自宅で使う「自家消費」の価値が高まります。そうなると、蓄電池を設置する戦略(②や③)の経済的メリットは、今回の試算以上に大きくなる可能性があります。 電気料金が今後、下がるよりは上がる可能性の方が高いと考えるならば、蓄電池の導入はより魅力的な選択肢となるでしょう。
これらの点を踏まえ、改めて各戦略の特徴を以下に示します。
- 選択肢①:長期的な収支をわずかに追求するなら → 「③ 5年目蓄電池追加」
- 理由: FIT高単価期間(1-4年)は売電を最大化し、FIT期間終了後に蓄電池で自家消費率を高める戦略です。現試算では30年累計収支が**僅かに最も高い(約379万円)**ですが、他の戦略との差は大きくありません。将来の電気代上昇時には、自家消費の価値向上によるメリットを最も享受できる可能性があります。
- 検討事項: 5年後の蓄電池価格・性能・補助金・工事費といった不確定要素が大きい点。5年後に改めて検討・契約する手間がかかる点。
- 選択肢②:初期投資は高くても、安心感と手間削減を重視するなら → 「② 太陽光+蓄電池 同時設置」
- 理由: 導入時の補助金(※)や設置の手間が一度で済むメリットがあります。費用回収は約7.6年。30年累計収支(約363万円)は他の戦略と大差ありません。災害時の停電対策にもなり、電気代上昇リスクにも当初から備えられます。
- (※同時設置による補助金メリットがある場合)
- 検討事項: 初期費用が高額になる点。
- 理由: 導入時の補助金(※)や設置の手間が一度で済むメリットがあります。費用回収は約7.6年。30年累計収支(約363万円)は他の戦略と大差ありません。災害時の停電対策にもなり、電気代上昇リスクにも当初から備えられます。
- 選択肢③:初期費用を抑え、早期の費用回収を最優先するなら → 「① 太陽光のみ」
- 理由: 初期費用を最も抑えられ、費用回収も約3.1年と非常に早いのが最大の魅力です。まずは太陽光発電の経済メリットを早く確実に得たい場合に適しています。30年累計収支(約358万円)は現試算では他に若干劣りますが、大きな差ではありません。
- 検討事項: 蓄電池がないため、FIT期間終了後の売電単価下落や電気代上昇の影響を受けやすい点。災害時の停電には基本的に対応できない点。
最終的な判断について
今回の計算結果(費用回収期間、30年累計収支)を見ると、どの戦略を選んでも経済的なメリットは得られる可能性が高いですが、その差は限定的でした。
したがって、収支以外の要素、すなわち「初期費用をどれだけ抑えたいか」「災害への備えをどう考えるか」「将来の電気代上昇リスクをどう評価するか」「5年後に改めて検討する手間をどう考えるか」といった、ご自身の価値観やライフプラン、将来への備えに対する考え方をより重視して、最適なプランを選択することをおすすめします。
【必須】相見積もりで賢く導入!
繰り返しになりますが、適正価格での導入が最も重要です。必ず複数社から見積もりを取り、数百万円損しないようにしましょう!
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この記事が、あなたの太陽光発電・蓄電池導入検討の一助となれば幸いです。
ご注意(免責事項)
※ このシミュレーションは特定の条件下での試算であり、実際の収支を保証するものではありません。
※ 買電単価44円固定など、計算を簡略化している部分があります。
※ 機器劣化、メンテ費用(パワコン交換等)、将来の電気料金・買取価格・蓄電池価格の変動、後付け工事費、補助金の有無・条件等は考慮されていません。
※ 導入検討の際は必ず専門業者に相談し、最新情報をご確認の上、ご自身の責任でご判断ください。本記事の情報に基づく損害等について責任は負いかねます。
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