ケイカル板の目地と見切り|6mmと3mmの決め方、先に貼る場所

内装下地工事:ケイカル板の目地と見切り|6mmと3mmの決め方 18 内装下地工事

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ルー

来週からボード貼りですよね。割り付け図を描いてきました。目地は基本6ミリでしたかね? 図面は3ミリで描いちゃいました。

ミサキさん

その3mmと6mm、どんな基準?

ルー

……見た目がすっきりするかな、と思って。

ミサキさん

今回の建物は仕上げが肝心です。かといって全部を3mmにする必要もないでしょう。

Kony

目地は幅の数字より、どこを目立たせないかの話なんだ。貼る前に決めることを順に見ていこう。

この記事で分かること

  • ケイカル板の目地を、基本の6mmにする所と3mmにする所の分け方
  • 塗装、出隅のコーナー材、化粧ケイカルのシール・目切材まで、貼る前に決めておくこと
  • 目地を取らない「突き付け」を、僕がなるべく避ける理由と、設計者への伝え方
  • 公共建築工事標準仕様書 令和7年版にあるボード張りの数値と、貼ったあとの確認ポイント

目地は基本6mm、目立たせたくない所だけ3mmにするのもあり

ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)は、内装の壁や天井に使う板です。基本の寸法は3×6(910×1,820mm)、厚さは6mmです。目地の幅は基本6mmで考えます。

数年前、仕上がりにこだわった内装の現場で、目立たせたくない所に限って目地を3mmにしたことがあります。全部の壁を3mmにしたのではありません。一般的に、目地を狭くするほど、ボードの寸法の誤差や取合いのずれを逃がす余裕は小さくなります。だから3mmにするのは、見せたくない壁を先に決めて、その壁だけにします。

目地幅を基本から変えるときは、展開図に割り付けを描いて、監理者の承認を取ってから貼ります。貼ったあとで「ここは3mmに寄せたい」と言っても、ボードは動かせません。

目地を取らない「突き付け」という手もある。でも僕はなるべくしない

突き付け(つきつけ)は、ボードの端どうしをすき間なく突き合わせて張る工法です。標仕でも、ボードの目地工法の一つに「ボードへり折り面どうしを突き合わせて張る」突付け工法(19.7.3(6)(エ))があり、継目に底目地をとって隙間をあけて張る目透し(めすかし)工法(同(オ))と並んでいます。ただし、この条文はせっこうボードの目地工法です。ケイカル板の目地は、特記とメーカーの仕様で決まります。

突き付けは目地が出ないので、見た目がフラットですっきりします。だから設計者は、よくこの納まりにしたがります。現場でも、よく使う手です。

それでも、僕はなるべくしないようにしています。割れることがあるからです。ケイカル板は温度や湿気で多少伸び縮みしますし、建物も動きます。目地を取らない突き付けは、その動きを逃がす場所がなく、継ぎ目にひびが出やすくなります。

特に、突き付けにしてパテ処理をして、その上から塗装、という仕上げは最悪の組み合わせです。絶対割れますよ、と設計者に言ってもいいレベルだと思っています。見た目を優先したいと言われたら、割れる可能性を先にこちらから伝えて、目地を取る(目透し)か、目地にシールか目切材を入れる納め方を提案します。

↑実際にケイカルが割れている。
サッシの角なのでそもそも割れやすいが目地突付けにより伸縮の逃げ場がなかったのも要因だと
思われる。ちなみにサッシの角に目地を入れるのはマストで施工するべきだ。
ケイカルに限らず石膏ボード等も。

割り付け図で、縦の目地と横の目地の位置を先に決める

公共建築工事標準仕様書(以下、標仕)の令和7年版では、壁のボードは縦張りで、原則として水平方向に継目を設けないと書かれています(19.7.3(1))。ところがケイカル板の長辺は1,820mmです。天井までの高さが2,400mmなら、板の長さが足りず、横の目地が出ます。

横の目地を何mmの高さに出すかは、貼り出す前に決めます。見切りの位置、建具の上端、幅木の高さと合わせられるかを、割り付け図の上で確かめます。ボードの枚数やロスの出し方は、LGS・PB数量拾い完全ガイドで書いているので、割り付けと一緒に見てください。

縦目地(基本6mm) 横目地 板の長さ1,820で出る 天井高 2,400 板(910×1,820) 上は切った板
図1天井高2,400mmの壁を、ケイカル板(910×1,820)を縦に貼って割り付けたときの模式図。横目地をどの高さに出すかを貼る前に決める(模式図・寸法は例)

ケイカル板は、塗装と出隅のコーナー材まで込みで考える

ケイカル板は基本塗装が必要で、出隅にもコーナー材が必要です。つまりボードを貼っただけでは、仕上がりになりません。

貼る日までに、塗装の範囲と、出隅に使うコーナー材の種類を決めておきます。塗装屋さんに「この壁は何色で、どこまで塗るか」を伝え、ボード屋さんには「出隅のコーナー材の仕様はちゃんと伝わっているか、忘れ箇所はないか」を確かめます。ここが曖昧なまま貼り出すと、あとで出隅だけ手戻りになります。特に仕上の色にコーナー材の色を合わせている場合、この色のコーナー材がないといったことがあります。

