01 仮設工事|施工中
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- トラブル対処:棚足場の失敗|組んだ後の高さと、天井を貫く縦地の直し方
明日の安全パトロール、足場は組み上がってるので大丈夫ですよね?
組んだ人間は大丈夫だと思ってる。見に来る人間は、使う側の穴を探すんだよ。
使う側の穴……。たとえばどこですか?
うちの会社のパトロールの記録を見返して、足場で実際に言われたことを多い順に並べるよ。
この記事で分かること
- 会社の安全パトロールの記録(2023〜2026年)で、足場まわりで実際に言われたことと、その多い順
- 作業床の隙間・手すり・巾木の数値(労働安全衛生規則と、社内の点検表の値)
- 指摘を受けたあとに残す記録と、毎日の足場点検の回し方
足場は「組んだ後」と「使っている間」で見る所が違う
足場は組み立てた日が終わりではありません。組立て・一部解体・変更をしたあとは、作業を始める前に点検者が点検することになっています(労働安全衛生規則 第567条第2項)。
僕の会社のパトロールの記録(2023〜2026年の安全衛生管理点検・評価表、事故撲滅の日の指摘事項一覧、現場パトロール点検・評価表、是正報告書)を見返すと、足場で言われていたのは、組み上がった姿そのものより、使っているうちに外された所や、組み替えの境目で抜けた所でした。図1は、記録にある足場まわりの指摘をテーマごとに数えたものです。

- 工事名
- ●●●工事
- 工種
- 安全管理
- 内容
- 安全パトロール
写真1パトロールで足場と開口部のまわりを見て回っているところ(顔・腕章・ヘルメットの文字と駐車場はぼかしています。写真は改修工事の現場)
FIELD NOTEパトロールで言われたこと(記録から)
開口部の養生・表示 → いちばん多い
巾木なし・床の隙間 → 一部解体と組立直後
手すりの高さ → 85cm
立ち馬・脚立 → 滑り止めと使用許可
いちばん多いのは開口部:EV・階段・乗込み口・躯体との間
記録でいちばん多かったのは、開口部の養生と表示です。EVの開口とピット、階段のまわり、床の開口、足場への乗込み口、構台とトラックの荷台の間など、場所はばらばらでも、「人が落ちる・物が落ちる隙間が開いたまま」という点は同じでした。
言われ方は「開口部を養生すること」「ベニヤで塞いだ開口部にも注意の表示をすること」「躯体と足場の間の墜落防止措置を見直すこと」などです。階段のまわりには落下防止ネットを2段ごとに張るよう言われた記録もあります。
ある回では、内部の階段まわりの開口に単管で組んだ手すりが850mmに届かず、巾木も付いていないと言われ、翌日に手すりの高さを確保して巾木を付け、是正報告書を出しています。開口部は、塞いだ・囲ったで終わりにせず、手すりの高さと巾木まで見ておくと二度手間になりません。
安全に関わるところ
開口部の手すりや囲いを一時的に外すときは、作業する人を決め、外している間は立入禁止にして、終わったらすぐ戻します。どこまで外してよいか迷うときは、所長と足場の作業主任者に確認してください。
巾木と床材の隙間:一部解体した所と組立直後に抜ける
次に多いのが巾木と、作業床(アンチ・ステージ)の隙間です。最新の記録でも「足場の一部に巾木がない」「最上階の床材の隙間が広すぎる」「一部解体した箇所や組立直後の箇所に巾木がない」と、続けて言われています。
枠組足場から単管足場に切り替わる部分で、床材の隙間が広いと言われた記録もあります。抜けるのはいつも「境目」で、一部を外した所、組み終わったばかりの所、足場の種類が変わる所です。
数値は、作業床の幅が40cm以上、床材の間の隙間は3cm以下、床材と建地の隙間は12cm未満です(労働安全衛生規則 第563条第1項)。巾木は、社内の点検表ではくさび式足場で10cm以上、枠組足場の内部で15cm以上の欄になっています。現場では、足場の仕様書と点検表の値を先に確かめてください。
手すりは高さ85cm、荷を入れるときも外したままにしない
手すりは高さ85cm以上、中桟は35cm以上50cm以下です(労働安全衛生規則 第563条第1項)。開口部の単管の手すりが850mmに届かずに言われた話は、上の開口部の節に書いたとおりです。
僕が安全で言われたことの一つに、「荷を入れるために手すりを抜く」のは×、というのがあります。材料を出し入れしたあと、手すりを外したままにするのがいちばん起きやすい形です。抜いたら戻すまでを一つの作業として、取り込む業者さんに伝えておきます。
記録には、手すりにドラムリールを掛けていると言われたこともあります。手すりは人が落ちないためのもので、物を掛ける所ではない、という見方をされます。
つなぎと積載:梁は「ダブル」、表示は「1スパン400kg」
これも僕が安全で言われたことです。梁へ単管でつなぎを取るときは「ダブル」にします。梁の下フランジの両側に掛けて固定するやり方で、キャッチクランプを両側に使うほか、下フランジを両側からつかむ専用の金物もあります。片側のキャッチクランプ1つだけだと、ぐらつきが出るためです。
