竣工前1か月の段取り|検査から逆算して手直し・撤去・美装を並べる

検査・竣工:竣工前1か月は検査から逆算する 23 検査・竣工

23 検査・竣工|段取り

  1. 段取り:この記事
  2. 施工中:—
  3. トラブル対処:—
ルー

竣工まで、あと1か月ですね。残りの工事を急げば、検査には間に合いますか?

テツさん

工事の終わりから数えるな。検査の日から、逆に数えるんだ。

ルー

検査って、僕らが見て回るやつだけじゃないんですか?

テツさん

会社の検査も、設計の検査も、消防もある。日が別々に決まって、手直しの日が消えるんだよ。

Kony

最後の1か月は、工事の1か月じゃなくて、検査と手直しの1か月です。検査の日から逆算して、順番に並べていきましょう。

この記事で分かること

  • 社内・設計・消防など、検査の日を先に決める順番と、聞く相手
  • 検査の前に終わらせる屋外の撤去(仮囲い・足場・産廃)の判断
  • 内装の手直しと美装(清掃)・備品の搬入をぶつけない並べ方

竣工前の1か月は、工事ではなく検査から数える

竣工前の1か月に、新しい工事はほとんど増えません。増えるのは、検査、手直し、撤去、清掃、引渡しの準備です。工事の残りだけを数えて「あと3週間あるから大丈夫」と思っていると、検査の日に手直しが残ります。

この記事は、僕の現場メモ(鉄骨造の店舗新築)と、よくあるケースを分けて書きます。メモにあることは「僕のメモには」、メモにないことは「よくあるケースとして」と書いています。

手書きのメモを見返すと、最後の1か月に何度も出てくる言葉は、社内検査、消防の検査、産廃の引取り、仮囲いや足場の撤去、備品の搬入、駐車場の舗装でした。工種の名前ではなく、段取りの名前ばかりです。

▽ 検査の日 外部の撤去内装の手直し美装(清掃)備品の搬入 検査の直前に
図1検査の日から逆に並べた、最後の1か月の順番(模式図。棒の長さは順番を示すだけで、日数の例ではありません)

まず、検査の日と見る人を並べる

よくあるケースとして、竣工前の検査は1回ではありません。自社の検査、設計事務所(監理者)の検査、消防の検査、建築の完了検査が、それぞれ別の窓口で別の日に決まります。社内検査、設計の検査、消防の検査が、別々の予定として書いてあります。

先にやるのは、手直しの工事ではありません。検査の日を、見る人ごとにカレンダーへ書くことです。次の表の「その前に済ませること」を、検査の日から逆に数えて決めます。

検査見る人その前に済ませること(よくあるケース)
社内検査自社の検査担当手直しの一覧表を自分で先に潰す。見落としは、ここで出し切る
設計(監理)の検査設計事務所の監理者契約図面・承認図・施工写真をすぐ出せる状態にする。指摘は日付つきで記録する
消防の検査消防署消防設備の試験・点検の記録をそろえ、設備業者の立会いを頼む
建築の完了検査確認検査機関など確認済証など、提出する書類をそろえる。検査の日程は監理者に確認する

検査の名前や回数は、公共工事か民間工事かで変わります。種類と日程は、契約図面・特記仕様書と監理者の指示で決まるので、先に監理者に聞きます。

検査から逆算した1か月のタイムライン

目安として、4週間前から検査の前日までを5つに分けます。週の数は現場の規模で変わるので、「何をどの順で決めるか」を持ち帰ってください。

時期(目安)やること先に話す相手
4週間前検査の日程を、社内・設計・消防・確認検査機関の順に確認して、壁のカレンダーに書く監理者・消防署・社内の検査担当
3週間前屋外の撤去の順番(仮囲い・足場・産廃BOX・仮設事務所・駐車場の舗装)の確認協力会社・産廃業者・施主
2週間前内装の手直しを洗い出し、部屋ごと・業者ごと・日ごとの表を1枚にする各職長・設備業者
1週間前手直しを閉める日、美装(清掃)の入る日、備品の搬入の日を確定する美装業者・施主
検査の前日・当日通しで確認する。鍵・書類・図面を机の上に出しておく検査の立会い者

ポイントは、手直しの表を1枚にまとめることです。職長ごとに手直しを聞いていくと、同じ部屋に3つの業者が入る日が出ます。表が1枚あれば、部屋ごとに誰がいつ入るかが見えます。

屋外仮設の撤去は、検査の前

最後の1か月は、仮囲い、外部の足場、産廃の引取り、仮設事務所撤去、駐車場の舗装など、屋外の段取りが重なります。

迷うのは「撤去する順番」です。外装の手直しが残っているのに足場を先に外すと、もう一度組むことになります。逆に、足場や仮囲いが残ったままだと、完了検査を受けれません。

