リベットルーフの施工手順|平場の機械的固定は5工程、監督が見る3点

リベットルーフの施工手順のアイキャッチ(防水工事・施工中) 13 防水工事

13 防水工事|施工中

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ルー

明日から屋上のリベットルーフを張るんですよね。施工手順はシートを敷いてディスクで留めるだけだし、見ているだけで済みそうです。

テツさん

敷くのは速いぞ。そのぶん継ぎ目とディスクの留めを見落とすと、あとから探すのがひと苦労だ。

ミサキさん

順番を知らないと、どこで手を止めて見ればいいかも分からないよね。張り終わってからでは見えない所ばかりだし。

Kony

見ているだけで済みそうな工程ほど、張り終わると見えなくなります。リベットルーフの平場の施工手順は5工程なので、止めて見る3か所を順に押さえましょう。

結論

  1. 平場は「絶縁シート→FL鋼板(塩ビ被覆の固定用鋼板)→IHディスク→シート敷設(重ね40mm以上)→接合」の順です(この製品の施工要領書)。
  2. 監督が手を止めて見るのは、①IHディスクの固定後(敷く前)②シートの接合後(口開きと3枚重ね部)③IHディスクの接合(始業前点検と不良の再接合)の3か所です。
  3. シートは横積みで3段以上積まず、溶剤類を指定数量以上、貯蔵所以外に置くなら消防の承認で10日以内です。施工範囲は原則立入禁止にします。

リベットルーフの機械的固定は「ディスクに熱で留める」工法

リベットルーフは、アーキヤマデ株式会社の塩ビ樹脂系防水シートです。同社は機械的固定工法を「アンカー固定工法」と呼んでいて、下地に先に固定したIHディスクにシートを熱で一体化させて留めます。メーカーの製品ページでは、IHディスクを設置・固定してからシートを被せ、誘導加熱装置でIHディスクを加熱すると、上面に積層された特殊接着剤が溶けてシートと一体化すると説明されています。

屋上の平場に塩ビシート(リベットルーフ)を張り終えたところ
写真1:平場に張り終えたリベットルーフ。表から見えるのはシートだけで、留めているディスクはシートの下にあります。

つまり、IHディスクで留める部分では、シートの上からビスを打たず、下から熱で一体化させます。名前に「リベット」と入っているので鉄骨の協力会社さんの出番かと思いきや、この工法で鋲を打つ工程はありません。名前で工種を決めると、朝礼で職長に二度見されます。

この製品の施工要領書では、IHディスクで留める工法の中でも、平場外周や役物まわりにはFL鋼板を専用アンカーで固定します。これとは別に、メーカーのよくある質問では、IHディスクのかわりに塩ビ被覆したFL鋼板を下地に固定し、FL鋼板とシートを溶融着で接合してシートを固定する「FLバー工法」や、シートの敷設後に上からFLディスクとアンカーで留めてディスクパッチをかぶせる「FLディスク工法」も紹介されています。どの工法を使うかは特記仕様書の防水欄の仕様で決まるので、着工前に確かめておきます。

下地(RC など) 絶縁シート(新築は省略可) IHディスク+アンカー 防水シート A 防水シート B 40mm以上 重ねた部分を溶剤溶着か熱融着で一体化
図1平場中央の層と部材の関係(模式図。外周のFL鋼板は描いていません。寸法は重ね幅のみ実際の値で、ほかは位置関係を示すだけです)。重ね幅はこの製品の施工要領書。

平場の施工手順は5工程。監督が止めて見るのは3か所

平場の順番は「絶縁シート→FL鋼板→墨出しとIHディスク→シート敷設→接合」です。この製品の施工要領書では、絶縁シートは新築なら省略でき、FL鋼板は平場外周や役物まわりに専用アンカーで固定し、鋼板どうしは3〜5mm空けて、すき間にFLテープを張ります。シートは重ね幅40mm以上で敷き、溶剤溶着か熱融着で接合します。絶縁シートを省略できる場合でも、特記仕様書で入れる指定があればそちらに従います。

断熱材の上に固定したIHディスク。継ぎ目にはテープが貼ってある
写真2:シートを敷く前に固定したIHディスク(この現場は断熱材の上に留める仕様)。敷くと見えなくなるので、ここが止めて見る1か所目です。

