朝礼のあと、詰所で。来週から鉄骨屋さんの職長が入る前に、CCUS能力評価の話になった。
CCUSのカードって、ピッてするだけですよね?入退場の記録くらいの意味だと思ってました。
記録で終わるなら軽く見てもいいんだけどね。タッチした日が、そのまま職人さんの評価の材料として積み上がっていくんだ。
鉄骨と型枠解体も、やっと判定できるようになるらしいな。若いのに聞かれても、うまく答えられなくてよ。
型枠解体と鉄骨って、これまで判定がなかったんですか?
そう、10月8日に国交省が発表して、これで能力評価は51分野になったんだ。何が決まって、元請の現場で何をしておけばいいか、順に見ていこう。
結論から言うと、CCUS能力評価(レベル判定)の対象に型枠解体と鉄骨の2分野が加わり、受付は型枠解体が2026年10月23日(金)、鉄骨が11月13日(金)から始まる予定です。関係するのは、型枠解体・鉄骨の技能者と、その職人さんが入る現場の元請・協力会社さんです。元請の監督の仕事は、職人さんの就業日数がカードリーダーで正しく積み上がる状態にしておくことに尽きます。
CCUS能力評価に型枠解体と鉄骨が追加:10月8日の発表で決まったこと
国土交通省は2026年10月8日、CCUS(建設キャリアアップシステム)に登録した技能者の能力評価基準に、型枠解体と鉄骨を追加すると発表しました。能力評価は、技能者の経験や技能をレベルで示すしくみで、今回の追加で対象は51分野になります。基準をつくったのは、型枠解体が一般社団法人日本型枠工事業協会、鉄骨が一般社団法人鉄骨建設業協会で、どちらも国土交通大臣が認定しています。
これまで、この2分野の職人さんは自分の分野でレベル判定を受けられませんでした。発表のあとは、型枠解体・鉄骨の技能者も、分野に合った基準で4段階のどこにいるかを示せるようになります。現場監督としては「自分の現場に入る職人さんが、これから申請する側になる」と押さえておけば十分です。
CCUSレベル判定のしくみ:レベル1〜4とカードの色
レベル判定は4段階で、判定に応じてホワイト・ブルー・シルバー・ゴールドのカードが交付されます。建設業振興基金の技能者向けガイダンスでは、レベル1が初級技能者(見習い)、レベル2が中堅技能者(一人前)、レベル3が職長として現場に従事できる技能者、レベル4が高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)と整理されています。
報道発表では、判定の要素を経験、知識・技能、マネジメント能力としています。ガイダンスではこれを「経験=就業日数」「知識・技能=保有資格」「工事を収める能力=登録基幹技能者・職長経験」と言い換えていて、その組み合わせで決まります。カードの色は「何年いたか」だけで決まるのではなく、日数と資格と職長経験がそろって初めて上がる、という読み方をしておくと、職人さんへの説明がずれません。
ポータルには、これまでのレベル判定の件数も載っています。令和8年6月30日現在で合計172,927件です。型枠解体と鉄骨はこれから受付が始まる分野なので、この件数には入っていない前提で見てください。
| レベル | 判定件数(令和8年6月30日現在) |
|---|---|
| レベル4 | 68,952件 |
| レベル3 | 48,724件 |
| レベル2 | 55,251件 |
| 合計 | 172,927件 |
型枠解体の能力評価は10月23日、鉄骨は11月13日から受付予定
国交省のポータルでは、型枠解体は10月23日(金)、鉄骨は11月13日(金)から受付開始の予定と案内されています。どちらも「予定」なので、実際の受付は各能力評価実施団体の発表で確かめてください。発表から受付までの間隔は分野で違うので、型枠解体の職人さんと鉄骨の職人さんでは、聞かれる時期もずれてきます。
レベル判定に効くのは就業日数:元請の現場でできること
技能者が自分でできる準備は資格の登録や申請ですが、就業日数のほうは元請の現場のしくみに乗って積み上がります。ガイダンスでは、就業履歴は元請が用意したカードリーダーにカードをかざして蓄積する、と説明されています。そして、その前提として所属事業者が作業員名簿を登録していることが必要です。