外部の手直しは、検査前に全部終わるか? はい いいえ 足場は残す 解体前の外装を、写真で残したか? はい いいえ 先に撮る 足場の解体日を決める
図2足場を検査の前に外すかどうかの判断(模式図。日数や寸法の基準を示すものではありません)

安全と構造に関わるところ

足場の解体は、組むときと同じように、計画と有資格者の作業が前提です。組んだ後の高さで失敗した話は 棚足場の失敗|組んだ後の高さと、天井を貫く縦地の直し方 に書きました。解体でも同じで、先に監理者と協力会社と順番を決めます。防水や耐火、構造に関わる手直しが残っているときは、現場監督の判断で進めず、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

内装は「手直し、美装、備品」の順に、部屋ごとに閉める

内装は、手直しが終わった部屋から美装(清掃)に渡します。清掃の後に手直しが入ると、もう一度掃除です。この順番を崩さないために、部屋ごとに「閉める日」を決めて、閉めた部屋には職人さんを入れません。

  1. 手直し
  2. 部屋を閉める
  3. 美装(清掃)
  4. 備品の搬入・器具付け
図内装は部屋ごとにこの順で閉める。閉めた部屋には職人さんを入れない(備品の順番は施主と美装業者に先に聞く)

僕のメモには、床の研磨の間は立入禁止にする日が書いてあります。部屋を閉める日は、他の業者にも前もって伝えておく必要があります。

清掃のあとに手直しが入ったら、もう一度掃除よ。ミサキさん(先輩監督)

もう1つ、メモにはこう書いてあります。「キッチンをつける前に、化粧ケイカル板を先に見ておくべき」。機器を付けてしまうと、その裏や際は見えなくなります。ボードの目地や見切りを貼る前に決める話は ケイカル板の目地と見切り|6mmと3mmの決め方、先に貼る場所 に書きました。竣工前の最後の確認でも、「機器が付く前に見る場所」を段取りに入れておきます。

備品の搬入や器具付けは、よくあるケースとして美装の後に回します。ただ、先に入れたほうが清掃が1回で済む物もあります。順番は内容によって判断となります。美装業者や備品取付業者を相談してもいいでしょう。設備と内装の取り合いで揉めない順番は 軽天工事の段取り|壁・設備・天井の順番と、吊りボルトで揉めない決め方 に書いたので、あわせて読んでください。

引渡しの書類・鍵・保証書は、検査の前に机へ集める

検査が終わると、気持ちが抜けて、書類が後回しになります。保証書の宛名や住所、鍵の本数と番号、完成図書に載せる図面、施工写真の整理は、検査の前に机の上へ出しておきます。

FIELD NOTE検査の前に机へ

保証書の宛名・住所を確かめる

→ 鍵チェック(本数・番号)

→ 図面作成(完成図書)

→ 施工写真の整理

引渡しの後に「色がイメージと違う」と言われたときの動き方は 完成後に「色がイメージと違う」と言われたら|増し張りで直す判断と納まり に書きました。こういう指摘を減らすのは、竣工前に施主と一度いっしょに見て回る段取りです。

準備物チェックリスト(印刷して使う)

竣工の4週間前に一度通します。現場によって要らないものは消して使います。

  • ☐ 検査の日程(社内・設計・消防・確認検査機関)をカレンダーに書いた
  • ☐ 検査ごとの立会い者と、その前に済ませる内容を表にした
  • ☐ 手直しの一覧表(部屋ごと・業者ごと・日ごと)を1枚にした
  • ☐ 外部の撤去の順番(仮囲い・足場・産廃・駐車場のライン)を決めた
  • ☐ 足場の解体前に、外装の写真を撮る日を決めた
  • ☐ 美装(清掃)の入る日と、部屋を閉める日を決めた
  • ☐ 備品の搬入・器具付けの日を、施主と美装業者に伝えた
  • ☐ 機器が付く前に見ておく場所(見切り・際・裏)を洗い出した
  • ☐ 保証書の宛名・住所、鍵、完成図書の図面、施工写真をまとめる日を決めた

竣工前の1か月は、検査の日から逆に数えると、決めることが少なくなります。手直し、撤去、清掃、書類の順番を先に壁へ貼っておくだけで、最後の週に慌てる回数が減ります。次の現場でも、検査のカレンダーを最初に書いてください。

参考にした基準・資料

  1. この記事は段取りの話で、基準の数値は使っていません。Konyの現場メモ(鉄骨造の店舗新築)と、よくあるケースに基づいています。

この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。

検査の種類・日程・提出書類は、特記仕様書と、監理者・消防署・確認検査機関の指示を確認してください。

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