土間コンクリートのかぶり厚さ|土に接する下側は40mmか60mmか

土間コンクリートのかぶり厚さのアイキャッチ 07 地業工事

07 地業工事|資料

  1. 関連:捨てコンと砕石地業の確認
  2. 資料:この記事

土間のワイヤーメッシュを敷き終えた日、メッシュの下をのぞき込みながら。

ルー

先輩、土間コンクリートのかぶり厚さって何ミリですか?調べたら40mmの記事と60mmの記事があって。

Kony

どっちも間違いじゃないんだ。土に接する「床・スラブ」なら40、「基礎・耐圧スラブ」なら60。決め手は、目の前の土間がどっちの区分に入るかなんだよね。

ルー

じゃあ、この土間はどっちなんですか?

Kony

それは図面の特記を見て決める。書いていなければ、構造設計者や監理者に聞く。

ルー

捨てコンの厚さもかぶりに入れていいんですか?

Kony

入れない。施行令も標仕も、捨てコンは除いて測ると書いてある。今日は数字・区分・測り方・スペーサーの順に話すね。

この記事の数字は、建築基準法施行令と公共建築工事標準仕様書(以下、標仕)を一次資料で確かめたものだけです。

結論

  • 土に接する床は施行令79条で4cm(40mm)以上、基礎は捨てコンを除いて6cm(60mm)以上。
  • 標仕(特記がなければ)では、土に接するスラブ40mm、基礎・耐圧スラブ60mm。捨てコンの厚さは含めない。
  • 自分の土間がどれに当たるかは図面の特記で決まる。書いていなければ構造設計者・監理者に確認し、決まったかぶりを下回らない高さのスペーサーで確保する。

目次

土に接する部分のかぶり厚さは40mmか60mmか

答えは「部位で変わる」で、土に接する床・スラブは40mm、基礎・耐圧スラブは60mmです。施行令79条第1項の原文は「直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあつては四センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)にあつては捨コンクリートの部分を除いて六センチメートル以上」です。

標仕は表5.3.6で、特記がなければ土に接する柱・梁・スラブ・壁を40mm、基礎・擁壁・耐圧スラブを60mmとしています。この表は鉄筋だけでなく溶接金網(ワイヤーメッシュ)にも使います。

部位(土に接する部分)施行令79条標仕 表5.3.6(特記がなければ)
壁・柱・床(スラブ)・はり4cm(40mm)以上40mm
布基礎の立上り4cm(40mm)以上—
基礎捨てコンを除いて6cm(60mm)以上60mm
耐圧スラブ(区分なし)60mm

表1 土に接する部分の最小かぶり厚さ。捨てコンの厚さは含めない。布基礎の立上りが標仕の表のどの区分に入るかは、この記事では扱いません(特記で確認)。JASS 5 の値は載せていません。

よくある誤解が「布基礎のフーチングは40mm」という書き方です。原文で4cmなのは「布基礎の立上り部分」で、基礎(布基礎の立上り部分を除く)は捨コンクリートの部分を除いて6cm以上です。

土間スラブはどの区分か|図面の特記を先に見る

構造でない土間スラブが「床」「スラブ」「耐圧スラブ」のどれに当たるかは、条文や表だけでは言い切れないので、図面の特記で決めます。特記に書いていなければ、自分で40か60かを選ばずに構造設計者・監理者に確認します。

聞くときは、たとえば「土間の下側かぶりは土に接するスラブとして40mmでよいか、耐圧スラブ扱いで60mmか。上側と、防湿シートがある場合の測り方も」とまとめて聞きます。

土間の下側のかぶり厚さを決める流れ 図面の特記に土間のかぶりがあればその寸法どおり。なければ土間が構造スラブ(耐圧スラブ等)かを考え、はいなら基礎・耐圧スラブの60mmの区分か、いいえ・わからないなら土に接するスラブの40mmでよいかを、構造設計者・監理者に確認する。決まったかぶりを下回らない高さのスペーサーを手配し、配筋検査で測る。 図面の特記に土間のかぶりがある? ある 特記の寸法どおり ない 土間は構造スラブ(耐圧スラブ等)か? はい 基礎・耐圧スラブ 60 の区分か いいえ・わからない 土に接するスラブ 40 でよいか 構造設計者・監理者に確認する 決まったかぶりを下回らない高さのスペーサーを手配 → 配筋検査で測る
図1 土間の下側のかぶりを決める流れ。数値(40・60 mm)は標仕 表5.3.6(特記がなければ)。区分の判断は構造設計者・監理者に確認する前提で Konylog が作図。

上側(天端)も一緒に見ます。施行令では土に接しない床は2cm以上、標仕では土に接しないスラブは仕上げありで20mm・仕上げなしで30mmです。土間の天端をこの区分で見てよいか、金ゴテの直押さえを「仕上げあり」と数えてよいかは、自分で決めずに特記・監理者に確認します。

