土間コンクリートの打設計画|1日150m³を打ち切る時刻表と打つ順番

コンクリート工事:土間コンクリートの打設計画|時刻表と打つ順番 10 コンクリート工事

10 コンクリート工事|段取り

  1. 段取り:この記事/コンクリート打設の段取り
  2. 施工中:打設当日に監督が見るところ
  3. トラブル対処:生コン受入不合格/雨と猛暑の日の打設判断
ルー

来週の1階の土間、155m³ですよね。生コン車をどんどん呼べば、昼過ぎには終わりますか?

テツさん

呼んだって、工場が出せなきゃ来ねえぞ。それに立上り、先にやるのか後にやるのか決まってんのか?

ルー

……それも今決めるんですか。メモしました。

Kony

土間は量が多いぶん、時刻表と順番を先に決めた方が楽になる。まず工場に「1時間に何m³出せるか」を聞くところから始めよう。

この記事で分かること

  • 土間を1日で打ち切るための打設計画表(生コン車の時刻表)の作り方と、時間あたりの打込み量の目安
  • 立上りを先に打つか、土間を先に打つか。それぞれの良いところと困るところ
  • 研磨仕上げ・カッター目地・養生・電源など、仕上げ側と打設前に決めておくこと

土間は「量が多くて、途中で止めにくい」

鉄骨造の自動車ディーラー新築で、1階の土間を1日で155m³打ちました。4m³積みの生コン車で約39台。朝8時15分に1台目が着いて、最後の車は午後2時を回る計画です。

155m³

1階の土間を1日で
4m³積みの生コン車で約 39 台
8:15 に1台目、最後の車は午後2時を回る計画

土間は、柱や梁のように部位ごとに区切って打つものではありません。1回で打つと決めた区画の中は、コンクリートが一体になるように連続して打ち込むのが基本です(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.6.3(4))。しかも上面がそのまま床の仕上げになることが多く、打ったあとで直しがききにくい。だから土間は、打設の日までに「何時に何台来て、どこから打って、何時に終わるか」を紙にしておくことが段取りの中心になります。

打設の段取り全体(2週間前からの流れ、生コン工場・協力会社・監理者との打合せ)はコンクリート打設の段取りにまとめています。この記事は、土間ならではのところに絞ります。

土間コンクリートを打設しているところ

写真土間コンクリートの打設状況(S造の店舗の現場)

着手前タイムライン:1か月前から当日まで

土間で時間がかかるのは、仕上げを決めることと、生コン工場の出荷の都合を合わせることです。下の表を、自分の現場の日付で埋めてみてください。

時期決めること・やること相手
1か月前床の仕上げ(金ごて、研磨など)と平たんさの種別を確認。研磨するなら現場サンプルの日程。カッター目地の割付け監理者、仕上げ業者
1か月前立上りを先に打つか、土間を先に打つか。墨の出し方と型枠の段取り型枠大工、鉄筋工
2週間前数量と打込み区画(1日で打ち切れるか)。生コン工場に「1時間に何m³出せるか」を聞く。ポンプ車の機種と据付け位置生コン工場、ポンプ屋
1週間前打設計画表(時刻表)を作って配る。先送りモルタルの捨て場所。供試体を採る回数工場、ポンプ屋、土間工、試験員
前日天気の判断。出荷開始時刻と台数の最終連絡。カッター・研磨に使う電源の手配工場、各職
当日着いた時刻を計画表に書き込み、残りの数量を見て最後の車を頼む工場

時間あたりの量から、生コン車の時刻表をつくる

僕が打設計画表を作るとき、最初に決めるのは「1時間に何m³打つか」です。これを生コン車1台の量(僕の現場では4m³)で割ると、何分おきに1台呼べばいいかが出ます。手元のメモに残している目安はこうです。

部位1時間に打つ量(僕のメモ)4m³車の間隔
基礎・地中梁30m³/h8分に1台
柱・階段・手摺壁20m³/h11分に1台
スラブ32〜36m³/h7分に1台

あくまで僕の現場での目安です。筒先の数、均す人数、ポンプの能力、工場の出荷能力で変わります。職長と「この人数で1時間に何m³なら均しが追いつくか」を話して、自分の現場の数字にしてください。

