コンクリート打設 段取りで差がつく実務ガイド|手順・受入検査・養生まで

コンクリート打設 段取りが決まると、手戻りが減り、品質と安全がぐっと安定します。
今日は原因から具体策、当日の手順までを一気に整理します。
むずかしい言葉は短く補足しますので、休憩がてら気楽に読んでくださいね。

なぜ「段取り」で差がつくのか(原因)

打設は人と機械と時間が密に絡みます。
生コン車、ポンプ車、職人さん、監督、検査と、関係者が多い工種です。
気温や風などの外部条件も効きます。
初動でつまずくと、全体の遅れや品質低下につながりやすいのです。

具体策:計画で先に決めること

打設計画書の骨子

まずは打設計画書をA3一枚に要点化します。
数量と打設ブロック、順番、打込み速度の想定を書きます。
人員配置、合図系統、避難動線も図で入れます。
ポンプ車の据え付け位置、圧送経路、予備ホースも明記します。

生コンの仕様と配車

呼び強度、スランプ(柔らかさの目安)、空気量を先に確定します。
W/C(水セメント比)やAE減水剤(流動性を上げる薬剤)も確認します。
配車は昼休みをまたぐかで段差が出ます。
「m3/h」と台数・間隔を相互にチェックして、渋滞と待機を減らします。

受入検査と試験

受入検査は現場の関所です。
スランプ、空気量、温度、塩化物を測ります。
スランプは例えば12±2.5cmなどの範囲で確認します。
供試体採取も忘れずに。圧縮強度試験の証拠になります。

当日の手順(安全と品質を両立)

朝の段取りとKY

朝は5分で全体共有を行います。
危険予知(KY)で転倒、はさまれ、感電を具体に出します。
合図者と連絡手段を一本化します。
搬入路の片付け、手すり・開口養生は先に完了させます。

打込み・締固めの要点

打込みは薄く広くではなく、ブロックごとに確実に進めます。
バイブレーター(締固めの振動棒)は30〜40cmピッチで差し、
引き上げは1〜2cm/sを守ります。
型枠や配筋をたたかず、過振動も避けます。ジャンカ(豆板)防止です。

仕上げと養生

表面が落ち着いたら、コテ押さえの回数を温度で調整します。
初期乾燥を防ぐため、散水やシートで養生します。
養生(乾燥や温度を管理する作業)は品質の最後の砦です。
風が強い日は早めに被覆し、ひび割れを抑えます。

当日の流れ:タイムライン例

8:30 搬入前点検。受入検査の器具を並べます。
9:00 1台目到着、スランプと空気量を測定します。
9:15 打込み開始。予定速度20m3/hで進めます。
12:00 昼休み前に打継ぎ(継ぎ目)位置でいったん整えます。

13:00 再開前に表面の汚れを除去し、レイタンスも削ります。
13:10 再打込み。再開合図を一本にし、バケットと人の動線を分けます。
15:30 打込み完了。仕上げと散水、被覆をします。
16:00 片付けと写真、配合票・試験成績の整理まで終えます。

注意点とリスク対応

打ち重ね時間は目安60分内に収めます。
遠距離や渋滞がある日は、配車間隔を短く設定します。
高温日はスランプ低下が早いので、日陰待機と散水で守ります。
低温日は温度計で打込み温度を確認し、夜間養生を厚めにします。

ポンプ詰まりは早期の兆候把握が肝心です。
吐出量の変化や脈動を感じたら、無理押しは絶対にしません。
型枠のはらみは、見回り役を置き、ラチェットとつっかえで即応します。
記録は写真・数値・時刻の3点で残します。

まとめとチェックリスト

  • 計画はA3一枚に要点化し、全員で共有する
  • 受入検査はスランプ・空気量・温度・塩化物を必ず測る
  • バイブレーターは30〜40cmピッチ、1〜2cm/sで引き上げる
  • 打ち重ねは60分内、打継ぎ面は清掃と処理を行う
  • 天候対策は事前に決め、養生は早めに開始する
  • 合図系統を一本化し、通路と避難は常に確保する
  • 写真・時刻・数値で記録を残す

次の現場では、まず自社の打設計画書ひな形を見直しましょう。
今回のチェックを追記し、朝礼で配ると、チームの動きがそろいます。

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