内装ボードの選び方|留付け・目地・便器洗面台の下地補強の押さえどころ

内装下地工事:内装ボードの選び方留付け・目地・下地補強 18 内装下地工事

18 内装下地工事|資料

  1. 段取り:軽天工事の段取り|壁・設備・天井の順番と、吊りボルトで揉めない決め方
  2. 施工中:ケイカル板の目地と見切り
  3. トラブル対処:—
  4. 資料:この記事

天井や壁の板は、種類や厚さを打合せの場で決めるように求められる材料です。この記事は、公共建築工事標準仕様書(標仕)令和7年版の19章7節を正として、監督として押さえる所に絞ったものです。

コーキング(シーリング材)は種類が多く、別の判断が要るので、コーキングの選び方に分けました。ボードとの取合いがある所だけ、この記事からリンクでつないでいます。

この記事で分かること

  • 天井・壁の板を、使う場所と防火材料の指定で選び分ける見方
  • 標仕の留付け間隔、直張りの接着材の間隔、継目処理の寸法
  • 便器・洗面台の下地補強で、割れと配管の食い違いを防ぐ考え方

ボードは「どこに使うか」と「防火材料かどうか」で選ぶ

標仕は、せっこうボードやその他のボードの種類・厚さ等を特記で決めます。そのうえで、天井と壁に使うものは、建築基準法に基づく防火材料の指定または認定を受けたものとされています(19.7.2(1))。規格は表19.7.1に、JIS A 5404(木質系セメント板)、JIS A 5430(繊維強化セメント板)、JIS A 5440(火山性ガラス質複層板)、JIS A 5905(繊維板)、JIS A 5908(パーティクルボード)、JIS A 6301(吸音材料)、JIS A 6901(せっこうボード製品)が並んでいます。

板の種類使う場所いいところ気をつけること
岩綿吸音板天井吸音性があり、不燃材で、価格も抑えやすい吸湿性があり、もろい。現場では下地にボードを張ってから、2枚張りにすることが多い(標仕19.7.3(4)(イ):天井のボードの重ね張りは、ロックウール吸音板を除いて特記)
石こうボード(普通・耐水・強化など)壁・天井の下地耐火・遮音・耐水など、性能の違う種類がそろっている種類と厚さは特記で決まる。天井・壁に使うものは防火材料の指定・認定品であることを確認する
耐火野地板(硬質木片セメント板)屋根の下地屋根の30分耐火構造に使え、強度が高い。曲面にも使える1枚が重く、運搬と取付けの人数を見込む
耐水ボードを貼ったところ

写真耐水ボードを貼ったところ(S造の店舗の現場)

留付け間隔は、下地の間隔と一緒に決める

ボードを下地に直接張るときの留付け間隔は、標仕の表19.7.2にあります。軽量鉄骨下地または木下地の場合、小ねじ等で次のとおりです。

施工箇所周辺部中間部
天井150mm程度200mm程度
壁200mm程度300mm程度

ボードを下地張りの上に張る場合は、接着剤を主にして、小ねじやタッカーのステープルを併用します。天井のボードの重ね張りは、ロックウール吸音板を除いて特記です(19.7.3(4)(イ))。壁のボードは縦張りとし、原則として水平方向には継目を設けません(19.7.3(1))。

板を何枚張るかは、下地の間隔にも響きます。標仕では、軽量鉄骨のスタッドの間隔は、下地張りありで450mm程度、ボード直張りで300mm程度です。天井の野縁は、下地張りありで360mm程度、直張りで300mm程度です。「下地張りにするか、直張りにするか」を決めてから下地の割付けを確認しないと、スタッドや野縁をあとから入れ直すことになります。

数量の拾い方はLGS・PB数量拾い完全ガイド、天井下地の管理はLGS天井の数量拾いと施工管理術、壁と天井を組む順番は軽天工事の段取りにまとめています。

直張り(接着)工法は、接着材の間隔と乾燥日数を先に確認する

コンクリート等の壁に、せっこう系直張り用接着材でボードを直張りする場合の間隔は、表19.7.4で決まっています。下地は表面を清掃し、下地に適したプライマーで処理して乾燥させておきます(19.7.3(5))。

床上1.2m ボード周辺部:150〜200mm 床上1.2mを超える部分:250〜300mm 床上1.2m以下の部分:200〜250mm 盛上げ高さは仕上げ厚さの2倍以上
図1直張り用接着材の間隔の模式図(点は接着材。数の多さは例で、実際の間隔は表19.7.4の値)。標仕 令和7年版 19.7.3(5)による

直張り用接着材の盛上げ高さは、仕上げ厚さの2倍以上です。仕上げを行う場合は、ボードを張ったあと、仕上材に通気性がある場合で7日以上、通気性がない場合で20日以上放置します。接着材が乾燥して、仕上げに支障のないことを確かめてから、仕上げに入ります(19.7.3(5)(カ))。ボード屋さんの日程だけでなく、仕上げ屋さんの着手日までこの日数を見込みます。