155m³の土間で作った計画表

計画表は、1行が生コン車1台です。列は「打設累計(m³)」「残数量(m³)」「残台数」「車体番号」「現場着の予定時刻」「取り終わり時刻」。1台目の欄には「8:15スタート・受入れ試験・テストピース・モルタル0.5m³」と書きました。1台目は受入検査と先送りモルタルがあるので、着いてから取り終わるまで25分見ています(8:15着、8:40取り終わり)。

表の右肩には32m³/hと書いてあります。ところが時刻の欄は、午前と昼が10分に1台(1時間6台=24m³/h)、午後1時からが7分に1台です。メモには「AM 24m³/h 生コン屋都合」。工場の都合で午前は24m³/hしか出せなかったので、午後にペースを上げる組み方にしました。

FIELD NOTE打設計画表の書き込み

1台目 8:15スタート・受入れ試験・テストピース・モルタル0.5m³

AM 24m³/h 生コン屋都合 → 13時から7分に1台

37台目(累計148m³)の下に一点鎖線 → ここまでで待ち

155立方メートルの土間の打設数量表。4立方メートル車1台ごとの打設累計・残数量・取終り時間と、37台目の下の「ここまでで待ち」の線

実際に使った打設数量表(155m³の土間・4m³車)。現場名・日付・会社名・連絡先は消して描き直しています。タップで拡大。

050100150 累計(m³) 8時9時10時11時12時13時14時15時 32m³/hで打てた場合(比較) 午前・昼:10分に1台(24m³/h) 午後:7分に1台(約34m³/h) 148m³:ここまでで待ち ● 1台目:8:15着 → 8:40取り終わり(受入検査・先送りモルタル)
図1155m³の土間の打設計画表(4m³車)を、時刻と累計数量のグラフにしたもの。青の実線が計画表の時刻(取り終わり時刻)、灰色の破線は比較用に32m³/hで打ち続けた場合。数字は僕の計画表の値です。

37台目(累計148m³、残り7m³)の下には一点鎖線を引いて「ここまでで待ち」と書きました。拾った数量と実際に入る量はずれることが多いので、最後の2台は一度止めて、型枠の中の残りを見てから量を決めて工場に伝えます。当日は、着いた時刻をこの表に赤で書き込んでいきました。予定とのずれが一目で分かるので、工場への「次は何分後に」の連絡が早くなります。

生コン車をためておけない理由

「足りなくなるのが怖いから、生コン車を多めに待たせておけばいい」と考えがちですが、それはできません。練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温が25℃以下で120分以内、25℃を超えると90分以内です(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.6.2)。工場からの運搬時間を引くと、現場で待たせられる時間はあまり残りません。時間の規定からの逆算のしかたは打設の段取りの記事の「時間から出荷間隔を逆算する」に書いています。

生コン工場には「1時間に何m³出せるか」を先に聞く

155m³の土間で時刻表を決めたのは、ポンプでも人でもなく、工場の出荷能力でした。大きな土間は、こちらの都合だけで時刻表を作ると、そのペースでは出せないと言われることがあります。予約の時点で、1時間に何m³出せるか、同じ日に他の現場の大口がないかを聞いて、その数字で時刻表を組みます。

構造に関わるところ

「足りないなら別の工場からも呼べばいい」とはいきません。同じ打込み区画に、2つ以上のレディーミクストコンクリート工場のコンクリートを打ち込まないことになっています(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.6.3(4))。出荷が足りないなら、区画を分けて打継ぎを設けるか、打設日を分けるかです。打継ぎの位置は構造にかかわるので、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

先送りモルタルの捨て場所も、この時点で決める

ポンプで打つなら、最初に先送りモルタルを圧送します(僕の土間では0.5m³)。このモルタルは型枠の中に打ち込んではいけません(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.6.1(3))。捨てる場所と、固まったあとの処分を先に決めておきます。僕のメモには「配管を延ばしたら残コンも出る」「ブームだけなら残コンを生コン車に返せる」とあります。ポンプ車の据付け位置を決めるときに、配管を延ばすかどうかも一緒に考えてください。

