勤務間インターバル義務化はいつから?2026年10月の労政審で未定

勤務間インターバルの義務化は、2026年10月22日時点で決まっていません。10月14日の労働条件分科会で論点が出た段階です。

何が:厚生労働省の労働政策審議会 労働条件分科会(第212回)で、勤務間インターバル制度の「法的位置付け」、いわゆる「つながらない権利」、労働時間の把握の3つが論点として示されました。

いつから・誰に:義務化するかどうか、何時間にするか、いつから始めるかは決まっていません。決まれば、早出や残業が多い建設業の現場監督にも関わる可能性がありますが、今の時点で僕たちの働き方のルールが変わったわけではありません。

朝礼前の詰所で、ルーがスマホのニュースを見せてきた。

ルー

勤務間インターバルの義務化ってニュースを見ました。夜遅くまで書類をやったら、翌朝は遅く来ていいんですか?

Kony

今は努力義務なので、始業が自動でずれるわけではないんだ。会社に決まりがあればその社内ルールに従う、というのが今の形だよ。

ミサキさん

「つながらない権利」も同じ日に論点に出たのよね。夜の業務連絡がどうなるのかは、気になる人が多いと思う。

テツさん

朝が早いのが現場だからな。休む時間を決めるなら、段取りの組み方から変わるかもしれん。

Kony

何が決まって何が決まっていないかを、資料の言葉どおりに整理してみるよ。今できることも最後にまとめておくね。

未決定義務化・時間数・開始時期はまだ決まっていない
努力義務今は2019年4月からの「努めるもの」のまま
今できること自分の終業〜始業の時間を記録で把握する
勤務間インターバルの義務化は、2026年10月22日時点で「議論中」です。

この記事で分かること

  • 2026年10月14日の労働条件分科会で、何が論点になったか
  • 勤務間インターバルの今のルールと、11時間案をめぐる労使の意見
  • 建設業の現場監督に関係しそうな点と、今できること

勤務間インターバルの義務化はいつから?──まだ決まっていない

結論から言うと、2026年10月22日時点で勤務間インターバルの義務化は決まっていません。厚生労働省は2026年10月14日の第212回 労働政策審議会 労働条件分科会に、「労働時間法制の具体的課題に関する検討の論点について(勤務間インターバル制度、『つながらない権利』の在り方、労働時間の把握)」という資料(以下「論点資料」)を出しました。

論点資料の勤務間インターバルの論点は、「勤務間インターバル制度のより実効性ある導入促進のために、『法的位置付け』を含め、どのような措置を講ずべきか。」という問いの形です。「法的位置付け」を検討するという段階で、義務にする・何時間にするといった中身はまだ示されていません。

ここまでの流れも整理しておきます。2026年9月の第211回 分科会に出た「今後の議論の進め方(案)」の資料によると、分科会は令和7年1月21日に労働基準関係法制研究会報告書についての議論を始め、その後の6月6日と10月27日にも労働時間各論として勤務間インターバルやつながらない権利を扱っています。第211回の資料では、今後の論点に勤務間インターバル制度と「つながらない権利」が挙げられ、月2〜3回程度の頻度で議論することが提案されていました。

次の第213回 労働条件分科会は2026年10月23日に開かれる予定で、議題は「労働基準関係法制について」とされています。この日に勤務間インターバルが扱われるかどうかは案内からは分からないため、開催後に追記する予定です。

勤務間インターバルとは?今は「努力義務」

勤務間インターバル制度は、厚生労働省の説明では「終業時刻から次の始業時刻の間に、一定時間以上の休息時間(インターバル時間)を設けることで、従業員の生活時間や睡眠時間を確保しようとするもの」です。残業の長さではなく、「帰ってから次に来るまでの間」を見るのがポイントです。

今のルールは、労働時間等設定改善法の改正で2019年4月1日から事業主の努力義務になっています。法律の第2条第1項に、事業主が講ずるよう努める措置の一つとして「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」が書かれています。努力義務なので、今は何時間あけなければ違反、という決まりはありません。

