フォームタイの種類は?B・C・BC・D型とセパ・Pコンの関係を図解

型枠工事:フォームタイの種類は?B・C・BC・D型とセパ・Pコンの関係を図解 09 型枠工事

09 型枠工事|施工中

  1. 段取り:型枠工事 気を付けるポイント
  2. 施工中:この記事
  3. トラブル対処:—

壁の型枠が立ち上がった現場で、型枠の外にずらっと並んだ金物を見上げながら。

ルー

先輩、フォームタイの種類が多すぎて覚えられません。セパとPコンとフォームタイ、結局どれが何をしているんですか?

Kony

名前から覚えると迷子になるんだよね。先に「型枠の中で何がどうつながっているか」をつかむと、種類は仕上げの違いで自然に分かれて見えてくるよ。

ルー

フォームタイの「タイ」って、ネクタイのタイですか?

Kony

「締めるもの」って意味では遠くないね。ただ首じゃなくて、両側の型枠を外から締めている。

テツさん

長さは図面を渡せば大工さんが段取りしてくる。監督は、どの面がどんな仕上げかを先に伝えておくのが仕事だな。

Kony

今日は「つながり方の断面図 → 種類 → 寸法 → Pコンの使い分け → 監督が見る所」の順番で話すね。

フォームタイの種類は、ねじ式なら仕上げで選ぶB・C・BC・Dの4タイプと、くさびで留めるK型に分かれます。どれもセパ(セパレーター)・Pコンとセットで型枠をつなぐ金物なので、この記事では断面図で関係をつかんでから、種類と寸法をメーカーの公開資料で確かめた数字で並べます。

結論

  • セパが両側の型枠の間隔を保ち、打放しの面ではPコンがセパの端とせき板の間に入り(化粧仕上げの面は座金)、フォームタイが外から端太(鋼管)ごと締める。
  • ねじ式はB(両面打放し)・C(両面化粧仕上げ)・BC(片面打放し・片面化粧仕上げ)・D(大きな側圧を負担させる用途)、くさび式はK型。
  • ねじの呼びはW5/16・W3/8が中心。丸セパの許容引張荷重はW5/16で14,000N、W3/8で21,000N(日本製鉄の建設用資材ハンドブック〈2025年9月改訂版〉に載っている値)。

目次

セパ・Pコン・フォームタイは型枠の中でこうつながる

答えから言うと、セパが「内側の間隔」、フォームタイが「外からの締め付け」で、打放しの面ではPコンがその2つをつなぐ部品です(化粧仕上げの面はPコンの代わりに座金)。コンクリートを流すと型枠には側圧(コンクリートが型枠を押す力)がかかるので、内側で両側をつなぐ棒(セパ)と、外側で端太ごと押さえる金物(フォームタイ)が両方いります。

日本製鉄の建設用資材ハンドブックでは、フォームタイを「コンクリート用型枠締付け金物」と説明していて、ねじ式は「フォームタイ本体、丸セパ®、Pコン®および座金より構成されます」と書かれています[1]。同じ資料には「フォームタイ® 岡部(株)」とあり、フォームタイは岡部株式会社の登録商標です[1]。ほかのメーカー(中村鉄工)のカタログにも「フォームタイ」の名前で載っています[4]。

壁型枠の断面:セパ・Pコン・フォームタイ・端太の関係 両側のせき板の内側にPコンがあり、その間を丸セパがつなぐ。せき板の外からフォームタイがPコンにねじ込まれ、座金で2本の端太(鋼管)を押さえて締める。 壁芯 コンクリートが入る所 壁の厚さ(=セパで保つ間隔) 丸セパ(内側の間隔) Pコン せき板(合板) フォームタイ 座金 端太(鋼管2本) W5/16・W3/8
図1 壁型枠の断面(ねじ式・両面Pコンの例)。日本製鉄の建設用資材ハンドブック[1]の構成(フォームタイ本体・丸セパ・Pコン・座金)をもとに Konylog が作図。寸法は表さない模式図。

現場での順番はシンプルです。片方の枠にセパを差し、反対側の枠を閉じて、フォームタイで両側から締め込み、鋼管(端太)を流して固定します。僕の現場では、外からフォームタイで締め、鋼管(端太)を当ててくさびで固定していました。