仕上がりの色や質感が思っていたものと違うと言われたときの直し方は、完成後に「色がイメージと違う」と言われたらにまとめています。見本は、貼る前に見せておくほうが安く済みます。

化粧ケイカルの目地は、シールか目切材。先行して貼る場所もある

化粧ケイカルも、基本の寸法は3×6(910×1,820mm)、厚さ6mm、目地は6mmです。目地の納め方は、シールにするか、目切材(目地に入れる細い部材)を使うかのどちらかです。

目切材は、プラスチックよりアルミのほうが高級感が出ます。以前の現場では、意匠にこだわった部屋でアルミを選んだ例が残っています。ただし、アルミは材料も取付けもプラスチックとは違うので、見積りの段階で監理者と決めておきます。

もう一つ、順番の話です。キッチンを据える壁の背面が化粧ケイカルのときは、先に化粧ケイカルを貼ります。据えたあとでは、背面の板を貼る手が入らなくなるからです。キッチンの搬入日から逆算して、貼り終える日を決めてください。

その壁は、目地を目立たせたくないか? はい 3mm候補 図面で承認を取る いいえ 基本の6mmで割り付ける 化粧ケイカルか? はい シール or 目切材 見本で確認 いいえ 塗装と出隅コーナー材を段取りする
図2ケイカル板の目地幅と納め方を決める流れ。目地の数値は僕の現場メモ、3mmにするときは監理者の承認が前提(模式図)

貼る前に見る数値:ケイカル板と化粧ケイカル

まず僕の現場メモの数値です。ケイカル板と化粧ケイカルで、納め方が違います。

項目ケイカル板化粧ケイカル
基本の寸法3×6(910×1,820mm)、厚6mm3×6(910×1,820mm)、厚6mm
目地の幅基本6mm。目立たせたくない所は3mm6mm
目地・出隅の納め塗装が必要。出隅はコーナー材が必要目地はシール、または目切材。出隅はコーナー材が必要(アルミのほうが高級感)

次は標仕(令和7年版)の数値です。ボード類の張り方は、19章7節にまとまっています。標仕の表19.7.1では、ボードの規格として繊維強化セメント板(JIS A 5430)などが挙げられています。現場でボードと呼んでいる物がどの規格のどの種類に当たるかは、特記と製品の規格表示で確かめてください。

項目標仕の内容条・表
壁の張り方縦張りとし、原則として水平方向に継目を設けない19.7.3(1)
張付けの仕上がり目地通りよく、不陸・目違い等のないように張る19.7.3(2)
ビスの間隔・壁(軽量鉄骨下地に直接張る場合)周辺部200mm程度、中間部300mm程度表19.7.2
ビスの間隔・天井(同上)周辺部150mm程度、中間部200mm程度表19.7.2
湿気の多い所のビス浴室・洗面所・便所・湯沸室・厨房等はステンレス製19.7.2(3)
防火天井・壁に使うものは、建築基準法に基づく防火材料の指定又は認定を受けたもの19.7.2(1)
種類・厚さ特記による(ボード表面への化粧張り仕上げ等も特記)19.7.2(1)、表19.7.1

貼ったあとに見るところと、撮っておく写真

貼り終えたら、目地の通りがまっすぐか、板どうしに段差(目違い)がないか、壁に不陸がないかを、壁に沿って目を寄せて見ます。標仕の19.7.3(2)に書かれている、そのままの確認です。出隅のコーナー材が通っているか、小ねじの間隔が表19.7.2の目安から外れていないかも、同じ日に見ておきます。

記録写真は、あとで揉めたときに効くものを撮ります。目地にスケールを当てて幅が読める写真、使用ボード、接着剤、出隅のコーナー材の材料検収写真、ビスピッチ。防火材料の認定番号が分かる製品の表示、写真に残しておきます。

貼る前に、ボード屋さん・塗装屋さん・監理者と話すこと

ボード屋さんとは、割り付け図で縦目地と横目地の位置を見ながら、貼り出す壁と順番を決めます。キッチンの背面のように先に貼る壁があるなら、その日程もここで伝えます。塗装屋さんとは、塗装の範囲と、出隅コーナー材の種類・色を決めます。

監理者とは、目地の幅を基本の6mmから変える壁があるかどうかを、割り付け図を見せて確かめます。目地やコーナー材の納め方は、防火区画や遮音の壁では、認定された仕様に含まれていることがあります。そういう壁の目地の納め方を、現場監督の判断で変えてはいけません。必ず設計者・監理者の指示を仰いでください。天井側の下地の考え方は、LGS天井の数量拾いと施工管理術も参考になります。

目地の幅は、板を貼る前の短い相談で決まります。貼ってしまうと、そのまま長く見ることになります。割り付け図に目地の幅と見切りの位置を描いて、塗装屋さんにも見せてから貼り出しましょう。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版19章7節 せっこうボード、その他ボード及び合板張り:19.7.2(材料、表19.7.1 ボードの規格)、19.7.3(工法、表19.7.2 ボードの留付け間隔、(6) せっこうボードの目地工法のうち突付け・目透し)

目地幅6mm・3mm、塗装・コーナー材、化粧ケイカルのシール・目切材、突き付けが割れやすいという話は、僕の現場メモと経験によるもので、標仕の数値ではありません。基準の数値は版によって変わることがあります。実際の工事では、特記仕様書と最新版の基準を確認してください。

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