敷く前の下地の確認(強度・入隅と出隅・ふくれ)は、後半の「敷く前の段取り」にまとめました。

  1. 絶縁シートを敷く(新築は省略可)
  2. 平場外周や役物まわりにFL鋼板を専用アンカーで固定(鋼板どうし3〜5mm空けてFLテープ)
  3. 墨出ししてIHディスクを固定 → 止める①:固定後(敷く前)
  4. シートを重ね幅40mm以上で敷く
  5. 接合(シートどうし=溶剤溶着か熱融着、IHディスク=誘導加熱) → 止める②:シートの接合後/止める③:IHディスクの接合
図2平場の5工程と、監督が手を止めて見る3か所(色つきの工程)。順番はこの製品の施工要領書。シートどうしの接合とIHディスクの接合の前後は、施工要領書で確かめてください。

監督が手を止めて見るのは、①IHディスクの固定後(敷く前)、②シートの接合後(口開きと3枚重ね部)、③IHディスクの接合(始業前点検と不良の再接合)の3か所です。①はシートを敷くとディスクが上から見えなくなり、②③は次の工程に進むと直しにくくなります。どれも「次の工程が始まると見えなくなる所」なので、職長と朝のうちに「ここで一度声をかけてください」と決めておくと見落としません。

平場のほかに、役物まわり・立上り・端末・ドレンの工程がありますが、納まりの話になるのでこの記事では扱いません。その部分は、施工要領書の該当の項(役物・立上り・端末・ドレン)で確かめてください。

止める工程監督が見るもの施工要領書の値・決まり
―FL鋼板の固定鋼板どうしのすき間とFLテープ3〜5mm空けてFLテープ
①IHディスクの固定後(敷く前)墨出しどおりの位置に留まっているか墨出ししてから固定
―シートの敷設重ね幅40mm以上
②シートの接合後口開きがないか、3枚重ね部の段差チェック棒で口開きを確認、不備は熱融着で直す。3枚重ね部は熱融着
③IHディスクの接合装置の始業前点検、不良箇所始業前点検→所定時間加熱→速やかに圧着。不良は冷めてから再接合

シート接合部は「重ね40mm以上→口開き確認→3枚重ね」の順で見る

接合部で最初に見るのは重ね幅で、この製品の施工要領書では40mm以上です。接合したあとは、チェック棒(継ぎ目をなぞって開きを探す棒)で口開き(接合したはずの継ぎ目が溶着されずに開いている所)がないかを確かめ、不備があれば熱融着で直します。口開きの直し方として、シール材でふさいで済ませるのは施工要領書の方法ではありません。チェック棒の当て方は、施工要領書の図で確かめてください。

塩ビシートの重ね部にスケールを当てて重ね幅を確かめているところ
写真3:シートの重ね幅にスケールを当てて確かめた検査写真。数値は施工要領書の「重ね幅40mm以上」と照らします。

3枚重ねになる部分は、シートの段差がそのまま水みちになりやすい所です。施工要領書では、段差に水みちができないよう熱融着で処理することになっています。重ねの交点は数が多くても面積は小さいので、ここは一つずつ目で追います。

重ね幅は40mm以上か いいえ 職長と直してから接合 はい → 接合 チェック棒で口開きはないか ある 熱融着で直して再確認 ない 3枚重ね部は熱融着で処理済みか いいえ 熱融着で段差を処理 はい 次の工程へ
図3止める②(シートの接合後)の確認の流れ。値と直し方はこの製品の施工要領書。

メーカーの公開ページには、接合部は「溶着剤や熱風で溶融着して一体化」させ、「接合幅や溶融着の手法にも配慮」すると書かれています。公開資料では「配慮」の一言でも、現場で使う施工要領書では「40mm以上」「チェック棒で確認」「不備は熱融着」まで決まっています。カタログで分かった気にならず、施工要領書の接合のページを手元に置いて見るのが近道です。

IHディスクは「始業前点検」と「冷めてから再接合」の2つ

止める③のIHディスクの接合で見るのは、誘導加熱装置の始業前点検と、不良が出たときの直し方の2つです。この製品の施工要領書では、装置の始業前点検をしてから所定時間加熱し、速やかに圧着することになっています。加熱時間の数字は、施工要領書と装置の取扱説明書で確かめてください。

不良が出たときは、冷めてから再接合するのが施工要領書の決まりです。ディスクとシートが熱いうちにもう一度加熱したくなりますが、そこは待ちます。どのディスクを再接合したかは職長と数を合わせておくと、あとで探しやすくなります。印の付け方は施工要領書に従ってください。

敷く前の段取り:下地・材料の置き方・立入の決め方

屋上防水の前に、ドレンまわりの下地の乾き具合を水分計で測っているところ
写真4:防水の前に下地の乾き具合を測る(塩ビシートとは別の防水工事の現場)。乾き具合の基準は工法・メーカーの仕様で確かめます。

シートを敷く前に下地で確かめるのは、風圧に対する下地の強度と入隅・出隅の形です。この製品の施工要領書では、風圧荷重を算定して強度を確かめ、入隅は直角、出隅は3〜5mmの面取りとしています。改修で既存防水層にふくれがあれば、切開して平滑にしてから進めます。