片側のせき板にセパを差した壁の型枠。反対側のせき板を閉じる前の状態
工事名
●●●工事
工種
型枠工事
内容
壁型枠 セパ取付け

上の写真は、壁の型枠の片側を立ててセパを差し込んだところです。せき板から突き出ている棒がセパで、このあと反対側の枠を閉じて外からフォームタイで締めます。下の写真は外側から見た地中梁の型枠で、横に2本ずつ通っている鋼管が端太、その交点に並ぶ金物で外から締めています(図1の左右の外側に当たる部分)。

地中梁の型枠を外から見たところ。横向きの鋼管(端太)が2本ずつ通り、その交点ごとに締付け金物が並んでいる
工事名
●●●工事
工種
型枠工事
内容
地中梁型枠 端太・締付け金物

締付けの金物は、僕の現場ではくさび式ばかり使ってきました。ねじ式のB・C・BC・Dは、この記事ではメーカー資料で確かめた範囲で書きます。

フォームタイの種類は「ねじ式4タイプ+くさび式」

フォームタイの種類は、ねじ式のB・C・BC・Dの4タイプと、くさびで留めるK型(くさび式)です[1]。ねじ式の4タイプは「両側の面がどう仕上がるか(Dは用途)」で分けた種類で、新人がつまずきやすい所です。

注意したいのは、このB・C・BC・Dが「仕上げ・用途で分けたねじ式の種類」だという点です[1]。丸セパにも同じ記号のB型・C型・BC型があります[1][2]。一方、後の寸法の表に出てくるフォームタイ本体の「C型」「D型」「K型」は本体の品名で、ハンドブックには用途区分(B・C・BC・Dタイプ)との対応は書かれていません[1]。

ハンドブックの用途の書き方は次のとおりです[1]。Bタイプは両面打放し用、Cタイプは両面化粧仕上げ用、BCタイプは片面打放し・片面化粧仕上げ用、Dタイプは大きな側圧を負担させる用途です。丸セパのメーカー(共栄製作所)の製品ページでは、B型は「Pコーンを使用」、C型は「六角座金を使用」、BC型は「Pコーン・六角座金を使用」と書かれていて[2]、打放しの面にPコン、化粧仕上げの面に座金という対応が見えます。

タイプ用途(面の仕上げ)セパの端出典
B両面打放し両端ともPコン[1][2]
C両面化粧仕上げ両端とも六角座金[1][2]
BC片面打放し・片面化粧仕上げ片方Pコン・片方六角座金[1][2]
D大きな側圧を負担させる用途DPコン(ねじW1/2。Pコンのメーカーは土木用と表記)[1][2][3]
K(くさび式)くさびで端太を留めるハットセパ(丸セパにハットが付いたもの)[1]
B・BC・Cタイプで丸セパの両端に付くもの Bタイプは両端にPコン、BCタイプは片方がPコンで片方が六角座金、Cタイプは両端が六角座金。打放しの面にPコン、化粧仕上げの面に座金が付く。 丸セパ BPコンPコン両面打放し BCPコン座金片面打放し・片面化粧仕上げ C座金座金両面化粧仕上げ せき板・フォームタイ・端太との納まりは省略
図2 ねじ式B・BC・Cタイプで丸セパの両端に付くもの(座金は六角座金)。日本製鉄の建設用資材ハンドブック[1]の用途区分と、共栄製作所の丸セパ製品ページ[2]の「Pコーンを使用」「六角座金を使用」をもとに Konylog が作図。せき板との取り合いの納まりは表していない。

同じ製品ページには、カップセパ(KM型)や丸座金を使う型(HM型)なども並んでいて[2]、セパの仲間は思ったより多いです。型枠の金物は奥が深いので、職人さんに聞くと覚えるのが早くなります。

フォームタイの寸法:ねじの呼び・長さ・許容引張荷重

フォームタイの寸法でまず見るのは「ねじの呼び」で、サイズ8(W5/16)とサイズ9(W3/8)が中心、D型は12(W1/2)です[1]。カタログでは「8(W5/16)」のように、数字とインチ表記が並んで書かれています。下の表は、日本製鉄の建設用資材ハンドブック(2025年9月改訂版)に載っている値です[1]。表の「型」は本体・丸セパそれぞれの品名で、本体と丸セパでは型名の付け方が違います。

