サイディングの数量拾い|面積・枚数・役物・コーキングm数の拾い方

外壁サイディング数量拾い完全ガイド

外壁サイディングの数量拾いは、面積を出して1枚の面積で割るだけでは終わりません。面積・枚数・役物・コーキング(シーリング)のm数は、それぞれ別の決まりで拾います。この記事では、国交省の公共建築数量積算基準とメーカーの施工資料で確かめた決まりと、僕の現場で割付やシーリングでつまずいた話を、拾う順番に並べます。

外壁材の発注を明日に控えた夕方、現場事務所で。

結論

  1. サイディングの数量拾いは、面積(m²)・枚数・役物(m/か所)・シーリング(m)の4つを分けて拾います。
  2. 面積は、外壁の設計寸法による面積から開口部の内法の面積を引きます。1か所0.5m²以下の開口は引きません(公共建築数量積算基準)。
  3. 枚数は「面積÷1枚の面積」ではなく割付図で数えます。シーリングは開口部の内法の周長と割付図の目地から拾い、ふさいではいけないすき間には打ちません。
ルー

外壁の面積を出して、1枚1.38m²で割りました。41枚で注文していいですか?

テツさん

割り算で張れたら楽なんだけどな。窓の横で半端が出るし、切った所はまた目地になるんだ。

ルー

じゃあ、コーキングは目地の分だけ拾えばいいですか?

ミサキさん

窓まわりも土台まわりもあるよ。それに、打っちゃいけない所もあるからね。

Kony

割り算と割付、一字違いで大違いなんだよね。今日は面積、枚数、役物、コーキングのm数の順に拾っていこう。

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サイディングの数量拾いは「面積・枚数・役物・シーリング」の4つに分ける

サイディングの数量は、単位の違う4つの数字に分けて拾います。公共建築数量積算基準(令和5年改定)は、仕上を「表面処理・主仕上・附合物・仕上下地」に分け、計測の対象を主仕上とし、役物類は長さか箇所数で拾うと決めています。サイディング本体が主仕上(m²)、出隅や見切が役物(m・か所)、目地や窓まわりのシーリングが長さ(m)です。発注するときの枚数は、この面積とは別に割付図から数えます。

拾うもの単位どこから拾うか決まり・資料
サイディング本体(主仕上)m²立面図・矩計図の設計寸法積算基準:設計寸法の面積から開口部の内法面積を引く
枚数(発注)枚割付図(張り始めの位置・目地の位置)メーカーの製品寸法(例 455×3030)
役物(出隅・入隅・見切・水切など)m・か所立面図・平面図・納まり図積算基準:設計寸法に基づく長さ又は箇所数
シーリングm(目地の幅も書く)建具表・割付図・納まり図積算基準:開口部は内法寸法に基づく周長
胴縁(下地)m²主仕上と同じ積算基準:壁の胴縁は下地(板)類、主仕上の設計寸法による
表1 サイディングで拾う数量(公共建築数量積算基準 第5編第2章第2節より整理)

胴縁は、積算基準では「壁部分の胴縁は、下地(板)類に属する」とされ、数量は主仕上の設計寸法によります。つまり公共の数量の決まりでは、胴縁もサイディングと同じ面積で拾います。留め付けの釘・ビス・金物は仕上の構成部材として、原則として計測しません。(積算基準 第5編第2章第2節 1通則(3)〜(6))

サイディングの拾い方:面積は外壁から開口部の内法を引く(0.5m²以下は引かない)

面積は、外壁の設計寸法による面積から、建具など開口部の内法寸法による面積を引いて出します。積算基準は、開口部の面積が1か所あたり0.5m²以下なら「開口部による主仕上の欠除は原則としてないものとする」としています。小さな窓や換気口の分は、引かずにそのまま面積に含めるということです。(積算基準 第5編第2章第2節 2(1)1))

外壁の範囲も決まっています。外壁は「建物外部の側面をいい、開口部を除く」とされ、独立柱・壁付柱・壁付梁・開口部まわりの見込・パラペット笠木・手すり笠木などは外壁に属するものとして、それぞれ分けて拾います。窓まわりの見込(奥行き)にサイディングや見切を回す納まりなら、そこは別の行で拾っておかないと抜けます。

場面積算基準の扱い
建具などの開口部内法寸法の面積を引く。1か所0.5m²以下なら引かない
壁に取り合う梁の小口など1か所0.5m²以下なら欠除はないものとする
換気孔・配管・電気器具など1か所0.5m²以下なら欠除はないものとする
柄の凹凸凹凸が0.05m以下なら凹凸のないものとして見付面積
開口部まわりの見込・笠木外壁に属する。それぞれ分けて拾う
表2 面積で引くもの・引かないもの(積算基準 第5編第2章第1節(2)2)、第2節2(1)〜(3))

