LGS天井の数量拾いは、本数ではなく天井の面積(m²)で出します。公共建築数量積算基準では、金属の天井下地は「ふところ寸法」と「野縁などの仕様」で行を分け、天井仕上げ(主仕上)の数量によると決めています。材料の本数を確かめたいときだけ、標準仕様書の間隔(野縁受け・吊りボルト900mm程度、端から150mm以内、野縁300mmか360mm程度)で割り付けて数えます。
LGS天井の数量は「天井の面積」で拾う
LGS天井(軽量鉄骨天井下地)の設計数量は、天井仕上げと同じ面積です。積算基準は、金属材の天井の骨組下地を「躯体からのふところ寸法」と「根太・野縁等の仕様」で区分し、その主仕上の数量によると定めています。(積算基準 第5編第2章 材種による特則(7)金属材5))つまり、天井伏図で仕上げの面積を出せば、下地の数量もそこで決まります。
拾い表の行は「ふところ寸法」と「野縁の仕様(種類・間隔300・360など)」の組み合わせごとに分けます。同じ面積でも、ふところの浅い事務室と深い機械室の下は別の行です。開口の差し引きなどの面積の出し方は、天井仕上げの拾い方にそろえます。
僕は、軽天とボードの数量を協力会社さんの見積と突き合わせるとき、平米で見ています。本数は割付けの仕方で変わるので、比べる物差しにならないからです。天井に張る石膏ボード(PB)の枚数の出し方は、壁とあわせてLGS・石膏ボードの数量拾いにまとめています。
野縁・吊りボルトの間隔は標仕の表で決まる
本数を数えるときの間隔は、公共建築工事標準仕様書(標仕)の表で見当がつきます。野縁受け・吊りボルト・インサートは900mm程度、周辺部は端から150mm以内です。野縁はボードを直張りするなら300mm程度、下地張りがあるなら360mm程度です。(標仕 14.4.3 表14.4.2)
| 部材 | 間隔(標仕の目安) | 拾うときの注意 |
|---|---|---|
| 野縁受け | 900mm程度・端から150mm以内 | 野縁と直交。列の数×長さで延長 |
| 吊りボルト・インサート | 900mm程度・端から150mm以内 | 野縁受けの列ごとに本数を出す |
| 野縁(ボード直張り) | 300mm程度(ダブル野縁は900mm程度) | ダブル野縁の位置は図・特記で確かめる |
| 野縁(下地張りあり) | 360mm程度(ダブル野縁は1,800mm程度) | 二重張りなど下張りがある天井 |
割付けの前提になるのは墨です。軽天屋さんは出した墨を信じて下地を起こしていくので、僕は先輩の動きを見て「墨が合っていることが何より大事」と覚えました。拾いの数字を合わせても、墨がずれていれば吊りボルトの位置もずれます。
6.0m×9.0mの天井で吊りボルトの本数を計算してみる
6.0m×9.0m(54.0m²)の天井で、吊りボルトは88本、野縁受けは72.0m、野縁(直張り・300mm程度)は186.0mになります。考え方は「両端150mmを除いた長さを900mmで割り、切り上げた区間数に1を足す」です。数字は割付けの考え方を示す例なので、発注の本数は軽天屋さんの割付図で確かめてください。
| 項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 設計数量(積算) | 6.0m × 9.0m | 54.0m² |
| 野縁受けの列(6.0m方向に並べる) | (6,000−150×2)÷900=6.33 → 7区間 → 7+1 | 8列 |
| 1列の吊りボルト(9.0m方向) | (9,000−150×2)÷900=9.67 → 10区間 → 10+1 | 11本 |
| 吊りボルト・インサート | 8列 × 11本 | 88本 |
| 野縁受けの延長 | 8列 × 9.0m | 72.0m |
| 野縁(直張り・300) | 9,000÷300=30区間 → 31本 × 6.0m | 186.0m |
| 野縁(下地張りあり・360) | 9,000÷360=25区間 → 26本 × 6.0m | 156.0m |
抜けやすいのは「+1」です。区間の数だけ数えると、端の1列・1本が足りなくなります。間仕切の拾いでも同じですが、天井は縦横の両方向で起きるので、足りない本数が掛け算で増えます。
面積の外で拾い漏れやすい所:補強・開口・設備
面積の数量には出てこないのに、現場で材料と手間が要るのは補強です。標仕では、ダクトなどで吊りボルトの間隔が900mmを超えるところは補強し(方法は特記)、天井のふところが1.5m以上なら水平補強を1.8m程度、斜め補強を3.6m程度の間隔で入れます。ふところが3mを超えるときは特記によります。(標仕 14.4.4)