部品型長さ(mm)ねじの呼び許容引張荷重 N(kgf)
フォームタイ本体C型150〜250W5/16・W3/828,000(2,800)
フォームタイ本体D型250〜360W1/228,000(2,800)
フォームタイ本体K型140〜220W5/16・W3/823,000(2,300)
丸セパB・C・BC・H型100〜W5/1614,000(1,400)
丸セパB・C・BC・H型100〜W3/821,000(2,100)
丸セパD型—W1/228,000(2,800)

数字を並べると、W5/16の丸セパ1本の許容引張荷重14,000Nは、フォームタイ本体C型の28,000Nのちょうど半分です。同じ「W5/16」でも部品ごとに値が違うので、表は部品ごとに見ます。どの値で計画するかは、型枠業者の計画で決めます。

くさび式には、中村鉄工の製品ページでは「2つ穴タイプ」「3つ穴タイプ」があります[4]。

許容引張荷重はメーカー資料の代表値で、資料には「規格」で定めた事項以外は保証を意味しないという注意書きがあります[1]。セパの径・ピッチや型枠の強度は、型枠業者の計画とメーカーの最新資料で決め、構造・安全の判断は構造設計者・監理者に確認してください。

Pコンにも種類があり、中村鉄工の製品ページには合板用Pコン(ベニヤ12mm用)、メタル用Pコン(メタルフォーム用)、梁用Pコン、羽根付Pコン、DPコン(W1/2・土木用)などが並んでいます[3]。どれもねじでつなぐ部品なので、ねじの呼びが合っているものを組み合わせます。

Pコンを使うかどうかは仕上げで決まる(穴の埋め方まで)

Pコン付きのセパにするか、普通のセパ(Pコンなし)にするかは、その面の仕上げで決まります。打放しの面はPコン、化粧仕上げの面は座金、という対応は前の表のとおりです[1][2]。

コンクリート打放しの壁に、丸いPコンの跡が等間隔に並んでいる
工事名
●●●工事
工種
型枠工事
内容
打放し壁 Pコン跡

打放しの壁には、Pコンの跡が丸く等間隔に並んで残ります。この丸がセパの通っていた位置です。

Pコンを使った面は、脱型してPコンを外すと穴が残ります。この穴は脱型後にモルタルで埋めていて、左官さんが専用の道具で埋めてくれました。セメント系の接着剤の小袋が付いた、Pコン穴に押し込むタイプの仕上げ材も使ったことがあり、施工性がよく、モルタルの落ちたゴミも出ず、専門の技術がなくても監督でもできました。

このとき使ったのは、岡部の「プッシュコン」です。販売店の商品ページでは、Pコン穴埋め処理栓(モルタルコンクリート成型品)で、PコンW5/16・3/8兼用、面落ち・面合わせの2種類があり、接着剤のカプセルを指で押して割ってから穴に平行に押し込む、と説明されています[5]。モルタルを練らずに使える作りです[5]。

ただし同じページには、濡れた面には使わない、穴から地下水が漏れている所には使わない、冬は5℃以上で作業する、といった注意も書かれています[5]。地下の外壁など水が絡む所の処理は、特記仕様書と監理者の指示に合わせます。

どの面をPコンにするか、Pコン穴をどう処理するかは、設計図書(特記仕様書)で決まっていることがあります。迷ったら図面と特記を見て、監理者に確認してから大工さんに伝えるのが安全です。

セパの長さは誰が決める?監督が渡すもの

セパの長さを出すのは、基本的に大工さんです。図面を渡すと、長さなどは大工さんが段取りしてきます。

だから監督がやるのは、図面と「どの面がどんな仕上げか」を早めに渡すことです。仕上げが決まらないと、Pコン付きか普通のセパかが決まらないからです。新人に教えるときは、言葉より写真で見せたほうがずっと分かりやすいと感じています。