立上りを先に打つか、土間を先に打つか

外周や間仕切りの下に立上りがあって土間と同時に打てないときは、どちらかを先に打つことになります。僕はこれで毎回迷うので、メモに得失を書き出しました。

立上りを先に打つ土間を先に打つ
良いところ土間に型枠の釘跡やノロ(漏れたセメントペースト)が出ない。メモには「防水的には有利」とも書いた墨を土間の上に出せるので、通りが出しやすい
困るところ土間の墨を鉄筋の上に出すことになり、出しにくい(外周は地中梁に寄墨を出せる)。型枠が両側に要る所が出て、通りが出にくい。立上りと土間の鉄筋の取り合いも確かめる立上りの型枠の釘跡やノロが土間に出る
A 立上りを先に打つ 地中梁 先に打つ立上り あとから打つ土間 砕石・防湿シート ○ 土間に釘跡・ノロが出ない △ 土間の墨は鉄筋の上に出す (外周は地中梁に寄墨) △ 型枠が両側に要る所が出る B 土間を先に打つ 地中梁 先に打つ土間 あとから打つ立上り 型枠の足元に釘跡・ノロ 砕石・防湿シート ○ 墨を土間の上に出せる (通りが出しやすい) △ 釘跡・ノロが土間に出る
図2立上りと土間の打つ順番。僕のメモの得失を断面にしたもの(模式図・寸法は例)。立上りと土間の鉄筋の取り合いは、構造図と監理者の指示で決めます。

決め手になるのは、土間の仕上げと、墨をどこに出すかです。土間をそのまま見せる仕上げ(研磨や金ごて仕上げのまま)なら、釘跡とノロが残らない「立上り先」に寄せたい。土間の上に床材を張るなら、墨が出しやすい「土間先」でも困りにくい。どちらにするかは1か月前に型枠大工・鉄筋工と話して、墨の出し方まで決めておきます。土間の高さを出すときのレベルの確かめ方はレベル測定のミスを防ぐに書きました。

仕上げ側と打設前に決めておくこと

土間は、打った瞬間から仕上げが始まっています。同じ現場で、床を研磨仕上げ(硬化したコンクリートの表面を機械で磨く仕上げ)にする計画があり、打設前に研磨業者と打合せをして、現場にサンプルを作りました。そのときに聞いたこと、試して分かったことをまとめます。答えはこの現場・この業者の場合のものなので、自分の現場では業者と監理者に確かめてください。

確認したこと答え・結果
カッター目地を切る時期打設後1〜2日でよい
目地の間隔3〜4mでよい(割付けは図面と監理者で決める)
研磨代を見て土間を高めに打つか±0でよい。そのかわり機械ごてでしっかり押さえる
研磨までの間、土足で歩いてよいか泥はまずい。養生した方がよい
木のアク、さび研磨しても取れない
散水養生できれば1週間
墨、油性・水性マジック(サンプルで試した)研磨で全部消えた
不陸のある所(サンプル)削り切れずに残ったが、目立たなかった
研磨機の電源200Vが要る。サンプルのときは発電機を使った

見落としやすいのが電源と養生です。仮設の電気に200Vがない時期に研磨が来ると、発電機の手配が要ります。アクやさびが取れないということは、研磨までに土間の上へ木材や鉄の資材を直置きしないということです。資材置き場の計画にも響くので、建方や内装の段取りと一緒に考えておきます。土間カッターは乾式の機械もあり、ほこりはそこまで出ません(音は出ます)。大きい機械が入らない所には小さい機械があります。

研磨前の土間コンクリート研磨前
研磨が終わった土間コンクリート研磨完了

写真土間の仕上げの例。左が研磨前、右が研磨完了(S造の店舗の現場)

研磨しない土間でも、上面の仕上げは公共建築工事標準仕様書の6.6.6と15章4節(床コンクリート直均し仕上げ)が基本です。タンパーなどでたたき締めて均し、木ごてで中むらを取り、金ごてで押さえる流れです。平たんさは表6.2.5の種別(a種は3mにつき7mm以下、b種は3mにつき10mm以下、c種は1mにつき10mm以下)が特記で決まるので、どの種別かを打設前に土間工と共有しておきます。湿潤養生の期間は普通ポルトランドセメントで5日以上(表6.7.1)、打込み後少なくとも1日間はその上で歩行や作業をしない(6.7.3)のが標準です。研磨業者の「できれば1週間」は、これより長い希望でした。