導入している企業は多くありません。厚生労働省「就労条件総合調査」をもとにした分科会資料「労働時間法制の具体的課題について」(以下「データ資料」)では、導入している企業の割合は令和7年で6.9%でした。

調査年導入している導入を予定又は検討している導入予定はなく、検討もしていない
平成29年1.4%5.1%92.9%
令和4年5.8%12.7%80.4%
令和6年5.7%15.6%78.5%
令和7年6.9%13.8%78.7%
表1 勤務間インターバル制度の導入状況(常用労働者30人以上の民営企業)。厚生労働省 第212回労働条件分科会 データ資料(「就労条件総合調査」を基に作成)から抜粋。

何時間あけることになる?──「11時間」は案の一つ

何時間にするかは決まっていません。分科会では、働く人の代表(労働者側)と会社の代表(使用者側)がそれぞれ意見を出していて、ここでいう「労使」はこの2者のことです。データ資料には労使の意見が並んでいて、考え方がはっきり分かれています。

立場資料に載っている意見(原文)
労働者側「諸外国のインターバル制度では11時間が原則であることも踏まえ、11時間のインターバルを義務化する方向で検討すべき。」
使用者側「…原則11時間というような画一的な規制には反対。既に導入している企業の多様な方法を認める方向で検討すべき。」/「…時間外労働の上限規制によって長時間労働が制限されており、現時点での一律での義務化は時期尚早。」
表2 勤務間インターバルをめぐる労使の意見。厚生労働省 第212回労働条件分科会 データ資料から引用(前後の文は省略)。

同じ資料の諸外国の表では、EU・イギリス・フランス・ドイツの「1日当たり休息時間」が11時間とされています。11時間が話題になるのはこのためですが、日本で11時間に決まったわけではありません。

11時間がどのくらいの感覚か、時刻で置いてみます。下の図は計算の例で、特定の現場の勤務を表したものではありません。

18:00 22:00 2:00 7:00 9:00 終業まで 11h(翌朝 9:00 始業) 9h(翌朝 7:00 始業) 模式図・時刻は例。何時間にするかは未定です。
図122時に終業した場合の「次の始業まで」の時間(模式図・時刻は例)。11時間あけると翌朝9時、翌朝7時に始業すると間は9時間。

現場は朝が早いので、夜に書類や打合せが延びると、時間数の決め方しだいで翌朝の段取りに影響が出ます。どのような制度になるかは、今後の議論を待つ必要があります。

建設業・現場監督には関係ある?──上限規制とは別の物差し

関係する可能性はあります。ただ、建設業だけを対象にした話ではなく、労働時間法制全体の論点として議論されています。

建設業には2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されていて、原則は月45時間・年360時間、臨時的な特別の事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間以内(休日労働含む)で、月45時間を超えられるのは年6か月までです。災害時の復旧・復興の事業には、このうち「月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内」の規制が適用されません(いずれも厚生労働省)。

上限規制は「月や年の合計」を見るルールで、勤務間インターバルは「1日の終わりと次の始まりの間」を見るルールです。月の合計が上限内でも、特定の日に夜遅くまで働いて翌朝早く出ると、間は短くなります。

データ資料には、制度を導入している企業が設定している時間数の産業別の表もあります。建設業では「10時間〜11時間未満」が44.0%で最も多く、「11時間〜12時間未満」が4.3%、「12時間以上」が14.5%でした(導入している企業に限った数字です)。

月の合計だけ見てても、毎日の「間」は分からんってことだな。テツさん(職長)

「つながらない権利」と「労働時間の把握」も論点に

論点資料では、勤務間インターバルのほかに2つの論点が示されました。どちらも、現場監督の毎日に近い話です。

1つ目は、いわゆる「つながらない権利」です。論点資料は、一部の国で法制化の例があることに触れたうえで、論点を「各企業が実態に応じて業務上の連絡に関するルールを明確化することについて、どのように考えるか。」としています。法律で連絡を禁止するという書き方ではなく、会社ごとの連絡ルールの明確化を問う形です。