セパは壁だけの金物でもありません。段差で型枠を浮かせるときは、先に捨てコンを打っておき、鉄筋に挟み込める金物とセパをつないで固定したことがあります。

監督が見るのは「締まっているか」:打設前日と打設中

監督が金物で見るのは、種類の名前より「ちゃんと締まっているか」です。僕は打設の前日に、セパ・フォームタイが締まっているか、型枠から漏れそうな所がないかを見ています。

建て込みが終わった地中梁の型枠。せき板の外側に端太の鋼管が段ごとに通り、斜めの支えも入っている
工事名
●●●工事
工種
型枠工事
内容
地中梁型枠 建込み完了

打設前日はこの状態で見て回ります。端太の鋼管が通っている段ごとに、締付け金物が緩んでいないかを見ます。

打設中に型枠がはらんできたら、フォームタイ・セパの緊結が外れていないかと、人がどこに乗っているかを見ます。端太(鋼管)の上に人が乗っていると、くさびが緩んで外れやすくなるからです。

いちばん不安なのは、張りコン(両面に型枠を組めない所で、片側だけ型枠を立て、セパを溶接で固定する型枠)のような弱い部分で、そういう所は特に丁寧に打設します。

型枠のはらみ・外れは、構造と安全に直結します。異常を見つけたら打設を止め、はらんだ型枠のそばから人を離して型枠業者と相談し、補強や再開の判断は構造設計者・監理者に確認してください。

まとめると、監督の次の一手は2つです。面ごとの仕上げ(打放しか化粧仕上げか)を図面で早めに大工さんへ渡すことと、打設前日にセパ・フォームタイの締まりを見ることです。打設前日の見方や打設中の確認は、型枠工事で気を付けるポイントとコンクリート打設のチェックポイントにまとめています。

よくある質問

フォームタイは岡部の商品名ですか?

日本製鉄の建設用資材ハンドブックには「フォームタイ® 岡部(株)」と書かれていて、岡部株式会社の商標です[1]。ほかのメーカーのカタログにも「フォームタイ」の名前で締付け金物が載っています[4]。

フォームタイの寸法はどう選びますか?

セパ・Pコンとねじの呼び(W5/16・W3/8・W1/2)をそろえます[1]。長さはC型で150〜250mm、くさび式のK型で140〜220mmなどがあり[1]、どの長さを使うかは型枠業者の段取りに合わせます。

セパとフォームタイの違いは?

フォームタイはコンクリート用型枠締付け金物です[1]。僕の現場の組み方でいうと、セパは片方の枠に差して反対側の枠を閉じ、両側の間隔を保つ棒で、フォームタイはその外から締め込む金物です。役割が違うので、セットで使います。

セパとPコンの違いは?

僕の現場の組み方でいうと、セパは片方の枠に差して反対側の枠を閉じ、両側の間隔を保つ棒です。Pコンは、仕上げによってPコン付きのセパにするか普通のセパにするかを使い分ける部品です。丸セパのメーカーの製品ページでは、両面仕上用のC型は「六角座金を使用」と書かれています[2]。

Pコンの穴はどう埋めますか?

僕の現場では、脱型後に左官さんがモルタルで埋めました。押し込むタイプの仕上げ材(岡部のプッシュコン)を使ったこともあります[5]。処理の方法は特記仕様書で決まっていることがあるので、先に確認します。

参考にした基準・資料

  1. 日本製鉄「建設用資材ハンドブック」仮設用材(フォームタイ)2025年9月改訂版 https://www.nipponsteel.com/product/construction/handbook/pdf/2-9.pdf(閲覧日 2026-10-23)
  2. 共栄製作所「セパレータ 丸セパ」製品ページ https://www.ke-ss.jp/products/marusepa/(閲覧日 2026-10-23)
  3. 中村鉄工「Pコン」製品ページ https://n-tekkou.com/product/pcone/(閲覧日 2026-10-23)
  4. 中村鉄工「フォームタイ」製品ページ https://n-tekkou.com/product/form_tie/(閲覧日 2026-10-23)
  5. 清水金物(販売店)「Pコン穴埋め処理材 プッシュコン(岡部・OKB4601)」商品ページ https://www.shimizu-kanamono.biz/SHOP/OKB4601.html(閲覧日 2026-10-25)

この記事の確認日:2026-10-25

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