現場監督必見|枠組足場の数量拾い完全ガイド

導入|最近の現場で多い「足場の数量差異」問題

工程が詰まる外装期、見積と実数の差が出やすいのが枠組足場。数量拾いのブレは、資材不足や過剰手配、コスト超過、工程遅延の引き金になります。この記事では施工管理が現場で即使える「足場 数量拾い」の考え方と計算手順を、枠組足場を軸に実務レベルで整理します。検索キーワードは「枠組足場 数量計算」「メッシュシート 面積 計算」「壁つなぎ ピッチ」あたりを想定。

本論|枠組足場の数量拾いの基本式と注意点

前提条件を決める(外周L・高さH・スパンS)

まずは図面から外周長Lと足場高さHを確定。使用システムの標準スパンS(例: 1.8m)と枠高さh(例: 1.8m)を採用します。基本の計数は以下。

・スパン数=ceil(L ÷ S)
・段数=ceil(H ÷ h)
・列数=2(本足、2列)
・作業床層=各階+最上段など現場仕様で決める

部材別の数量計算(目安式)

・建枠(フレーム)≒ 段数 × 列数 ×(スパン数+1)
・手すり(上段+中さん)≒ 2 × スパン数 × 作業床層(外側列基準)
・踏板(鋼製布板)≒ 枚数/スパン × スパン数 × 作業床層(例: 600mm通路で3枚)
・巾木 ≒ 1 × スパン数 × 作業床層
・交差筋違(ブレス)≒ スパン数 ×(段数−1)× 列数 × 係数0.3〜0.5(配置密度で補正)
・壁つなぎ(アンカー)≒ ceil(L ÷ 水平ピッチ) × ceil(H ÷ 垂直ピッチ)(一般目安5.4m×3.6m)
・メッシュシート面積 ≒ L × H × 遮蔽率補正(開口や出入口で−10〜30%)
・ジャッキベース ≒ 列数 ×(スパン数+1)× 1列当たりの建地数(本足なら2列で概ね2×(スパン数+1))

いずれもメーカー基準と仮設構造検討書を優先。特に壁つなぎピッチは風荷重やシート遮蔽率で変わります。

よくある落とし穴と対策

・開口部やセットバックの減算忘れ→面積・部材ともに別計上
・コーナー・出隅入隅のブレス不足→角部は増し掛け前提で係数アップ
・作業床層の過小見積→「各階+最上段」など仕様を工程会議で固める
・メッシュシートの風対策→遮蔽率の指定(例: 55%)と部分開放計画を事前承認
・階段タワーの本数不足→動線計画と避難距離で決める(外周30〜40mに1基目安)

事例・数字|RC8階、外周110mで拾ってみる

前提:外周L=110m、高さH=27.6m(3.45m×8階想定)、スパンS=1.8m、枠高さh=1.8m、本足(2列)、通路600mm(踏板3枚/スパン)、作業床層=各階8+最上段1=9層。

・スパン数=ceil(110÷1.8)=62
・段数=ceil(27.6÷1.8)=16

部材試算(概数)
・建枠=16×2×(62+1)=2016本
・手すり(上中)=2×62×9=1116本
・踏板=3×62×9=1674枚
・巾木=1×62×9=558枚
・交差筋違=62×(16−1)×2×0.4=744本(係数0.4仮定)
・壁つなぎ=ceil(110÷5.4)×ceil(27.6÷3.6)=21×8=168本(目安)
・メッシュシート面積=110×27.6=3036㎡ → 開口減20%で約2430㎡
・ジャッキベース=2×(62+1)=126個

コスト感(地域・時期で変動)
・外周面積3036㎡×2,000〜3,000円/㎡(組立解体含む概算)=約607万〜910万円
・組立工期目安=延べ大工数80〜110人工、8〜10日(8名編成の場合)

手順・チェックリスト|抜け漏れを防ぐ

  • 前提整理:L、H、S、h、列数、作業床層、シート遮蔽率、階段タワーの本数
  • 平立面のブロック分け:開口・セットバック・跳ね出し・搬入口を別計上
  • 数量計算:スパン数、段数→建枠、手すり、踏板、巾木、ブレス、壁つなぎ、ジャッキ
  • 安全付帯:先行手すり、中さん、二重手すり、巾木、出入口ゲート
  • 風荷重対策:シート面積と遮蔽率、開放計画、壁つなぎ増し
  • 仮設計画書と整合:メーカー基準、計算書、動線・避難計画
  • 予備率の付与:3〜5%を目安に小物・ロスを計上
  • DX活用:Excelテンプレ、BIM外周自動拾い、写真台帳と連動

まとめ|明日から使えるTips

  • 最初に「作業床層」を工程から確定すると踏板・手すりの誤差が激減
  • 壁つなぎは5.4m×3.6mを起点に、シート遮蔽率と風向で増し掛け検討
  • メッシュシート面積はL×Hから開口減20%を仮置き、現場確認で最終補正
  • 角部と開口周りはブレス係数を上げる(0.4→0.5)と安全側
  • 数量表に「根拠欄」を作ると見積交渉と変更対応が圧倒的に速い

足場 数量拾いは、式自体はシンプルでも、現場条件の補正が勝負。ここで示した「枠組足場 数量計算」の型とチェックリストを、次の仮設計画からそのまま流用してください。

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