コンクリート打設 手順と品質管理の基本と当日チェック完全ガイド

コンクリート打設 手順を迷わず進めるコツを、原因から具体策まで一気に整理します。今日の現場で使えるチェックと順序をつかめば、手戻りやムラをぐっと減らせます。安全と品質の要点を現場目線でまとめました。

なぜ不具合が起きるのか(原因)

不具合の多くは、計画不足と共有不足から始まります。打設計画(工程や配車の設計)が曖昧だと、打設順序が乱れ、打ち重ね時間(次の生コンを重ねる許容)を超えがちです。結果としてコールドジョイント(不完全な継ぎ目)や充填不足が起きます。

受入検査が形骸化すると、スランプ(やわらかさの指標)や空気量(軽さの割合)が合わないまま流し込みます。気温や風の影響を読まないと、凝結が早まり仕上げ遅れに繋がります。型枠や配筋の清掃・締結が甘いと、はらみ(型枠のふくらみ)やかぶり不足も起きやすいです。

人員配置が足りないと、バイブレーター(締固め機)の当て方が雑になり、過振動で分離、逆に不足で豆板(空隙)を生みます。合図者が不在だと圧送やバケットの動線が交錯します。ここは安全面でも大きなリスクです。

具体策(計画と体制づくり)

まず施工計画書に「打設計画」を具体化します。ポンプ台数、圧送能力、配車間隔、打設順序、打設時間の想定を数値で置きます。品質基準も先に共有します。スランプ、空気量、塩化物量(塩分由来の量)、打ち重ね時間の上限を図表にして朝礼で確認します。

配置は「責任者・合図者・受入・締固め・仕上げ」の役割を固定します。万一の詰まりや遅延に備え、ポンプ車のバックアップ、遅延剤の使用基準、バケット切替の判断ラインも決めます。型枠・配筋は前日までに自主管理チェックリストで締結と清掃を完了させます。

天候対策は当日任せにせず、気温・風速・直射の見込みを前夜に確認します。高温時は開始時刻の前倒し、散水設備、日覆い、遅延剤の承認を事前に。低温時は保温材と加温水、初期養生の延長を準備します。安全計画は搬入動線と退避経路を図示し、声かけのルールを決めます。

手順(当日のチェックリスト)

開始前:受入と段取り

  • 出荷伝票の照合(設計強度・スランプ・空気量・骨材)
  • 受入検査:スランプ、空気量、温度を測定し記録
  • 型枠・配筋の最終確認(清掃、かぶり、スペーサー、貫通部)
  • 動線と合図者の配置、退避位置の確認
  • 試し打ちで圧送性を確認、バイブレーターの本数と予備を用意

打設中:順序と締固め

  • 打設順序どおりに面を小さく刻み、打ち重ね時間内に回す
  • バイブレーターは垂直に素早く差し入れ、重ねて引き抜く(過振動は厳禁)
  • 打設高さを一定に保ち、落下高さを小さくする
  • 圧送ホースの先端は常にコンクリート内に沈める
  • こまめに天端を整え、コールドジョイントの兆候を見逃さない

打継ぎ・打ち重ね

  • やむを得ない打継ぎは位置を明確化し、表面を粗し洗い
  • 遅延や車両トラブル時は即時に面積を縮小し集中投入
  • 打ち重ね時間は配合と気温で管理し、超過しそうなら責任者が停止判断

仕上げ・養生

  • 表面水が引くタイミングを見て鏝押さえ、過剰な水引きは避ける
  • 高温・強風時は散水とシートで初期養生を速やかに開始
  • 仕上げ後の歩行・荷重を時間管理し、立入禁止を徹底

安全管理

  • 重機の旋回半径内は立入禁止とし、誘導員を必置する
  • ホース先端の跳ね上がりに注意し、2点支持で保持する
  • 足元のレイタンスやスリップを即清掃、転倒を未然に防ぐ

具体例(集合住宅スラブのケース)

例えば200m³規模のスラブ。スランプ18±2cm、空気量4.5±1.5%、夏季の午後は避け、朝7時打ち開始に組み直します。配車は10m³車を6分間隔、合計20台。ポンプは100m³/時の能力でも、実打設は40〜50m³/時に抑えて安定を狙います。

打設は遠い区画から近場へ、2列平行で回し、打ち重ねは30分以内。遅延剤は外気32℃で仕様書に沿って0.2〜0.3%を事前承認。バイブレーターは2台運用+1台予備。仕上げは表面水引き後に2回押さえ、散水+シートで72時間の初期養生を確保します。

この流れだと、予定4.5時間を5人増員で4時間に短縮できます。余裕が生まれる分、締固めと仕上げの品質が安定します。安全面でも動線の交錯が減り、声かけが通りやすくなります。

注意点(やりがちなミスと回避)

  • 受入を端折る:数分の時短が後の全体不良につながります。必ず測ります。
  • バイブレーターの横引き:分離の原因です。縦に差し、重ねて抜きます。
  • 面を広げすぎる:人員とホースの到達範囲で刻みます。広げないこと。
  • 高温時の遅れ:開始時間の前倒しと遅延剤の事前承認で備えます。
  • 養生不足:表面乾燥はひび割れの元です。初期養生は必ず行います。

まとめ(次アクション)

打設の良し悪しは、当日の段取りと共有にほぼ比例します。受入・順序・締固め・養生の四点をチェックリスト化し、朝礼で役割と数値を合わせましょう。安全は迷わず止めることが最優先です。止める勇気が品質を守ります。

  • 明日の打設に向け、基準値と役割を書いたA4一枚のチェック表を作成しましょう。
  • 天候の見込みを前夜に確認し、開始時刻と遅延剤の方針を決めておきましょう。
  • バイブレーターの予備とホースの点検を今日中に済ませましょう。

コメント

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