コンクリートの打継ぎ位置と処理|見切り・防水・仕上げから決める

コンクリート工事:コンクリートの打継ぎ位置と処理|見切り・防水・仕上げから決める 10 コンクリート工事

10 コンクリート工事|施工中

  1. 段取り:コンクリート打設の段取り
  2. 施工中:この記事
  3. トラブル対処:雨と猛暑の日の打設判断
ルー

土間の区画割り、とりあえず真ん中で半分に分けておきました。打継ぎって、どこに入れても同じですよね?

ミサキさん

その位置、どの基準で決めたの? 特記に指定がないかは見た?

ルー

……見てません。

Kony

打継ぎは、特記と、仕上げ・防水・見切りの位置から決めるんだ。順番に見ていこう。

この記事で分かること

  • コンクリートの打継ぎ位置を、特記・標準仕様書・仕上げの順に決める考え方
  • 土間の打継ぎを目立たせない位置と、防水の下に打継ぎを入れたくない理由
  • 打設中に生コンが止まったときの考え方と、打継ぎ目地のシーリング

コンクリートの打継ぎ処理と位置は、打設の日の都合で決めるものではありません。構造の決まり、仕上げの見え方、防水の性能が全部かかわるので、打設計画の段階で決めておきたい所です。この記事では、打継ぎの位置の決め方と、打継ぎ目地の扱いを書きます。

打継ぎの位置は特記で決まる。なければ標仕の位置を基本に監理者と決める

公共建築工事標準仕様書では、打継ぎの位置は特記によります。特記がなければ、次の位置が基本です(令和7年版 6.6.4(1))。

部位特記がないときの打継ぎの位置
梁・スラブスパンの中央、または端から1/4付近
柱・壁スラブ・壁梁・基礎の上端

構造に関わるところ

打継ぎの位置は、構造の性能に関わります。現場の都合だけで決めず、監理者に報告して、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

打設計画で打継ぎ位置を決める流れはコンクリート打設の段取り|2週間前から前日までに決めることに書いています。

土間の打継ぎは、見切り・沓摺りの位置に合わせると目立たない

土間の打継ぎは、仕上げると見えてきますし、そこが割れやすくもなります。そういう所には、見切りやアングルを入れることがあります。

僕は土間を、壁ごと、または何部屋かをまとめて区切っていました。サッシの見切りや沓摺りの位置で打ち継ぐと、打継ぎの跡が目立ちません。機能を落とさずに、きれいに納まる位置を選ぶのが基本の考え方です。

沓摺り サッシの見切り 区画1 区画2 区画3 点線=打継ぎ。壁・沓摺り・見切りの位置にそろえる
図1土間の打継ぎを、壁・沓摺り・見切りの位置にそろえる考え方(模式図・区画は例。位置は構造設計者・監理者の指示による)
土間コンクリートの打設の様子
工事名
●●●工事
工種
コンクリート工事
内容
土間 コンクリート打設状況

写真1土間コンクリートを打っているところ(写真は鉄骨造の店舗の現場)

防水をする所には、打継ぎを入れたくない

打継ぎの位置は、防水をする所には入れたくありません。土間なら見切りを入れる場所で打ち継ぐなど、防水の性能を落とさない位置を選びます。

塗る系・吹付け系の防水の下にコンクリートの打継ぎがあると、そこが割れて、防水が追従できないと僕は考えています。打継ぎがどうしても入るなら、シート防水やアスファルト防水に変える、という考え方もあります。ただ、僕は自分でやったことはないので、防水の種類を変えるかどうかは、防水の職人さん・メーカーと監理者に相談して決めてください。

防水の下の打継ぎは、計画の段階で相談してほしいわね。ミサキさん(監理者)

打継ぎ処理を省くと、解体のときに分かる

打継ぎ処理をしていない、ということは、今の現場ではあまりありません。ただ、建物を解体するとき、打継ぎ処理が何もされていないコンクリートどうしは、そこでとても肌別れしやすいです。打継ぎ面の処理は、建物を解体するときまで残る仕事です。

打設前に打継ぎ面の処理を写真に残しておく話は打設当日に監督が見るところ|受入・打重ね・締固め・養生に書いています。

打設中に生コンが止まったら、途中で打継ぎにできるか

打設の途中で生コン車が来なくなると、「ここで打ち継ぐか」を迷います。僕の考えは、中途半端な位置で打継ぎの処理はできない、ということです。だから、まず時間を確かめます。

  1. どれだけ空いたか
  2. 練混ぜから打込み終了までの限度を確かめる
  3. 工場から現場までの所要時間を聞く
  4. 続けるか、監理者と打止め位置を決める
図2打設中に生コン車が空いたときに確かめる順番

公共建築工事標準仕様書では、練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温25℃以下で120分以内、25℃を超えると90分以内です(令和7年版 6.6.2)。同じ区画で打ち重ねる時間の間隔の限度は、先に打ったコンクリートの再振動ができる時間以内です(6.6.3(8))。

真夏に生コン車が40分空いたとき、僕は打ち重ねの部分をしっかりバイブレーターで締め固めれば大丈夫だと判断して、続行しました。これは僕の経験での判断で、もっと空くと厳しくなります。続けるか、どこで打ち止めるかは、現場監督だけで決めず、監理者に報告して指示を仰いでください。雨や暑さで止めるときの考え方は雨と猛暑の日の打設判断|中止・続行の決め方と止め方にまとめています。

打継ぎ目地のシーリングは、仕上げの有無で材料を変える

打継ぎに目地を設けてシーリングを打つときは、公共建築工事標準仕様書の表で材料が決まっています。コンクリートの打継ぎ・ひび割れ誘発目地は、仕上げなしなら PS-2(ポリサルファイド系)、仕上げありなら PU-2(ポリウレタン系)です(令和7年版 9.7.2 表9.7.1)。

目地の寸法は、特記がなければ、打継ぎ目地・ひび割れ誘発目地で幅20mm以上・深さ10mm以上です(9.7.3)。シーリング材の選び方の全体はコーキング(シーリング)の選び方|被着体と仕上げで決める種類と目地の寸法に書いています。

打継ぎは、打設の日に決めると後悔しやすい所です。特記と標仕で構造の決まりを押さえ、そのうえで土間なら見切り・沓摺り、屋上やバルコニーなら防水を見て位置を決める。迷ったら、構造設計者・監理者に早めに相談してください。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版6章:6.6.2(練混ぜから打込み終了までの時間)、6.6.3(8)(打重ね時間間隔)、6.6.4(1)(打継ぎの位置)/9章:9.7.2 表9.7.1(シーリング材の種類)、9.7.3(目地寸法)

この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。

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