現場監督必見・土間コン数量拾い術

最近の現場で増える数量過不足問題

土間コンクリートの数量過不足は、いまだ現場の定番トラブル。残コン2〜5m3、逆に不足で30〜60分待ちというロス、どちらも原価と工期を直撃します。原因の多くは、勾配やピット、柱型の控除、端部テーパーの見落とし。この記事では、土間コンクリート 数量拾いの拾い方から打設計画、出来形管理まで、現場監督・施工管理技士が明日から使える実務手順をまとめます。狙った検索キーワードは、土間コンクリート 数量拾い、土間コン 拾い方、出来形管理、施工管理、残コン対策 です。

土間コンクリート 数量拾いの基本と拾い方

基本式はシンプルです。体積V=面積×厚さ。ただし実務では加減算が肝。

基本式と平均厚さの考え方

・平場: V=A×t。例 A=600㎡、t=120mmなら72m3。
・勾配付き: 平均厚さ tave=(t上+t下)÷2 として V=A×tave。0.5%勾配で100mm→150mmなら tave=125mm。

勾配・スロープの拾い方

・帯法: 3〜6mピッチで帯状に分割し、各帯の平均厚を算定。
・スロープ: 台形の体積として V=(上端厚+下端厚)÷2×面積。
・端部テーパー: 壁際の立上りや巾木逃げで厚さが増す区画は別拾い。

ピット・柱型の控除と打ち増し

・柱型: 柱断面×平均厚×本数を控除。600×600の柱なら1本0.6×0.6×tave。
・設備ピット: 平面×深さを控除、補強ハンチがある場合は打ち増しとして別計上。
・溝形状: ケーブルトレンチやU字溝は幅×長さ×深さで控除。

伸縮目地・エキスパンの反映

・伸縮目地は厚さ10mm前後でコンクリート体積への影響は軽微だが、材料と手間は別途。
・カッター目地のピッチ設定は6m以下、柱際3m以下を目安に設計と合意。

打設計画と出来形管理の勘所

レディミクストコンクリート条件

仕上げ土間の標準例: 強度24〜27N、スランプ18±2cm、空気量4.5±1.5%、骨材20mm。夏期は単位水量と温度、冬期は初期凍害対策を事前協議。

ポンプ・人員・車両回転

・ポンプ能力: 実効30〜40m3/hを目安に計画。
・人員: 打設4〜5名、均し2〜3名、金鏝4〜6名、サポート2名で計12〜16名が標準規模。
・車両: 8m3車で1時間6台体制なら約48m3/h供給、現場条件に応じて調整。

出来形管理と品質管理

・墨出し: 水糸とオートレベルで20mピッチ、柱際は5mピッチで標高確認。
・かぶりと配筋: D10@200メッシュはかぶり40mm確保、スペーサブロックは1.0m角で配置。
・受入検査: スランプ、空気量、コンクリート温度、塩化物量を各ロットで確認。
・仕上げ: ブリーディング収束を見極めて金鏝。過鏝はひび割れ誘発のため禁止。

事例と数字で理解する数量とコスト

条件: 倉庫土間 1,200㎡、勾配0.5%、厚さ上端120mm 下端150mm、柱600角×15本、設備ピット2カ所 3m×2m×深さ0.5m、ケーブルトレンチ0.3m×20m×0.2m。

1) 平均厚 tave=(120+150)÷2=135mm。
2) 基本体積 V0=1,200㎡×0.135m=162.0m3。
3) 柱控除 Vc=0.6×0.6×0.135×15=0.729m3。
4) ピット控除 Vp=3×2×0.5×2=6.0m3。
5) トレンチ控除 Vt=0.3×20×0.2=1.2m3。
6) 端部テーパー打ち増し Va=0.05m×0.2m×100m=1.0m3 と仮定。
計 V=162.0−0.729−6.0−1.2+1.0=155.071m3。

余裕率は現場条件で設定。平場で搬入安定なら0.5〜1.0%、遠距離ポンプや渋滞リスクは1.5%。本件は1%採用で発注量約156.6m3、端数調整して157m3。

概算原価: 生コン単価15,500円/m3として 157×15,500=2,433,500円。
ポンプ車一式 70,000円、カッター目地 1,200㎡×350円=420,000円、養生剤 1,200㎡×200円=240,000円、メッシュ 1,200㎡×950円=1,140,000円。
合計概算 約4,304,000円。打設は1日、カッター翌日、養生3日で工期5日程度。

チェックリスト 土間コン拾いと打設手順

数量拾いチェック

  • 勾配と平均厚さを図面で確定、帯法で検算
  • 柱型、ピット、溝の控除を一覧化し合計
  • 端部テーパー、ハンチ、止水材の打ち増しを別計上
  • 伸縮目地ピッチと材工を反映、カッター位置を平面図に反映
  • 余裕率は0.5〜1.5%の範囲で合意し記録

打設前日チェック

  • レベル墨とスラブスクリードの高さ基準を20mピッチで確認
  • 配筋のかぶりスペーサと目地材の通りを確認
  • 車両ルート、待機場所、回転台数のタイムテーブル作成
  • 受入試験の測定器校正と記録様式を準備
  • 仕上げ順路、打継ぎ位置、避難経路をKYで共有

当日運用ポイント

  • 初便でスランプと空気量を確認、以降は変化時に再測
  • ブリーディングが止まる前の過鏝禁止、蒸発量が多い日は散水と養生剤を併用
  • 残コン対策として終端2区画は搬入停止可否を30分前に判断

まとめ 明日から使えるTips

・平均厚さの算定は帯法でダブルチェック。
・控除一覧は柱、ピット、溝、貫通の4分類で漏れを防ぐ。
・余裕率は現場条件でルール化し、発注と日報に明記。
・車両回転はポンプ実効能力から逆算、終盤は停止判断を前倒し。
・出来形管理は墨と標高のセット運用で仕上げ誤差を2mm以内に。

土間コン 数量拾いと出来形管理は、原価と品質の要。図面上の1mmが現場の1m3に化けます。今日の拾いを見直し、残コンゼロの現場を作りましょう。

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