20日以上

直張りのあと、通気性のない仕上げに入るまで置く日数
通気性のある仕上げなら 7日以上(標仕 19.7.3(5)(カ))
仕上げ屋さんの着手日まで、この日数を見込む

GL工法で石膏ボードを直貼りしているところ

写真GL工法で石膏ボード直貼り前のプライマー処理をしているところ(RC造の建物の現場)

継目と隙間は、工法と充填材を決めてからボードを張る

せっこうボードの目地工法は、継目処理工法、突付け工法、目透し工法の3つで、種類は特記です(表19.7.5)。継目処理工法は、テーパエッジとベベルエッジで塗り広げる幅が変わります。

エッジの種類中塗りの幅上塗りの幅
テーパエッジ150mm程度200〜250mm程度
ベベルエッジ400〜500mm程度500〜600mm程度

ジョイントコンパウンドはJIS A 6914によります。留め付けた小ねじの頭のくぼみも、ジョイントコンパウンドを塗って平らにします(19.7.3(6)(カ)(a))。ケイカル板の目地の幅や見切りはケイカル板の目地と見切りに書きました。

ボードの四周部と設備器具との取合い部の隙間には、適切な充填材を充填します(19.7.3(6)(カ)(b))。軽量鉄骨下地ボード遮音壁の遮音シール材は、JIS A 5758に基づくアクリル系、ポリウレタン系等のシーリング材か、ジョイントコンパウンドです(19.7.2(8))。どの種類を使うかは、コーキングの選び方で整理しています。

便器・洗面台の下地は、ボードだけで受けない

便器や洗面台は、ボードだけでは器具を固定できません。僕のメモには、小便器や洗面台の裏にはコンパネ(合板)を入れて設備の補強にする、と書いてあります。ここまでは多くの現場で同じです。

スタッド スタッド コンパネ ① コンパネで器具を受ける ② 配管の取出しは   補強の範囲に収める ③ ボードとの継ぎ目は   割れる前提で補修を考える
図2便器・洗面台の下地補強(正面から見た模式図。補強の高さと範囲は例ではなく、器具の施工図で決めます)

メモには、設備の配管は補強したところを狙って取り出す、とも書いてあります。補強の範囲と配管の位置がずれると、器具を付けるときに合わなくなります。補強を入れる前に、器具の型番と配管の取出し位置を設備屋さんに確かめます。壁の中の配管スペースは広くありません。

Konyの現場メモ

もう1つ、メモに強い字で書いてあるのが継ぎ目の割れです。ボードとコンパネの継ぎ目は、必ず割れると思っておいたほうがいい。補修するなら寒冷紗を伏せますが、ないよりはまし、くらいの位置づけです。最初から継ぎ目の割れを見込んだ納まりを、仕上げ屋さんと決めておくのが筋です。

標仕は、浴室、洗面所、便所、湯沸室、厨房等の湿気の多い箇所に使う小ねじ等を、ステンレス製とするとしています(19.7.2(3)(ウ))。水回りのコーキングは、標仕の表9.7.1でシリコーン系(防かびタイプ)の行です。種類の考え方はコーキングの選び方を見てください。

Q便所の壁にボードを張る。留める小ねじは?

  • Aほかの部屋と同じ物
  • Bステンレス製
  • C小ねじは使わず接着だけ
答えを見る

B 標仕では、浴室、洗面所、便所、湯沸室、厨房など湿気の多い所に使う小ねじ等はステンレス製です(19.7.2(3)(ウ))。

洗面台や便器の固定は、器具の荷重と使われ方に関わります。補強の厚みや範囲を現場の判断で決めず、設計図と施工図を確認して、構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

打合せに持っていく3つの質問

板と下地補強と充填材は、別々の業者が別の日に触ります。打合せで先に確認する項目を決めておくと、あとの食い違いが減ります。

1つ目は、その部屋の板が、防火材料として特記でどう指定されているかです。2つ目は、直張りか下地張りか、そして仕上げに入るまでの日数です。3つ目は、便器・洗面台の型番と配管の位置が決まっているかです。3つとも決まっていれば、板・留付け・補強はほぼ決まります。四周の隙間に何を詰めるかは、コーキングの記事の質問に続けて確認します。

防火材料その部屋の板の指定(特記)
張り方と日数直張りか下地張りか、仕上げまでの日数
器具と配管便器・洗面台の型番と配管の位置
3つとも決まっていれば、ボード・留付け・補強はほぼ決まる

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版19章7節 せっこうボード、その他ボード及び合板張り:19.7.2(材料・表19.7.1 ボードの規格)、19.7.3(工法・表19.7.2 留付け間隔・表19.7.4 直張り用接着材の間隔・表19.7.5 目地工法)
  2. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版14章 軽量鉄骨下地:14.4.3 表14.4.2(野縁の間隔)、14.5.3(2)(スタッドの間隔)
  3. Kony の現場メモ(2024年春・手書き)板の種類の特徴、便器・洗面台の下地補強。商品名・数値・単価は載せていません

この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。

基準の数値は版によって変わることがあります。実際の工事では、特記仕様書と最新版の基準、メーカーの資料を確認してください。

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