RC型枠の数量拾い完全ガイド|現場監督

導入|RC造の型枠数量拾い、現場での“あるある”課題

工程が押しているときほど「型枠の数量拾い」が粗くなり、足場を掛けてから不足が発覚…というのは現場監督の“あるある”。型枠面積の過少計上はコスト超過、過大計上は見積り競争に負ける原因です。この記事では、施工管理の実務で使える「RC造 型枠面積 計算」と「セパレーター 本数 計算」のコツを、拾い漏れゼロの視点で整理します。

本論|型枠面積の計算方法とコツ(RC造 型枠面積 計算)

壁・柱・梁・スラブの基本式(型枠 数量拾いの基礎)

・壁型枠面積:高さ(m)×長さ(m)×2面 − 開口部(m²)×2面。片面で整理したい場合は「高さ×長さ − 片面の開口面積」でOK。
・柱型枠面積:柱外周(m)×高さ(m)。角柱なら(幅+奥行)×2×高さ。
・梁型枠面積:側面2面(2×梁せい×梁長)+底板(梁幅×梁長)。上面はスラブで不要。
・スラブ型枠面積:スラブ下面の面積=床面積。段差や開口は控除・加算を明確に。

開口・打継・役物の扱い(拾い漏れの温床)

・開口:サッシ、設備スリーブ、PS開口は図面差異が出やすい。開口補強(まぐさ・まぐさ下地)の型枠は加算。
・打継:立上り打継冶具(止型枠)や目地棒、見付け角の役物は拾いに含める。
・面木・目地棒:出隅・入隅の面木(6〜15mm)延長は見落としがち。コーナー金物の数量も梁・柱本数から連動。

セパレーター本数 計算と支保工の目安

・セパレーター(フォームタイ):片面の壁面積を基準に、縦横ピッチで割る。例:ピッチ600×600mmなら1m²あたり約2.78本。壁厚200mm、せき板合板12mm、補強桟@450〜600mmを前提に設定。
・パイプサポート:スラブ下面は@900×900mmを基準。梁下は梁ラインに沿って追加列を配置。
・根太・大引:12mmコンパネ使用で根太@300〜450mm、大引@900mmが一般的。厚さやスパンに応じて補強を増やす。

事例・数字|5階建RC集合住宅(1フロア例)

条件:平面30m×20m(床600m²)、外周長100m、階高3,000mm、外周壁t=200mm、内部RC壁延長40m、柱16本(600×600mm)、梁せい600mm×幅300mm、梁延長290m、開口(片面)80m²。

・外周壁型枠(両面):100m×3.0m×2=600m²
・内部壁型枠(両面):40m×3.0m×2=240m²
・開口控除(両面):80m²×2=160m² → 壁型枠正味=(600+240)−160=680m²
・柱型枠:外周2.4m×高さ3.0m×16本=115.2m²
・梁型枠:側面2面=2×0.6m×290m=348m²、底板=0.3m×290m=87m² → 合計435m²
・スラブ型枠:600m²
合計(1フロア)=壁680+柱115.2+梁435+スラブ600=1,830.2m²(端数切上で約1,831m²)

セパレーター本数(片面面積基準):片面壁面積=外周100×3.0+内部40×3.0−開口80=340m²。ピッチ600×600mm→340÷0.36=約944本/階。
パイプサポート本数(目安):スラブ600m²÷0.81(@0.9m格子)=約741本+梁下増し10%=約815本/階。

コストの目安(地域差あり):型枠一式@5,500円/m²→1,831m²×5,500円=約10,070,500円/階。セパレーター@110円/本→944本×110円=約103,840円/階。
工期の目安:1フロア型枠建込〜配筋〜打設まで10〜14日、流用回数6回想定でパネル手配。

手順・チェックリスト|拾い漏れをゼロにする段取り

  • 図面固定:意匠・構造・設備(スリーブ)最新版の整合確認。開口リストをBIMまたは表で確定。
  • グリッド単位で拾う:壁→柱→梁→スラブの順に、片面・両面の区別を明記。
  • 開口控除は片面基準で統一し、最後に両面換算に変換。差し戻しを防ぐ。
  • 打継・止型枠・面木・目地棒・見付角金物を別表で集計(m、個、セット)。
  • セパレーターはピッチ根拠を記載(例:600×600、壁厚t=200、せき板12mm)。特殊部(袖壁・腰壁)は別計算。
  • 支保工計画:スラブ@900×900、梁下追加列を梁リストと連動。クリア高さ、通路幅、荷重伝達(敷き板)を図示。
  • 安全・品質:せき板の背割れ、桟木の割付、セパ頭処理(コーン:レジンorモルタル)を標準化。高さ管理±3mm。
  • 歩掛り・コスト:型枠流用計画(6回/パネル)と実回数の差異管理。手間単価、残業係数の前提を見積に明記。

まとめ|明日から使えるTips(施工管理)

・壁は「片面」で数える癖をつけ、最後に両面換算。セパレーターは片面面積で計算が最短ルート。
・梁は「側面×2+底板」で固定。梁幅・せいの単位(mm→m換算)を拾い表に併記。
・開口は控除だけでなく補強型枠を加算。サッシ下端のまぐさ下地を忘れない。
・支保工は@900×900を起点に、梁下だけ10〜20%増しを初期見積に入れておく。
・数量表は「根拠列」を必ず作る(図番、ピッチ、サイズ)。差し戻しが激減します。
型枠 数量拾いは“スピード×根拠”。この記事の計算式とチェックリストをテンプレ化すれば、見積精度と現場段取りが一段上がります。

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