つなぎは足場が倒れないための要です。組む前に足場会社の職長さんと、どこを何で取るかを決めておくのが早いです。
積載の表示も見られる項目です。記録では、構台の積載荷重の表示が良好とされた回がある一方で、ステージの耐荷重に注意するよう言われた回もあります。足場の作業床には、構造と材料に応じて最大積載荷重を定め、超えて積まないこと、労働者に周知することが決められています(労働安全衛生規則 第562条)。
単管足場の場合、建地の間の積載荷重は400kgが限度です(第571条第1項第四号)。僕の会社では「1スパン400kg」としていて、ハーフのアンチには別で250㎏までと決めています。ただ、その値は労働安全衛生規則では決められていないようなので一度会社に確認してみるのがいいと思います。
単管足場の建地の間の積載荷重の限度(労働安全衛生規則 第571条第1項第四号)
最大積載荷重を定めて、見える所に表示して周知する(第562条)
表1は、パトロールで見られやすい項目を、条文と並べたものです。
| 見る所 | 確認すること | 根拠 |
|---|---|---|
| 積載荷重 | 最大積載荷重を定めて周知。単管足場は建地間400kgを限度に表示する | 第562条、第571条第1項第四号 |
| 作業床 | 高さ2m以上の作業床は幅40cm以上、床材の間の隙間3cm以下、床材と建地の隙間12cm未満 | 第563条第1項 |
| 墜落防止 | わく組足場は交さ筋かいと桟か幅木、または手すりわく。それ以外は手すり等と中桟等 | 第563条第1項 |
| 単管足場の組み方 | 建地の間隔は桁行方向1.85m以下、梁間方向1.5m以下。地上第一の布は2m以下 | 第571条第1項第一号・第二号 |
| 使用前の点検 | 組立て・一部解体・変更のあと、作業開始前に点検者が点検する | 第567条第2項 |
立ち馬・脚立:滑り止めテープと使用許可の表示
足場のまわりで回数が多かったのが、立ち馬(可搬式作業台)と脚立です。「立ち馬に滑り止めのテープを貼ること」は2023年から2026年まで繰り返し出てきて、「脚立に使用許可を表示すること」も3回あります。
ほかにも「ぐらつく立ち馬は使用禁止」「脚立を固定すること」「使用許可は貼ってあるが、正しい使い方を所長から指導すること」と言われています。ローリングタワーでは、使う人にストッパーを確かめさせるよう言われた記録があります。
逆に、使わない立ち馬が隅にまとめて置いてあったことは良好として書かれていました。出しっぱなしにしないことも見られています。
点検表とKYで、足場の点検を毎日回す
足場は、組立て・一部解体・変更をしたあと、作業を始める前に点検者が点検することになっています(労働安全衛生規則 第567条第2項)。記録では「足場点検表を確認すること」「足場点検表を整備すること」「各業者にKYで足場点検を行うよう指導すること」と、点検の回し方そのものを言われています。
社内の点検表では、毎日使う業者がKYボードに記入し、悪天候や地震のあとは元請と業者がチェックリストで点検する形になっています。最近の記録では、KY用紙に「足場を使うか」「墜落制止用器具を掛ける設備があるか」のチェック欄を付けるよう言われました。
仕上げ工事が始まる前には「外部足場と内部の床開口を総点検すること」、足場を解体する前には「作業手順を確かめ、下の立入りを確実に止めること」とも言われています。指摘を受けたら是正報告書に、是正日と、是正前・是正後の写真を残します。同じ角度で撮っておくと、あとで並べて見比べられます。
足場の数量や範囲を事前に押さえておくと、組立て範囲の打合せが楽になります。拾い方は足場の数量拾いを見てください。
組んだ後の高さの確認で失敗した話は棚足場の失敗に書いています。パトロールの項目と合わせて、足場は組む前に決めておくことが多いと感じています。
足場の安全は、組んだ人と使う人の目を合わせるところで決まります。明日のパトロールの前に、開口部の養生、巾木と床材の隙間、手すりの高さ、立ち馬の滑り止めの4つだけ、足場を一周して見ておいてください。
参考にした基準・資料
- 厚生労働省 安全衛生情報センター「労働安全衛生規則」第二編 第十章 通路、足場等第562条(最大積載荷重)、第563条第1項(作業床・墜落防止設備)、第567条第2項(点検)、第571条第1項第一号・第二号・第四号(単管足場)
- 僕の会社の安全パトロールの記録(2023〜2026年。安全衛生管理点検・評価表、事故撲滅の日パトロール指摘事項一覧、現場パトロール点検・評価表、是正報告書)件数は記録から数えた目安。会社名・現場名は伏せています
この記事は、僕の会社の安全パトロールの記録と、僕が現場で言われたことをもとにしています。会社によって点検表の項目や値は違うので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。
基準の数値は改正されることがあります。実際の工事では、足場の仕様書と最新の法令を確認してください。
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