もう一つ押さえておきたいのが、カードリーダーで記録した日は元請の承認が要らず、直接入力した日は元請の承認が要るという違いです。かざし忘れた日を後から入力すると、元請側で承認の手間が出ます。元請の監督としては、型枠解体や鉄骨の協力会社さんが入る前に、作業員名簿の登録が済んでいるか、カードリーダーが職人さんの通る場所にあるかを職長と話しておくと話が早いです。作業員名簿まわりの書類は施工管理1年目の仕事|最初に任される書類と、現場で覚える言葉・聞き方でも触れています。
かざし忘れて直接入力した日は、元請の承認待ちになるんだな。テツさん(職長)
| だれが | 何をするか(ガイダンス・ポータルの範囲) |
|---|---|
| 技能者 | 技能者登録(詳細型)、資格の登録、現場でカードをかざす、分野の能力評価実施団体へ申請 |
| 所属事業者 | 作業員名簿を登録する(就業履歴をためる前提) |
| 元請 | カードリーダーを用意する、直接入力された就業履歴を承認する |
鉄骨の職人さんが入る時期は、建て方の段取りと重なります。重機や工場検査の段取りと一緒にカードリーダーの位置も決めておくと、当日になって慌てずに済みます。建て方の段取りは鉄骨建て方の手順と段取り|当日までに決める重機・墨・工場検査にまとめています。
職人さんに「レベル判定って何?」と聞かれたら
まず伝えたいのは、申請先は国交省ではなく分野ごとの能力評価実施団体だという点です。手続きの細かいところは団体のホームページで確認する、とポータルに書かれているので、監督が中身を言い切るより、団体の案内を一緒に開くほうが確実です。能力評価を受けるには技能者登録(詳細型)が必要なことも、ここで添えておきます。
次に、資格をCCUSに登録していないと、レベルアップの申請ができないことです。持っている資格がカードに載っていないと、判定の材料として使えません。これからCCUSに登録する職人さんには、令和7年3月から技能者登録(新規)と能力評価の申請を同時に申し込める「ワンストップ申請」がある、と伝えれば足ります。
まだ分からないこと:各レベルの日数・資格は各団体の基準で確認
今回の報道発表には、型枠解体・鉄骨の各レベルに何日の就業日数が要るか、どの資格が要るかといった具体的な数字は書かれていません。ここは推測で答えず、日本型枠工事業協会・鉄骨建設業協会それぞれの基準で確かめるところです。職人さんに「何日で上がるの?」と聞かれたら、「各団体の基準で確認しよう」と返して、案内を見せるのがいちばん安全です。
なお、鉄骨の追加時期について、ポータルでは基準の追加を令和8年9月と記載しています。この記事では、国交省の発表が10月8日、受付開始が11月13日の予定という点だけを書いています。受付日や手続きが変わることもあるので、職人さんに伝える前に一度、団体の発表を見ておいてください。
次に型枠解体・鉄骨の職人さんが入る前に、作業員名簿とカードリーダーの設置を協力会社さんと確かめ、レベル判定を聞かれたら各団体の案内を見せられるようにしておきます。元請の監督がやることは、それで十分です。同じ時事の枠では【2026年10月】建設リサイクル法パトロール|見られる標識と届出も書いています。
参考にした資料
- 国土交通省 報道発表「CCUS登録技能者の能力評価基準に型枠解体と鉄骨を追加!」2026年10月8日発表:型枠解体・鉄骨の追加、基準の策定団体と大臣認定、51分野、4段階のカード、判定の要素
- 国土交通省 CCUSポータル「能力評価制度について」2026年10月16日閲覧:受付開始の予定日、技能者登録(詳細型)、申請先、ワンストップ申請、レベル判定件数(令和8年6月30日現在)
- 一般財団法人建設業振興基金「建設キャリアアップシステム ご利用ガイダンス(技能者向け)」第3.0.0版2026年5月7日版:レベル1〜4の区分、判定の組み合わせ、資格登録、就業履歴の蓄積と元請の承認
この記事は2026年10月16日時点の情報です。受付日・基準は各能力評価実施団体の発表を確認してください。

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