監理者・試験員に先に確認しておくこと

ミサキさん

出荷が追いつかなかったときに止める位置、決めてありますか? 前もって聞いていれば、当日こちらも判断が早いです。

  • 打込み区画と、出荷が追いつかないときの打継ぎ位置(構造設計者・監理者の指示による)
  • 床の仕上げと平たんさの種別、カッター目地(ひび割れ誘発目地)の位置・間隔・深さ
  • 供試体を採る回数。強度試験の1回は、打込み日ごと・打込み工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごとで、1回に供試体3個です(公共建築工事標準仕様書 令和7年版 6.9.3 表6.9.2)。155m³の土間なら2回になるので、僕の計画表にも「4W×2セット」と書いてあります
  • 立上りとの打つ順番と、打継ぎ部の処理

1日の打込み量が150m³を超えると、強度試験のテストピースは1セットでは足りません。この土間は155m³で、超えるのは計画の段階で分かっていたので、テストピースを2セット採ることと、受入検査(スランプ・空気量など)をどう分けるかを、監理者と相談して先に決めました。このときは155m³を6回に分けて受入検査をしています。受入検査の回数は現場や監理者によって変わるので、打設計画の打合せで決めておきます。

監理者には「当日相談する」より「前もって決めて承認をもらっておく」方が、お互いに楽です。当日の受入検査で値が外れたときの動き方は生コン受入不合格の判断基準、天気が怪しいときは雨と猛暑の日の打設判断、当日の見回りは打設当日に監督が見るところに書いています。

Q1日で155m³の土間。強度試験の供試体は何回採る?

  • A1回(打込み日ごとに1回)
  • B2回
  • C4回
答えを見る

B 強度試験の1回は、打込み日ごと・打込み工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごと。155m³なら2回で、1回に供試体3個です(標仕 令和7年版 6.9.3 表6.9.2)。

準備物チェックリスト(印刷して使う)

打設の1週間前までに

  • ☐ 打設計画表(累計・残数量・残台数・現場着予定・取り終わり時刻)を作って、工場・ポンプ屋・土間工に配った
  • ☐ 工場に1時間あたりの出荷量を確認した
  • ☐ 先送りモルタルの捨て場所と処分方法を決めた
  • ☐ 立上りとの打つ順番と、墨の出し方を型枠大工・鉄筋工と決めた
  • ☐ 仕上げの種類と平たんさの種別、カッター目地の割付けを監理者と確認した
  • ☐ 供試体の回数と試験員を手配した

前日・当日

  • ☐ 天気予報の確認と、出荷開始時刻・台数の最終連絡
  • ☐ 書き込み用の計画表と赤ペン
  • ☐ 予備のバイブレーター・発電機、照明
  • ☐ カッター・研磨に使う電源(200Vが要るか)
  • ☐ 散水養生の水と養生シート
  • ☐ 土間に資材を直置きしないための置き場

土間の打設は、当日は均しと天気との勝負に見えます。でも本当は、工場が何m³出せるか、どちらを先に打つか、仕上げに何が要るかを打つ前に決めた分だけ、当日が静かになります。計画表に赤で時刻を書き込みながら、予定どおりに車が来るのを眺められたら、その土間の段取りは勝ちです。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版6.2.5(表6.2.5 コンクリートの仕上りの平たんさ)、6.6.1(3)(先送りモルタル)、6.6.2(練混ぜから打込み終了までの時間)、6.6.3(4)(打込み区画)、6.6.6(上面の仕上げ)、6.7.2(表6.7.1 湿潤養生の期間)、6.7.3、6.9.3(表6.9.2 強度試験の頻度)、15章4節(床コンクリート直均し仕上げ)

この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。

基準の数値は版によって変わることがあります。実際の工事では、特記仕様書と最新版の基準を確認してください。打込み量の目安と研磨業者の回答は、僕の現場での値です。

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