0.5m²の決まりは、型枠の数量拾いにも出てきます。どちらも「小さな穴は引かない」という同じ考え方なので、型枠の拾い方を知っている人は型枠数量の拾い方と並べて読むと覚えやすいと思います。

面積÷1枚では枚数にならない:割付とサッシの位置で決まる

発注する枚数は、面積を1枚の面積で割った数ではなく、割付図で数えた枚数です。たとえばケイミューの製品ページでは、サイズ14×455×3030mm、1枚あたり1.38m²と書かれています。ニチハのモエン標準施工の資料にも、455×1820・455×3030・910×3030・1000×3030といった寸法が並んでいます。ただし、この1枚の面積で正味の面積を割っても、張るときに出る半端や、切った所の目地は数に入りません。

ここが「基準ではこう、でも現場ではこうなる」のいちばん大きなズレです。積算基準の数量は設計寸法の面積なので、割付も端材も入っていません。現場では、サッシの位置と目地が合わないと、板を切って半端を作り、そこに目地が増えます。ニチハの資料でも、切り欠きは原則として板幅の1/2以下とし、残りの幅がそれより狭くなるときは切断して10mm幅のシーリング目地にする、と書かれています。(ニチハ モエン標準施工編 1-16)

僕は、ALCやサイディングの割付とサッシの位置が合わないことに図面の段階で気づいたら、躯体の寸法を少し変えるか、割付をずらしてサッシに合わせます。それでも少しずつずれて、目地が大きくなったり小さくなったりはどうしても出ます。だから、どこから張り始めればサッシに合うかを自分で把握して、張るときに職人さんに伝えています。張りながら気づいたときは、サッシの位置はもう変えられないので、下地の範囲で少しずらして目地の通りを近づけるくらいしかできません。

張り始めの位置は、製品の種類でも縛られます。コーキングレスのサイディングは左から・下からしか張れず、目地を合わせたい一番端だけは右から張って目地を通せます。割付が合わないときに「しょうがない」と何も考えずにそのまま張るのは、やらない方がいいと思っています。

拾うタイミングも大事です。鉄骨造では、サイディングの割付が胴縁のピッチを決め、サッシの下地も鉄骨で組むので、鉄骨の製作に入る前に割付を決めておかないといけません。ニチハの資料では、開口部の左右や上下で割付の幅が100mm以下になる所は補助胴縁を足す、とされているので、割付は下地の量にも効きます。サッシまわりの段取りはサッシ取付の手順と確認にまとめています。

サイディングの役物の拾い方:出隅・入隅・見切・水切は「長さ」か「か所」

役物は、設計寸法に基づく長さか箇所数で拾います。積算基準は、出隅・入隅やこれに類するもの、附合物などの役物類を「原則として設計寸法に基づく長さ又は箇所数を数量とする」と決めています。出隅・入隅は高さ×か所数、土台水切や中間水切は水平の長さ、軒天や開口まわりの見切はその辺の長さです。(積算基準 第5編第2章第2節 2(4)(5))

拾うときに間違えやすいのが、角の二重拾いです。出隅は2つの面にまたがるので、面ごとに拾い表を作ると、両方の面で同じ角を拾ってしまいます。出隅・入隅だけは面ごとではなく平面図で角を数え、「角の数×高さ」で1行にまとめると、二重に拾いません。

m数が出たら、製品ごとに決まっている定尺の長さで割って本数にします。定尺は製品で違うので、使うメーカーのカタログで確かめてください。工法によっては、開口部の上に付ける部材のように「か所」で拾う役物もあります。ニチハのモエン開口水抜き部材Ⅱは、開口の幅が500mm未満なら不要、500〜900mmなら2か所、900mmを超えると900mm以下の間隔で必要な数を出す、とされています。(ニチハ モエン標準施工編 1-23 開口部上側)

コーキング(シーリング)のm数の拾い方:開口部は内法の周長、目地は割付図から

窓まわりのシーリングは、建具の内法寸法に基づく周長で拾います。積算基準は、建具等の開口部のシーリングを「設計図書の長さ及び内法寸法に基づく周長を数量とする」とし、あわせて「建具と水切間のシーリングは、原則として計測の対象としない」としています。幅1.6m・高さ1.2mの窓なら、2×(1.6+1.2)=5.6mです。(積算基準 第5編第2章第2節 3(3)5))