天端のかぶりは、下側の段取りで減ることがあります。僕の経験では、捨てコンが高いと鉄筋も上がって天端のかぶりが減るので、捨てコンは低めが無難です(一般則ではありません)。土間排水の側溝や機械ピットの下のコンクリートがはみ出すと、その上の鉄筋のかぶりが取れなくなるのも、僕が気をつけている所です。

捨てコンはかぶりに入れない|防湿シートの扱い

捨てコンの厚さは、かぶりに入れません。施行令は「捨コンクリートの部分を除いて」と書き、標仕も表5.3.6の注で、直接土に接する部分のかぶり厚さに捨てコンの厚さを含まないとしています。メッシュをどの高さに置くかは、構造図の断面・特記で確かめます。

土間の断面とかぶり厚さ 下から地盤、砕石、捨てコン(ある場合)、防湿シート、土間コンクリート。ワイヤーメッシュはスペーサーで持ち上げる。下側のかぶりは土に接するスラブで40mm(特記がなければ)。上側は土に接しないスラブで仕上げあり20mm、なし30mm。捨てコンの厚さはかぶりに含めない。仕上げ・防湿シートの扱いは特記・監理者に確認。 土間コンクリート ワイヤーメッシュ スペーサー 防湿シート 捨てコン(ある場合) 砕石 地盤 上側 20/30 下側 40 含めない 仕上げ・防湿シートの扱いは特記・監理者に確認
図2 土間の断面とかぶり厚さ。上側20/30は土に接しないスラブの仕上げあり/なし、下側40は土に接するスラブで、いずれも標仕 表5.3.6(特記がなければ)。捨てコンの厚さは含めない(施行令79条・標仕の注)。寸法の比率は模式で、Konylog が作図。

防湿シートの上に打つ土間の下側を「土に接する」と扱うかは、一次資料で確かめられなかったので、特記と監理者の指示に合わせます。防湿シートの重ね方は土間の防湿シートの重ね幅は250mm程度、捨てコンの高さの確かめ方は捨てコンと砕石地業の確認にまとめています。

ワイヤーメッシュのかぶりはスペーサーで確保する

ワイヤーメッシュも鉄筋と同じかぶりの表で決まるので、決まったかぶりを下回らない高さのスペーサーで持ち上げて確保します。標仕は、鉄筋をスペーサー・吊金物等で堅固に組み立てるとしています。

標仕では、柱・梁等の加工に用いるかぶり厚さは最小かぶり厚さ+10mmを標準とし、組み立てた後のかぶりは最小かぶり厚さ以上です。何mmのスペーサーを使うか(加工に用いるかぶりの+10mmの考え方を土間にどう当てるか)は、特記を確かめ、施工計画で決めて監理者と合わせてから手配します。

標仕の、鋼製スペーサーの型枠に接する部分に防錆処理をするという決まりは、型枠に接する所についてのものです。土間の下側にどの材質のスペーサーを使うかは、特記・監理者・メーカーに確認します。

冒頭の会話のとおり、メッシュが少し下がっている所はスペーサーを足して直します。ドーナツ型のスペーサーを使う所では、ドーナツが縦になるように付けています。配筋検査では下側だけでなく、天端側のかぶりも一緒に見ておきます。検査で言われやすいことは配筋検査でよく言われること、打設当日までの流れは土間コンクリート打設の段取りで書いています。

かぶり厚さは建物の耐久性(鉄筋のさび)や構造に関わります。図面にない寸法を現場で決めず、区分や数値の判断は構造設計者・監理者に確認してください。

よくある質問

捨てコンの厚さはかぶりに入れていい?

入れません。

加工のかぶりは最小のままでいい?

標仕の+10mmは柱・梁等の加工の標準です。土間は施工計画で決めて監理者と合わせます。

天端(上側)のかぶりは?

標仕の土に接しないスラブは仕上げあり20mm・なし30mmで、当てはめ方は特記で確かめます。

外の駐車場の土間も同じ数値ですか?

建物の構造部分でない外構の土間が施行令79条の対象になるかも含めて、この記事では言い切りません。特記を見て、なければ監理者に確認してください。

ワイヤーメッシュの重ねは何mm?

標仕では、溶接金網の重ね継手は1節半以上かつ150mm以上です。設計図に載ることもありますが、僕の現場では基本は仕様書の数字で進めていました。

参考にした基準・資料

  1. 建築基準法施行令 第79条(鉄筋のかぶり厚さ)e-Gov 法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325CO0000000338(閲覧日 2026-10-26)
  2. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」5.3.3・5.3.4(6)(ア) 図5.3.4・5.3.5、表5.3.6(PDF 33・38・39頁) https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888816.pdf(確認日 2026-10-02〜2026-10-08)

この記事の確認日:2026-10-26

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