構造に関わるところ

アンカーが効く下地か、風圧に対して固定が足りるかは構造の性能に関わります。現場監督の判断で済ませず、監理者に報告して、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

材料の置き方も施工要領書で決まっています。シートは横積みにして濡れないよう養生し、3段以上は積みません。接着剤・溶着剤・シール材は直射日光と雨を避けて保管します。

施工要領書では、接着剤・溶着剤・シール材は消防法の第4類危険物とされています。消防法では、指定数量以上の危険物を貯蔵所以外の場所に置くことは原則としてできず、所轄消防長か消防署長の承認を受けた場合に10日以内に限って仮に貯蔵できます。指定数量未満でも、市町村の火災予防条例で届出が要る場合があるので、屋上にまとめて上げる前に置く量を出し、所轄の消防署と元請の担当者に確かめておきます。

決めること決まり出典
シートの置き方横積み、濡れないよう養生、3段以上積まない施工要領書
接着剤・溶着剤・シール材直射日光と雨を避ける。第4類危険物施工要領書
指定数量以上の仮置き所轄消防長か消防署長の承認、10日以内法令:消防法10条1項ただし書
指定数量未満の置き方条例で届出が要る場合がある所轄の消防署に確認
施工範囲の立入全工事が終わるまで原則立入禁止施工要領書
やむを得ず使うとき養生シートの上に合板を敷いて通路を限る施工要領書

この製品の施工要領書では、防水の施工範囲は全工事が終わるまで原則立入禁止です。やむを得ず使うときは養生シートの上に合板を敷いて通路を限り、溶接時は防炎シートを使い、石油類・有機溶剤・塗料を使う作業はしません。可塑剤が移るおそれのある物や錆びる金属を長くシートに触れさせないことも決まっているので、屋上に設備の協力会社さんが入る日は、置いてよい物と場所を前日に伝えておきます。

安全に関わるところ

屋上での火気・溶剤の扱い、端部での作業の墜落防止は、元請の担当者・作業主任者に確認して、作業前に決めてから始めてください。

明日の朝礼までにやること

読み終えたら、次の3つを済ませておくと初日から迷いません。

  1. 施工要領書の「接合部の確認方法」と「IH装置の始業前点検」のページに付箋を貼る。
  2. 職長と、止める①②③で声をかけてもらうタイミングを決める。
  3. 屋上に上げる溶剤類の量を出し、置き場と届出の要否を元請の担当者と確かめる。

よくある質問

リベットルーフはどこのメーカーの製品ですか?

アーキヤマデ株式会社の塩ビ樹脂系防水シートです。同社は機械的固定工法を「アンカー固定工法」と呼んでいます。

シートの重ね幅は何mmですか?

この製品の施工要領書では40mm以上です。製品や仕様で変わることがあるので、使う製品の施工要領書で確かめてください。

口開きを見つけたら、シールでふさいでいいですか?

施工要領書では、不備は熱融着で直すことになっています。直したあとはもう一度チェック棒で確認します。

IHディスクの接合がうまくいかなかったら、すぐ加熱し直していいですか?

施工要領書では、冷めてから再接合することになっています。始業前点検をした装置で、所定時間加熱して速やかに圧着します。

溶剤は屋上に何日置いておけますか?

指定数量以上を貯蔵所以外に置くなら、所轄消防長か消防署長の承認を受けて10日以内です。指定数量未満でも、少量危険物として市町村の条例で届出が要る場合があるので、置く量を出して所轄の消防署に確認してください。どちらの場合も、施工要領書の保管方法(直射日光と雨を避ける)は守ります。

参考にした基準・資料

  1. アーキヤマデ株式会社「リベットルーフ防水工事施工要領書」(メーカーの施工要領書・手元資料。版・頁は確認中):アンカー固定工法の平場、接合部の確認、IHディスクの接合、下地、保管、施工中の管理の各項
  2. アーキヤマデ株式会社「塩ビ樹脂系防水シート リベットルーフ」製品ページアンカー固定工法・接合部の説明(閲覧日 2026-10-28)
  3. アーキヤマデ株式会社 よくある質問「FLディスク工法、FLバー工法はどのような工法ですか?」(閲覧日 2026-10-28)
  4. 消防法(昭和23年法律第186号)第10条第1項ただし書(e-Gov法令検索、閲覧日 2026-10-28)

施工要領書の数値は製品・版によって変わることがあります。実際の工事では、特記仕様書と使う製品の最新の施工要領書を確認してください。

この記事の確認日:2026年10月28日

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