サイディングどうしの目地や、板を切った所の目地は、割付図で位置を決めてから長さを拾います。立面図だけでは目地の位置が決まっていないので、割付が決まる前のm数は「仮」と書いておきます。積算基準には、ボード類の目地は主仕上の構成部材として原則計測しない、という決まりもあります。公共の数量と、シーリングの職人さんに頼むための数量では目的が違うので、拾い表の頭に「どちらの数量か」を書いておくと、あとで数字が合わないときに迷いません。

m数と一緒に、目地の幅も拾い表に書きます。標準仕様書は、特記がなければ一般の目地を幅・深さとも10mm以上とし、ニチハの資料でも切断した所は10mm幅のシーリング目地としています。僕の現場では、外壁のシーリング目地は15mmくらいで見ることが多いです。少し太めにしておくと、割付が多少ずれても目立ちにくいからで、10mmのつもりの目地が15mmになると結構目立ちます。同じm数でも幅が変われば材料の量が変わるので、幅は数字で残しておきます。

図面に出てこないシーリングもあります。サイディングの外壁に足場の壁つなぎを取るときは、跡をシーリングで補修できるように、なるべく目地を狙って打っています。目地のない工法だと跡がサイディングに直に出るので、足場をばらしながら補修していき、外したタイミングで補修箇所を忘れないようにしています。壁つなぎの位置は壁つなぎの間隔(足場)、材料の選び方はコーキング(シーリング)の選び方で書いています。

拾ったm数の確かめ方として、シーリングの職人さんは、使ったマスキングテープのメーター数でざっくり測っていると聞いたことがあります。あくまで確認用のざっくりした方法ですが、拾い表の数字と大きく離れていないかを見る目安にはなります。

X1X2 窓A窓A窓B 周長5.6m周長5.6m2.4m 出隅 6.0m出隅 6.0m土台水切 10.0m 下端のすき間10〜15mmはシーリングでふさがない 10,0006,000 出隅 6.0×2=12.0m 土台水切 10.0mシーリング 5.6×2+2.4=13.6m
図1 線で拾う数量(寸法はmm、数字は例)。出隅は両端の2か所で12.0m、土台水切は10.0m、開口部のシーリングは内法の周長で合計13.6m。窓Bは面積では引きませんが、シーリングは拾います。

打ってはいけないシーリングもある:サッシ上部と土台のすき間

シーリングは「全部の取り合いに打つ」ものではなく、ふさいではいけないすき間があります。ニチハの資料は、土台部について、サイディングの下端と土台水切のすき間を必ず10〜15mm確保し、シーリングなどでふさがないように、としています。外壁通気構法の空気の入口と、入った水や結露水の出口になる所だからです。(ニチハ モエン標準施工編 1-23 土台部)

開口部の上側も同じ考え方です。ニチハの資料では、開口部の上側はサイディングの裏に通気路を確保して、万が一入った雨水を左右に流すことと、通気の循環を目的にしている、と説明しています。開口水抜き部材を使う納まりでは、その部材の背面には排水を妨げないようにジョイナーやバックアップ材を付けない、とも書かれています。どこに打ってどこを空けるかは、製品と工法で違います。

現場でやらかした話

僕は、サッシ上部とサイディングのすき間の、シーリングを打ってはいけない所に打ってしまったことがあります。打った場所が悪くて水の抜け道がなくなり、室内に雨が漏れました。僕はサッシまわり、特に水が溜まりがちなサッシの下端は、どこに打つかを先に考え、そこに本当に打たないといけないのかに注意しています。

数量拾いの段階でできることもあります。拾い表のシーリングの行に、打つ所だけでなく「打たない所」も書いておけば、職人さんとの打合せでそのまま使えます。納まりは設計図とメーカーの施工法で決まるので、迷う所は監理者とメーカーに確認してから拾います。窓まわりの雨仕舞いの確認はサッシ取付の手順と確認で詳しく書いています。

計算例:幅10m・高さ6mの外壁1面を拾ってみる

計算例として、幅10.0m・高さ6.0mの外壁1面に、幅1.6m・高さ1.2mの窓Aが2か所、幅0.6m・高さ0.6mの窓Bが1か所ある場合を拾います。寸法は説明のための例で、両端は出隅とします。窓Aは1.92m²なので引き、窓Bは0.36m²で0.5m²以下なので引きません。

