サッシ取付の手順と確認|アヒル・ぬすみ・水切りのシーリング

建具工事:サッシ取付の手順と確認|アヒル・ぬすみ・水切りのシーリング 15 建具工事

15 建具工事|施工中

  1. 段取り:—
  2. 施工中:この記事
  3. トラブル対処:—
ルー

型枠屋さんに「アヒルどうする?」って聞かれました。アヒルって、何かの合図ですか?

テツさん

サッシを留める金物だ。躯体に仕込んどかないと、あとでサッシ屋がアンカーを打つ羽目になるぞ。

ルー

サッシの話、もう型枠の段階から始まってるんですね。

Kony

そう。取付の当日より前に決まることが多いんだ。雨漏りさせた僕の失敗も入れて、順番に話すよ。

この記事で分かること

  • サッシ取付の手順が、図面の確定と躯体の段階から始まる理由
  • RC のアヒル(取付金物)とぬすみ、鉄骨造の外壁の割付と開口補強の下地で見るところ
  • 雨漏りさせないための、サッシまわりのシーリングの考え方

サッシ取付の手順は、サッシ屋さんが取り付ける日から始まるわけではありません。図面の確定、躯体に仕込む取付金物、ぬすみ(欠き込み)の寸法、外壁の割付と、取付の前に決めることが多い工事です。僕が RC と鉄骨造の現場で見てきたところを、順番に書きます。

サッシは納期が長い。取付の手順は図面の確定から始まる

サッシは納期がかかります。僕の現場では、工事が12月に始まるなら、10月には図面を確定して発注しておかないといけない、という感覚でした。図面確定の期限は、気づくと切れがちです。納期はメーカーや製品で変わるので、早めにサッシ屋さんに確かめてください。

  1. 図面の確定・発注
  2. 躯体:取付金物・ぬすみ
  3. 鉄骨造:割付・開口補強
  4. サッシ取付
  5. まわりのシーリング
  6. 取付後の確認
図1サッシ取付までの流れ(RC は2つ目、鉄骨造は3つ目が監督の出番)

RC のサッシ取付は、アヒルのピッチをサッシ屋さんに聞いて決める

RC のサッシは、躯体に仕込んでおく取付金物(現場ではアヒルと呼んでいました)に留めます。アヒルのピッチは、サッシ屋さんに聞いて決めます。

Konyの現場メモ

ある RC の現場では、結局ピッチが合わないということで、アヒルを入れませんでした。サッシ屋さんは取付のときに後からアンカーを打っていて、それが大変そうでした。ピッチは型枠の前に、サッシ屋さんと決めておくのがいいと思っています。

ぬすみと間口は、型枠の段階で寸法を確かめる

RC のサッシは、躯体のぬすみ(サッシを納めるための欠き込み)をよく確認します。特に水切りの所は、ぬすみが大きくなります。開口の間口も、寸法どおりかを確かめます。

床まわりも同じです。土間にサッシやシャッターのぬすみがある所は、そのままだと土間の厚さが足りなくなります。鉄筋も下げてもらわないと、大工さんのぬすみが納まりません。土間の段差がある所も同じなので、配筋の前に鉄筋屋さん・大工さんと位置を合わせておきます。

構造取付の前に見るところ話す相手
RCアヒル(取付金物)のピッチ、ぬすみの寸法(水切りの所は大きい)、間口の寸法、土間のぬすみと鉄筋の高さサッシ屋さん、型枠の大工さん、鉄筋屋さん
鉄骨造サッシの高さと外壁の割付、開口補強の下地の位置サッシ屋さん、外壁の職人さん、軽天屋さん
共通サッシまわりのシーリングを、どこに打って、どこに打たないかシーリングの職人さん、外壁の職人さん

鉄骨造のサッシ取付は、外壁の割付と開口補強の下地を一緒に考える

鉄骨造でサイディングの外壁なら、サイディングの割り付けはサッシの高さと一緒に決めます。先に決めておかないと、サッシ際の見え方が変わってしまいます。

ALC やサイディングの目地とサッシの位置が合っていないことに、張りながら気づいたこともあります。その時点ではサッシの位置はもう変えられず、材料も発注済みなので、大きくずらすのは難しい状態でした。下地の範囲でずらせる所だけ少しずらして、目地の通りがよく見えるように近づけました。

張り始めてから割付を言われても、サッシは動かせねえぞ。テツさん(職長)

内側では、サッシの墨を出すときに、開口補強の下地の位置を軽天屋さんに教えておきます。開口補強の材料や組み方は軽天工事の段取り|壁・設備・天井の順番と、吊りボルトで揉めない決め方に書いています。

サッシまわりのシーリングは「どこに打たないか」から考える

僕はサッシまわりのシーリングで、雨漏りをさせたことがあります。打った場所は、大きなサッシの上端の水切りの所で、サイディングとサッシ枠の間でした。サイディングの中に入った水の出口を、シールでふさいでしまったので、水の抜け道がなくなり、室内に雨が漏れました。

サイディング 水切り・サッシ枠の上端 サッシ 中に入った水 ここをシールで ふさいだ 出口がなく、室内側へ回った
図2僕が雨漏りさせたときの納まりの考え方(模式図・寸法は例。実際の納まりはサッシと外壁のメーカーの資料で確かめてください)

それからは、サッシまわり、特にサッシの下端は「そこに本当にシーリングを打たないといけないのか」を先に考えるようにしています。サッシの下端は水がたまりがちなので、どこに打つかを決めてから職人さんに頼みます。どこを開けておくかはサッシと外壁の納まりで変わるので、メーカーの納まり図と、外壁の職人さんの意見を聞いて決めてください。

シーリング材の種類や目地の寸法はコーキング(シーリング)の選び方|被着体と仕上げで決める種類と目地の寸法にまとめています。公共建築工事標準仕様書では、建具枠回りは三面接着としてよい目地に入っています(9.7.4(2))。

サッシ取付のあとに見るところと、撮っておく写真

取付が終わると、サッシの裏やまわりは仕上げで見えなくなっていきます。見えなくなる前の状態を写真に残しておきます。

サッシ裏に耐火ロックウールが詰められているのを確認した様子

写真1鉄骨造の店舗の現場で、サッシ裏の耐火ロックウールの詰めを確認したところ

サッシまわりの捨てシーリングの様子

写真2RC 造の共同住宅の現場で、サッシまわりに捨てシーリングを打ったところ(別の現場の例)

サッシ取付の失敗は、取付の日より前の段取りでほとんど防げます。RC ならアヒルとぬすみ、鉄骨造なら割付と開口補強の下地、どちらもシーリングは「どこに打たないか」から。この3つを型枠や下地の段階で話しておけば、取付の日に慌てずに済みます。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版9章 シーリング:9.7.4(2)(二面接着と、三面接着としてよい目地)

この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。

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