2つ目は労働時間の把握です。論点資料は、ガイドラインに沿って労働時間を適正に把握することは使用者の責務とされ、労働安全衛生法にも労働時間の状況の把握義務があるとしたうえで、「未だに労働時間の把握が全くできていない事業場があると指摘されている」と書いています。論点は「労働時間の把握の在り方について、どのように考えるか。」です。

若手の現場監督が今できること

制度が決まる前でも、自分の「終業から始業までの時間」を知っておくことはできます。決まったときに慌てないための準備です。

  • 勤怠の記録(実際に現場・事務所を出た時刻と、翌日に入った時刻)を1〜2週間ぶん見てみる。間が短い日が何曜日に多いかを知る。
  • 会社にすでに勤務間インターバルの決まりがあるか、就業規則や社内の案内で確かめる。分からなければ上長か総務に聞く。
  • 夜の業務連絡(協力会社への翌日の段取り連絡など)を、会社や現場でどう扱っているかを確認する。今後「連絡ルールの明確化」が議論の中心になる可能性があります。
  • 続報は厚生労働省の労働条件分科会のページで確かめる。報道やSNSの「義務化決定」という言い方は、一次資料で確かめてから受け取る。

体調に不安があるほど休めていないと感じるときは、制度の結論を待たず、上長や会社の産業医・健康相談の窓口に相談してください。

よくある質問

勤務間インターバルは2026年から義務になりますか?

2026年10月22日時点で、義務化は決まっていません。2026年10月14日の労働条件分科会で「法的位置付け」を含む措置が論点として示された段階です。

今、勤務間インターバルをとらないと違反になりますか?

今は労働時間等設定改善法の努力義務なので、何時間あけなければ違反という決まりはありません。会社が独自に定めている場合は、その社内ルールに従います。

「11時間」は決まった数字ですか?

決まっていません。労働者側は11時間の義務化を求め、使用者側は画一的な規制に反対する意見を出しています(データ資料)。

「つながらない権利」で、夜の連絡は禁止になりますか?

決まっていません。論点資料の論点は、各企業が実態に応じて業務上の連絡のルールを明確化することをどう考えるか、という問いです。

参考にした基準・資料

  1. 厚生労働省「第212回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」2026年10月14日開催開催日・資料一覧(閲覧日:2026年10月22日)
  2. 厚生労働省 労働基準局「労働時間法制の具体的課題に関する検討の論点について(勤務間インターバル制度、『つながらない権利』の在り方、労働時間の把握)」第212回 資料No.2-1(論点資料)各論点の文言(閲覧日:2026年10月22日)
  3. 厚生労働省「労働時間法制の具体的課題について(勤務間インターバル制度、『つながらない権利』の在り方、労働時間の把握)」第212回 資料No.2-2(データ資料)導入状況の推移、労使の意見(p.3〜4)、設定時間数(産業別)、諸外国の休息時間(閲覧日:2026年10月22日)
  4. 厚生労働省 労働基準局「労働条件分科会における今後の議論の進め方(案)について」第211回 資料これまでの議論の経緯・今後の論点(閲覧日:2026年10月22日)
  5. 厚生労働省「第213回労働政策審議会労働条件分科会 開催案内」2026年10月23日開催・議題(閲覧日:2026年10月22日)
  6. 厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト「勤務間インターバル制度とは」制度の定義、2019年4月1日からの努力義務(閲覧日:2026年10月22日)
  7. 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法第2条第1項(事業主の努力義務)(閲覧日:2026年10月22日)
  8. 厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制」建設業の上限規制の内容・災害復旧の例外(閲覧日:2026年10月22日)

審議会の議論は今後変わることがあります。最新の状況は厚生労働省の発表で確認してください。

この記事の確認日:2026年10月22日

この記事は2026年10月22日時点の情報です。

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