コンクリートの数量拾い方|基礎・スラブ・デッキ・階段の計算例と計算ツール

結論

コンクリートの数量は、部位ごとに「断面積×長さ」か「面積×厚さ」で出して、最後に足します。差が出るのは式ではなく重なりの扱いです。国の公共建築数量積算基準では、基礎→柱→梁→床板(スラブ)→壁→階段の順に、先の部分を優先して拾い、あとの部分は内法(うちのり:部材の内側から内側までの寸法)で拾います。鉄筋の体積は引かず、1か所0.5m²以下の開口も原則として引きません。デッキスラブは、基準ではなくメーカーの値を使い、全厚ではなく「デッキ上の厚さ+溝の平均厚さ」で拾います。そして、拾った数量と工場に注文する量は別物です。建築の積算基準に注文の上乗せ率(ロス率)の決まりはないので、現場の実績で決めます。ページの下に、部位を足していくと台数と試験回数まで出る計算表を置きました。

ルー

所長に「基礎の生コン、何立米か拾っといて」と言われました。縦×横×高さで出せばいいんですよね?

テツさん

その数字で、打設の日に生コン車を何台呼ぶか決めるんだぞ。足りなきゃ待ち、余れば残コンだ。

Kony

式は簡単なんだ。差が出るのは、部位の重なりと食い込み、それと部位ごとに小分けしておくかどうか。順番に見ていこう。

現場でやらかした話

基礎・地中梁は形が複雑なぶん、見落とし・抜け・ダブりが出やすく、すぐ生コン車1〜2台分くらい計算が狂います。僕も拾った数量を信じすぎて、最後の1台で生コンを余らせたり、足りなくしたりしました。そのときの話と、今のやり方は記事の後半の「Konyの現場メモ」に書いています。

部位ごとの寸法を入れるだけで、合計と生コン車の台数の目安まで出せる計算ツールを置いています。

コンクリート数量計算 →

コンクリート数量の拾い方の手順

  1. 図面(構造図・施工図・特記仕様書)をそろえ、寸法の凡例を確かめる
  2. 打設の区画・通り芯で範囲を区切る
  3. 基礎→柱→梁→床(スラブ)→壁→階段の順に拾う(重なりは先の部材でもらう)
  4. 0.5m²を超える開口を引き、フカシ・増し打ちなど施工図だけにある量を足す
  5. 切り方を変えてもう一度足し、検算する
  6. 注文量・生コン車の台数・試験回数に直す(下の計算表)

コンクリートの数量拾いの大切さ

※この記事は建築施工管理1~3年目を対象に執筆しています。

建築施工管理7年目のKonyです。

現場所長や先輩からこのコンクリートの数量拾っといてと言われドキっとしたことはありませんか?

まず普段から忙しく写真整理や安全書類をまとめたりとしていたらなかなか数量拾いの時間とれないですよね。

コンクリートの数量拾うのなんて簡単です。縦×横×高さ。です。

だからこんな情報を見にこの記事に来てくれたわけはないと思います。

ここではコンクリート数量拾いの図面の読み方、数量拾いのコツ、ここってどうすれば?とつまづきやすいところをしっかり解説していきます!

ちなみに大体の数量は分かるから打設中の調整で何とかしようはNGです。

とりあえず次で数量を拾うことで事前に段取りできること、メリットをお伝えします。

コンクリート数量拾いをしたら当日楽になる

まず数量を拾うことでわかることがあります。

・本当にその日に打ち終えれる数量なのか。

まずはこれです。

その前にポンプ車の選定、台数、生コン車が2台付けできるのかどうかで変わってきますが、

ポンプ車×1台、生コン車×1台で基礎地中梁を打設するとします。

生コン車の入れ替えも加味して1台10分ペースで打てるかなという想像ができます。

そうすると数量がもし300㎥だった場合300÷4=75 生コン車75台

75台×10=750分=12.5 となり12.5時間もかかるなと想像できます。

朝7:00から打設開始して昼休憩もなしとしても19:30までぶっ通しとなります。

これはなかなかきついので2工区に分けようといった検討も必要なレベルです。

コンクリート受入れ試験

また構造体の打設の際は必ず『受入れ試験』というものが必要となります。

スランプコーンを使ったり、テストピースを取ったりするあれです。

この試験、テストピースも制約があり、

打ち込む工区毎、打ち込む日毎、かつ1回の打設量が150㎥以下にほぼ均等に3個の供試体を作成します。

というのがあります。

※ 受入れ試験の回数の決まりは、公共建築工事標準仕様書(令和7年版)6.9.3・表6.9.2 で確かめています。打込み日ごと・打込み工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごとに1回、1回の試験は供試体3個です。

