生コン配車と打設計画で施工管理効率化

最近の現場で増える課題と「施工管理 効率化」の勘所

打設当日の遅れ、配車待ちでの人工ロス、残コンの発生、そして打重ね時間超過による品質リスク。ここ数年、工程が詰まった現場ほど同じ悩みを繰り返しています。キーワードは「生コン配車」と「打設計画」の見える化。現場監督が前日までに数字で握っておけば、当日の指示は驚くほど軽くなる。今回は、数量拾いから配車台数・回転時間の算定、出来形管理、DXの使いどころまでを一気通貫で整理します。

本論:打設計画の肝は数量拾いと配車回転

1. 数量拾いの基本(開口控除と余裕率)

打設計画は数量の精度が9割。スラブなら「面積×厚さ」で体積を出し、開口を確実に控除します。寸法はmm→mへ換算し、最後に余裕率3〜5%を上乗せ。梁・柱は、型枠図から部材本数×断面×長さで拾い、ダボ・段差の増分も忘れずに。設計図と配筋納まりの差で実量が変わるので、最終は配筋承認図ベースが安全です。

2. 打設能力と配車計画(回転時間の算定)

当日の律速は「ポンプ打込み能力」と「生コン供給能力」の小さい方。下式で目安を出します。

・必要生コン量 V(m3)= Σ部材体積 × 1.03〜1.05
・ポンプ実力 Qp(m3/h)= カタログ値×0.7〜0.8(現場実効)
・回転時間 Tr(min)= 往路走行+待機+積込+復路+荷下ろし
・1台供給能力 Qt(m3/h)= (1台容量)÷(Tr/60)
・必要同時稼働台数 N = Qp ÷ Qt

さらに、打重ね時間(コールドジョイント防止の観点で一般に1.5〜2.0時間が目安。仕様書優先)を超えない工程組みが必須。高温期は余裕を削らない。

3. 施工方法の工夫と注意点

・打込み順序は遠点→近点、低層→高所の動線最適化。
・バイブレーターは2〜3台同時運用、間隔は30〜40cm、1点当たり5〜15秒。
・受入時にスランプ・空気量・温度をチェック。スランプ調整は原則プラント対応、現場加水はNG方針を徹底。
・打設温度が高い日は打込み速度を上げ、打重ね時間を短縮。遮熱・散水・夜間施工も選択肢。
・出来形管理は天端レベルの基準線を十分に設置し、レーザーで頻繁に確認。

4. DXの使いどころ(配車アプリと電子出来形)

・配車アプリで車両位置と到着予測を共有し、ポンプ停止を最小化。
・クラウド工程表に回転時間と車数の根拠を残すと、関係者間の認識ズレが消える。
・受入検査(スランプ、空気量、温度)の記録をタブレット入力→写真と紐付け。
・出来形管理はレーザー+写真を即日クラウド保存、監理者承認を前倒し。

事例・数字で理解する:スラブ450㎡・t=150mmのケース

・数量拾い:450㎡×0.15m=67.5m3。開口計12㎡(3.0m3)を控除→64.5m3。余裕率5%を加えV=67.7m3(発注68m3)。
・ポンプ能力:カタログ30m3/h→実効Qp=24m3/h。
・プラント距離12km、片道25分、積込5分、待機5分、荷下ろし5分→Tr=65分。
・1台容量4m3→Qt=4÷(65/60)=3.69m3/h。
・必要同時稼働台数 N=24÷3.69=6.5→7台手当。
・打設時間:V÷Qp=67.7÷24=2.82h+小休止や筋替えで実績約3.5h(8:30開始→12:00完了)。
・コスト感:生コン@15,800円/m3→約1,070,000円、ポンプ車@70,000円/日、配車追加待機@8,000円/h。残コン3m3発生なら処分・運搬で約60,000円増。適正配車で残コンゼロにすればそのまま利益に反映。

チェックリスト(現場監督の打設前日〜当日)

  • 数量拾いを再確認(開口控除・余裕率3〜5%)。
  • 打設範囲の出来形管理線(レベル・通り)を全域に設定。
  • ポンプ実効能力、プラント距離からTr・Nを算定し工程表へ記載。
  • 配車アプリ等で回転可視化、バックアッププラントの合意を取る。
  • 受入検査シート(スランプ、空気量、温度、運搬時間)を準備。
  • 打込み順序と人員配置(バイブレーター2〜3台、均し2名、天端確認1名)。
  • 交通導線・待機場・誘導員配置、近隣騒音配慮の時間帯設定。
  • 高温・低温対策(散水、遮熱、保温、凝結遅延の要否を設計と協議)。
  • トラブル時の判断基準(打重ね時間、スランプ逸脱時の可否、打止め位置)。
  • 打設後の養生計画と品質記録の電子保存。

まとめ:明日から使えるTips(施工管理 効率化)

・1時間あたり供給量=台数×容量÷回転時間。この一式で当日の渋滞を予測。
・ポンプ能力はカタログの0.7〜0.8で見る。過大評価しない。
・配車は「不足リスク>過剰コスト」で初発を厚めに、安定したら1台減らす運用が安全。
・バックアッププラントと打重ね時間の境界を事前合意。
・受入検査は数値+写真+時間の三点セットで即共有。
・出来形管理は基準線の密度で決まる。レーザーで30分毎に実測。
・数量拾いは配筋承認図で最終確定。余裕率3〜5%が無難。
・DXは「配車の見える化」と「検査記録の即時共有」から始める。
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