僕は、天井伏図と設備機器を入れたプロット図を重ねて見て、吊りボルトが下ろせない所を先に探します。照明・点検口・吹出し口の位置もこのとき重ねて見ます。点検口は何のための点検口かで位置が決まるので、ほかと当たるからと遠くへ逃がさないことです。
基準では900mm程度、現場ではダクトで下ろせない所が出る
標仕の吊りボルトは900mm程度ですが、現場ではダクトや設備の吊り物が先に入って、その位置に吊りボルトを下ろせない所が出てきます。僕の現場では、吊りボルトとダクトがぶつかったら、まず吊りボルトをずらします。吊りボルトはずらそうと思えばずらせますが、設備は割付けでちょうどいい位置に決めているので、機器を動かしてもらうのは難しいからです。
ずらした結果、間隔が900mmを超えるなら補強が要ります。補強の方法は特記によるので、図面にないときは監理者と軽天屋さんに確認してから拾い表に足します。数量拾いの段階で「ここはずれる」と分かっていれば、補強材の手配も遅れません。設備との段取りは建築と設備の取り合いと軽天工事の段取りに書いています。
現場で実際にあったこと:インサートが足りなかった
天井インサートの不足は、どうしても出てきます。僕は、軽天屋さんに「ここインサート足りないよ」と言われて気づいたことがあります。インサートが足りなくなる理由は一つではなく、設備と当たって使えないものも、入れ忘れたものもあります。
僕の現場では、打設が終わって型枠をばらした段階で軽天屋さんにインサートを見てもらい、「ここに欲しい」という所を言ってもらって、アンカー屋さんにあと施工アンカーを打ってもらっています。天井にウレタンを吹く建物では、吹く前にインサートに割り箸などを差しておきます。忘れると穴が埋まって下から見えなくなり、せっかく仕込んだインサートが使えなくなるからです。
インサートは型枠を組むときに配置するもの、と標仕にもあります。(標仕 14.4.4(1))吊りボルトの本数を拾ったら、その数がそのままインサートの数だと思って、型枠の段階の段取りに渡しておくと後で困りません。
この拾い方が使えない天井:特定天井・重い天井・システム天井
標仕14.4の軽量鉄骨天井下地は、すべての天井に使えるわけではありません。特定天井、天井面の構成部材などが20kg/m²を超える天井、傾斜・段差・曲面のある天井、システム天井は適用の範囲外です。(標仕 14.4.1)
こうした天井は、間隔も補強も特記や構造の検討で決まります。上の計算例の間隔で拾わず、構造設計者・監理者に仕様を確認してから数量を出してください。天井の重さを確かめたいときは、ボードの重さを石膏ボードの重さ(計算機つき)で出せます。
よくある質問
Q. LGS天井の吊りボルトの間隔は?
標仕では900mm程度で、周辺部は端から150mm以内です。野縁受けとインサートも同じ間隔です。特定天井や20kg/m²を超える天井などは対象外なので、特記を確かめてください。
Q. 野縁の間隔300mmと360mmはどう使い分ける?
ボードを直張りする天井は300mm程度、下地張りがある天井は360mm程度です。ダブル野縁の間隔は直張りで900mm程度、下地張りありで1,800mm程度です。
Q. 業者の見積と数量が合わないときは?
まず平米と行の分け方(ふところ寸法・野縁の仕様)をそろえて比べます。そのうえで、ふところの補強などが別の行になっているかを見ます。本数で比べるのは、割付図が出てからにします。
Q. 天井のふところが深いときは何を足す?
ふところが1.5m以上なら、水平補強1.8m程度・斜め補強3.6m程度の間隔で補強材が入ります。3mを超えるときは特記によります。面積の数量とは別に、補強の手配を忘れないようにします。
参考にした基準・資料
- 国土交通省「公共建築数量積算基準」最終改定 令和5年3月29日 国営積第8号。第5編 仕上 第2章 材種による特則(7)金属材5)(天井の骨組下地)。2026年10月30日閲覧
- 国土交通省 官庁営繕の技術基準「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」14.4.1(適用範囲)、14.4.3 表14.4.2(野縁受け・吊りボルト・インサート・野縁の間隔)、14.4.4(インサートの配置・補強・ふところの補強)。PDF頁174〜175。2026年10月3日に原文で確認した記録による
この記事の確認日:2026年10月30日
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