ALC外壁の数量拾い完全ガイド|施工管理

最近の現場で増える「拾い漏れ」と見積差

ALC外壁の数量拾い、図面が出揃う前後で差し戻しが多いと感じませんか。開口増減や割付変更で、パネル枚数・金物・シーリングm数がズレ、発注や見積に直撃する。施工管理の肝は、最初の拾いで勝負をつけること。この記事では「ALC外壁 数量拾い 施工管理 シーリング m数 見積精度」を狙った検索キーワードとして、現場で通用する拾い順・計算法・ロス率の考え方を一気通貫でまとめます。

本論:ALC外壁の数量拾い、最短ルート

図面からの拾い順序(ブレない土台)

まずは図面の当て方を固定化します。1. 意匠:外周ライン、開口寸法・位置、入隅/出隅、見付寸法 2. 構造:柱梁の出寸、躯体クリアランス、アンカー位置可否 3. ALC伏図・割付案:板厚t100/125、標準幅W600、長さ3,000mm基準の縦張り/横張り 4. 建具表:サッシクリアランス、下端レベル、袖壁有無 5. 仕様書:ジョイント目地幅(例:W15×D10)、シーリング種別、バックアップ材、ボンドブレーカー、塗装/仕上げ仕様。これを上から順に確認し、変動要素(開口、入隅、伸縮目地)を先にマーキングしておくと、拾い直しが激減します。

パネル枚数の拾い方(割付とロス率)

基本は外周有効面積÷1枚当たり面積。縦張りの場合、標準板はW600×H3,000(1.8㎡)。外周高さが3,000の倍数でなければ端部役物やカットが増えるのでロス率が上がります。割付は外周長を600ピッチで割り、隅部で均し割り。出隅・入隅はコーナーパネル/切欠きを考慮し、1隅あたり+1枚相当の増を目安に。開口が重なる段は実質的に短尺が増えるため、ロス率+1〜2%上乗せが現実的です。

金物・アンカー・副資材の拾い(見落とし注意)

金物はメーカー仕様に準拠。汎用想定で、1枚につき上下各1点+中間支持@1,000〜1,500とすれば、3,000mm板で計3点/枚が目安。アンカーは鉄骨フランジ条件により@600〜900mmで本数が変動。外壁周長と段数から合算し、躯体干渉での打替え分を+3%見込むと安全です。副資材は、バッカー材(丸紐φ10〜12)、ボンドブレーカー(25mm)、プライマー、止水テープ、耐火パテ(貫通部)までセットで拾います。

シーリングm数の計算法(mと本数に落とす)

ジョイントは縦目地と横目地、そして開口周り。縦目地は外周長÷600×階高で総延長。横目地は外周長×(段数−1)。開口周りは開口周長の合算。目地W15×D10の場合、断面150mm²=0.00015m³/m=0.15L/m。カートリッジ600mlなら1本で約4m(実効3.8〜4.2m)。余盛・ロスを見て係数1.05を掛ければ、本数がブレません。

ロス率と予備材(攻めと守りのバランス)

ALCのロス率は平面単純で3〜5%、開口多め・段違い・隅多めで5〜8%。夜間揚重や長物搬入制限がある現場は、破損リスクを見て+1%の予備材が無難。取り合い変更が出やすいファサードは端部役物の余裕を確保します。

事例・数字で腹落ちする計算

想定物件:S造5F、外周長100.0m、階高3.0m×5層=外壁高さ15.0m、ALC t100縦張り、開口40箇所(2.0×2.1m)。

1) 壁面積:100.0×15.0=1,500㎡。開口面積:2.0×2.1×40=168㎡。正味1,332㎡。

2) パネル枚数:1枚1.8㎡→1,332÷1.8=740枚。隅部・開口ロス+2.5%→約759枚(端数切上)。

3) 金物/アンカー:3点/枚→759×3=2,277点。アンカー打替え+3%→2,345点見込み。

4) シーリングm数:縦目地=(100.0÷0.6=167列)×15.0=2,505m。横目地=100.0×(5段−1)=400m。開口周り={2×(2.0+2.1)=8.2}×40=328m。合計=3,233m。材料本数=3,233m÷4m/本×1.05=848本(600ml)。

5) 参考コスト感(例):パネル施工12,000円/㎡→1,332㎡で約1,600万円。シーリング1,200円/m→3,233mで約387万円。金物・揚重・諸経費別。現場条件で±15%は変動します。

チェックリスト(拾い漏れ防止)

  • 図面整合:意匠・構造・伏図・建具表の開口位置は一致しているか
  • 入隅/出隅:コーナーパネルの納まりと枚数増しを反映したか
  • 段数算定:階高と板長の端数処理(腰見切・笠木下)を確定したか
  • 開口まわり:サッシ方立の抱かせ寸法とプレート有無を反映したか
  • アンカー条件:鉄骨フランジ幅・ウェブ干渉でピッチ変更はないか
  • シール仕様:目地W×D、プライマー種別、バックアップ材径を確認したか
  • 防耐火:貫通部の耐火措置(パテ/モルタル)数量を別計上したか
  • ロス率:計画ロスと予備材(+1〜2%)の手当ては妥当か
  • 揚重計画:クレーン能力、揚重回数、荷姿(長尺制限)を工程に織込んだか
  • 見積精度:シーリングm数はm→本数→箱数まで落とし、端数調整したか

まとめ:明日から使えるTips

・縦目地と横目地は「列数×高さ」「外周×(段数−1)」のセットで一発算定。
・カートリッジは4m/本(W15×D10基準)を暗記し、現場係数1.05でブレを吸収。
・パネルは「正味面積÷1.8㎡」で概算→隅部・開口で+2〜5%のロスを初回から上乗せ。
・開口周りは周長ベースで拾い、サッシ変更に備え別表管理。
・数量表は「図面版数」を明記し、差分管理で手戻りを最小化。

ALC外壁の数量拾いは、式を型にしておけばブレません。施工管理の初動で精度を出せば、見積も工程も安定します。今日の案件から、拾い順とロス率の“自分基準”を固めていきましょう。

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