07 地業工事|施工中
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砕石、全部敷き終わったそうです。明日は捨てコンなので、今日はもう見なくていいですよね?
敷き終わってから高いだの低いだの言われても、もう転圧しちまってるぞ。見るなら今のうちだ。
……レベル、持ってきます。
砕石の高さと捨てコンの天端は、このあと墨も鉄筋も全部乗ってくる「床」なんだ。見るタイミングから整理しよう。
この記事で分かること
- 捨てコンの役目と、砕石地業の高さを「敷き終わる前」に見る理由
- 砕石の高さが1cm違うと、捨てコン・土間の数量がどれだけ変わるか
- 捨てコンへの墨出しと、ピット・杭頭まわりで捨てコンを下げるときの考え方
捨てコンと砕石地業は、基礎や土間の下に隠れて見えなくなる工事です。だからこそ、高さが狂ったまま進むと、捨てコンの数量、墨出し、鉄筋のかぶりと、後の工程が全部引きずられます。この記事では、僕が砕石と捨てコンのときに何を見ているかを、順番に書きます。
捨てコンは墨と鉄筋の「床」。厚さは図面で、役目は基準の面
捨てコン(捨てコンクリート)は、構造の強さを受け持つコンクリートではありません。床付けした地盤や砕石の上に薄く打って、墨を出す面、型枠や鉄筋を据える面をつくるためのものです。厚さや範囲は設計図・特記で決まるので、まず図面で確かめます。
新人のころに勘違いしやすいのが、かぶり厚さとの関係です。公共建築工事標準仕様書では、直接土に接する部分のかぶり厚さに、捨てコンの厚さは含みません(令和7年版 表5.3.6 注3)。土に接する基礎の最小かぶり厚さは60mmで、これは捨てコンの上から測る寸法です(表5.3.6)。杭基礎の場合、基礎の下端筋のかぶり厚さは杭の天端から取ります(同 注4)。

- 工事名
- ●●●工事
- 工種
- 地業工事
- 内容
- 基礎地中梁 捨てコン打設
写真1基礎地中梁の掘削底に捨てコンを打っているところ(S造の店舗の現場)
砕石地業の高さは「敷き終わる前」に、全体を見て確かめる
砕石は、思ったより高さが狂いやすい材料です。僕は砕石が終わってしまう前に、職人さんの仕上がりとは別に、自分でもレベルで高さを見ています。1点ずつの合否より、全体として高いのか低いのかをつかむのが目的です。
全体の傾向が分かれば、捨てコンを打つときに少し多めに頼んでおくか、そのままでいいかを判断できます。土間の配筋がある所なら、なおさらです。前日に気づいても手直しが間に合わないので、直せるタイミングで見に行きます。
Konyの現場メモ
土間の配筋があるなら、下の砕石がちゃんと敷けているか、高さがいいかを先に見ます。前日に確かめるのでは遅いので、手直しができるタイミングで見に行くのが僕のやり方です。
- 床付け
- 砕石の途中で全体の高さを見る
- 転圧・敷き終わり
- 捨てコンの数量を決めて打つ
- 捨てコンに墨出し
砕石が1cm違うと、捨てコン・土間の数量はどれだけ変わるか
「1cmくらい」と思いがちですが、面積が広い現場では大きな差になります。たとえば1,000m²の土間で、砕石の天端が全体に平均1cm低かったとすると、上に乗るコンクリートは次の量だけ増えます。
面積1,000m²で、砕石の天端が平均1cm低い場合1,000m² × 0.01m = 10m³
生コン車で数台分の差になる(数字は計算の例)
さらに、コンクリートは砕石の隙間に少し食い込みます。僕は土間のコンクリートを、図面から拾った数量より少し多めに見るようにしています。拾い方そのものはコンクリートの数量拾い|捨てコン・基礎地中梁・スラブの拾い方と打設への使い方に、土間の打設当日の段取りは土間コンクリートの打設計画|1日150m³を打ち切る時刻表と打つ順番に書いています。
最後の1台が足りねえってのが一番困るんだ。高さは早めに教えてくれ。テツさん(職長)
| いつ | 何を見るか | なぜ |
|---|---|---|
| 砕石を敷いている途中 | 全体として高いか低いか(レベルで数点) | 敷き終わって転圧した後では直しにくい |
| 捨てコンの発注前 | 砕石の高さの傾向から、数量を少し多めにするか | 面積が広いと1cmの差が大きな数量になる |
| 捨てコンの打設後 | 天端の高さと、墨を出せる面になっているか | 墨・型枠・鉄筋の基準の面になる |
| ピット・杭頭まわり | 鉄筋の形に合わせて捨てコンを下げてあるか | 鉄筋が納まらず、かぶりが取れなくなる |
捨てコンの墨出しは、トランシットをなるべく近くに据える
捨てコンを打つと、いよいよ墨出しです。掘削した後の捨てコンに墨を出すときは、地上から掘削底を見下ろす形になります。トランシットはなるべく近い所に据えたいので、掘削の前から「どこに据えて、何を見るか」を考えておきます。
現場がこれからどうなっていくかを予測しておかないと、据えたい場所に山留めや重機が来て、見通しが取れなくなります。墨出し全体の進め方は墨出しの進め方|外周から決めて、柱と鉄筋を照合してから出す、器械の据え方はオートレベルとトータルステーションの据え方|測る前の段取りにまとめています。
ピット・杭頭まわりの捨てコンは、鉄筋の形に合わせて下げておく
ピットがある所は、土間の鉄筋が斜めに折れ下がって入ります。僕の現場では、鉄筋屋さんがピットまわりの鉄筋を組んで持ってくる段取りだったので、捨てコンも鉄筋の形に合わせて逃げを取り、45度に下げて打ちました。どれだけ逃げるかは、鉄筋屋さんと相談して決めました。
杭がある現場では、杭頭の中のコンクリートを、基礎の配合で捨てコンのタイミングに打ったこともあります。杭頭まわりの鉄筋の納まりは、杭頭補強筋の納まり検討|杭工事中に柱・梁の鉄筋と重ねて描くで、杭を打っている間に描いておくと、捨てコンの形も早めに決められます。
構造に関わるところ
ピットまわりの鉄筋の形やかぶり厚さ、杭頭の処理は構造の性能に関わります。捨てコンの形を変えるときも、現場監督の判断で済ませず、監理者に報告して、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。
Q土に接する基礎の下端筋。最小かぶり厚さ60mmは、どこから測る?
- A捨てコンの下(砕石の上)から測る
- B捨てコンの上から測る
- Cどちらでもよい
答えを見る
B 直接土に接する部分のかぶり厚さに、捨てコンの厚さは含みません(標仕 表5.3.6 注3)。捨てコンの上から60mm以上を確保します。
砕石と捨てコンは、終わってしまえば誰も見ない所です。だからこそ、敷いている途中に高さを見て、捨てコンを打つ前に数量と形を決めておく。その一手間で、墨出しと鉄筋の日が楽になります。
参考にした基準・資料
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版5章:5.3.5(1) 表5.3.6(最小かぶり厚さ)と注3(捨コンクリートの厚さを含まない)・注4(杭基礎の下端筋のかぶりは杭天端から)
この記事は、僕が現場で聞いたこと・やってきたことを書きためたメモをもとにしています。一つの現場での例なので、思い違いもあるかもしれません。基準の数値は資料で確かめて書いていますが、実際の工事では設計図・特記仕様書・メーカーの資料を優先し、監理者に確認してください。
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