X1X2 GL 窓A 1.92m²引く窓A 1.92m²引く窓B 0.36m²引かない 1,6001,200600 10,0006,000 10.0×6.0=60.00m²60.00−1.92×2=56.16m²(窓Bは引かない)
図2 面積の拾い方(寸法はmm、数字は例)。斜線の窓Aは内法の面積を引き、0.5m²以下の窓Bは引きません。正味の面積は56.16m²です。
行式数量備考
外壁(設計寸法)10.0 × 6.060.00m²—
開口控除 窓A1.6 × 1.2 × 2か所−3.84m²1か所1.92m²で0.5m²を超える
開口控除 窓B0.6 × 0.6 = 0.3600.5m²以下なので引かない
サイディング(正味)60.00 − 3.8456.16m²胴縁も同じ面積
(参考)1枚の面積で割った数56.16 ÷ 1.38約40.7発注枚数ではない。枚数は割付図で数える
出隅6.0 × 2か所12.0m隣の面と二重に拾わない
土台水切10.010.0mサイディング下端とのすき間はふさがない
シーリング 開口部2×(1.6+1.2)×2 + 2×(0.6+0.6)13.6m内法の周長。目地の幅も書く
シーリング 目地割付図から(仮)割付が決まってから拾う
表3 計算例の拾い表(寸法はm、数字は例)

窓Bは、面積の上では存在しないのに、シーリングの上ではしっかり2.4m分の存在を主張してきます。面積の決まりとシーリングの決まりは別なので、小さな窓ほど拾い忘れに注意が要ります。表の「約40.7」は、ルーが割り算で出した41枚の正体で、半端や切った所の目地は入っていません。

協力会社さんの拾いと数字が合わないときは、4つの数量を別々に突き合わせます。面積なら0.5m²以下の開口や見込の扱い、枚数ならどの割付図で数えたか、役物なら角を二重に拾っていないか、シーリングなら目地の幅と、建具と水切の間や壁つなぎの補修を入れているかを見ます。外壁の外周長さは足場の数量にも使うので、足場の数量拾いと一緒に拾っておくと手間が減ります。拾った数字の検算には、数量拾いツールも使えます。

よくある質問

サイディングのロス率は何%で見ればいいですか?

この記事では率を書きません。一次資料で根拠を確かめられる数字が見つからなかったからです。積算基準の面積は設計寸法の数量で、割付の半端は入っていないので、発注の枚数は割付図で数えるのがいちばん確実です。

小さい窓や換気口の面積は引きますか?

公共建築数量積算基準では、開口部が1か所0.5m²以下なら引きません。換気孔・配管・電気器具なども1か所0.5m²以下なら欠除はないものとします。契約で別の決まりがあれば、そちらに合わせて拾い表の頭に書いておきます。

窓1か所のコーキングのm数はどう拾いますか?

建具の内法寸法の周長、2×(幅+高さ)で拾います。積算基準では、建具と水切の間のシーリングは原則として計測しません。納まりによっては打ってはいけない所もあるので、メーカーの施工法と納まり図で確かめます。

胴縁の数量はどう拾いますか?

積算基準では、壁の胴縁は下地(板)類で、数量は主仕上の設計寸法によります。本数にするときは、メーカーの施工法の間隔で割付図に落とします。ニチハのモエン標準施工では、木胴縁は500mm以下の間隔で柱や間柱に留め付ける、とされています。鉄骨下地は工法や防耐火の条件で間隔が変わるので、メーカーの資料と認定の条件で確かめてください。

役物は何本注文すればいいですか?

拾ったm数を、その役物の定尺の長さで割って本数にします。定尺は製品ごとに違うので、使うメーカーのカタログで確かめます。出隅・入隅は平面図で角の数を数えてから高さを掛けると、二重に拾いません。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築数量積算基準」平成15年3月31日制定・令和5年3月29日改定(国営積第8号)。第5編 仕上 第2章第1節(2)2) 外壁(p.32)、第2節1 通則(3)〜(6)(p.33)、2 主仕上の計測・計算(1)〜(5)(p.34)、3 材種による特則(3)5) 開口部のシーリング(p.35)、(13)3) ボード類の目地(p.39)。2026年10月28日閲覧
  2. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」9.7.3 目地寸法(PDF p.129)。2026年10月6日閲覧
  3. ニチハ「設計施工資料集 2025 モエン標準施工編」1-7 下地基準(p.15)、1-13 胴縁下地組み(p.32〜34)、1-16 モエンの切り欠き加工(p.41)、1-19 シーリング工事(p.45)、1-23 各部の基本納まり図 土台部(p.49)・開口部上側(p.64)。2026年10月28日閲覧
  4. ケイミュー「はまび調14(エクセレージ・親水14)」製品ページ本体のサイズ 14×455×3030mm、1枚当たり1.38m²。2026年10月28日閲覧

基準の数値は版によって変わることがあります。実際の工事では、設計図・特記仕様書・使う製品の施工法を優先し、監理者・メーカーに確認してください。記事中の計算は、考え方を示すための例です。

この記事の確認日:2026-10-28

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