ということは300㎥ぴったりなら2回、300㎥を超えてしまうと3回となりぎりぎりなところとなります。

こうなったら僕の場合びたびたに拾って280㎥なら2回で済むな、それを超えていたら一応3セット目も試験取れる準備をお願いすると思います。

全体数量だけでなく部位ごと、通り芯ごと等の数量も拾っておく

これも大事なことで当日焦らないための工夫となります。

基礎地中梁なら基礎、地中梁、地中柱ごとに数量を把握していたら最後の調整が格段に楽になります。

スラブでもこの柱の通り芯まで来たらあと何立米(何㎥)だなとわかります。

部位別のコンクリートの拾い方:捨てコン・基礎・地中梁

前置きが長くなりましたがここからは場所別でコンクリートの拾い方を解説していきます。

捨てコン(均しコン)

まずは捨てコン!最近は均しコンということも多いようですが。

ここでの注意点は2つ。

  1. 幅はいくらにしたらいいの?
  2. 砕石への食い込みは考えなくていいの?

です。

1つずつ見ていきましょう。

幅 についてですがここでは地中梁の捨てコンを想定します。

まず捨てコンの役割は主に型枠を立てる下地、墨出しのため、不陸調整のため こんなところだと思います。

この中で幅に関係してくる部分は型枠の下地になるという点です。

ということは型枠の構成が分かっていないといけません。

上記の写真を見てもらえばわかると思うのですが

  • コンパネ:12.5mm
  • 桟木60mm

合計72.5mmとなります。

なのでふつうは余裕をみて100mm梁面から余分に捨てコンを幅広に打ちます。

両幅+100mmずつなので梁幅が300mmなら500mmで計算でOKです。

次に 食い込み についてです。

捨てコンの下には砕石を敷いていると思います。

砕石は空隙があるためそこに入る生コンの量も加味しておきましょう。

大体数量×1.05で食い込みの量を見込めると思います。←何気に結構大事です。

基礎地中梁

次にいよいよ躯体の最重要部分です。

大事なことは3つです。

  1. 梁、基礎、柱をダブらせて計算しない
  2. 施工図の読み方に注意
  3. 部位ごとに計算結果を書いておく

以上です。

下の図面を参考にしながら1つずつ解説していきます。

基礎の範囲を書き込んだ基礎伏せ図

梁、基礎、柱をダブらせて計算しない

なんとなくわかるとは思いますが特に基礎と梁の接続部は重なる部分があるため注意しましょう。

僕は梁をズバッと計算して重なり部分を引くことが多いです。

基礎梁と基礎が重なる部分を示した基礎伏せ図

断面図で見たらこの部分です。忘れないように注意です。

基礎伏せ図の一部を拡大した図

ざっと計算してみました。

こんな感じで計算し、梁と基礎の重なりもしっかり引いていきます。

打設は基礎から打っていくはずなので僕は基礎勝ちで拾っています。

現場に持っていく図面は計算過程まで書いていたら見にくくなるので結果の数量のみでいいかと思います。

Konyの現場メモ

基礎・地中梁は形が複雑なぶん、拾い間違いが一番出やすいところです。見落とし・抜け・ダブりが1つあるだけで、すぐ生コン車1〜2台分くらい計算が狂います。

施工図の読み方

次に施工図の読み方です。

ここでは基礎と梁の施工図での書き方に注意です。

上の施工図のように基礎、梁ごとに記号が書いてあると思います。

書いてある内容が何かというと

基礎伏せ図の凡例

ちゃんと下の方に凡例が書いてあります。

ここで梁や基礎の幅や高さ関係だったりが分かります。

図面によって書き方が違うと思いますがおおよそこんな感じだと思います。

よく見て勘違いのないように注意しましょう。

スラブ・梁・柱・壁の拾い方:積算基準の「さきの部分」ルール

上で「僕は基礎勝ちで拾っています」と書きました。実はこの考え方は、国土交通省の公共建築数量積算基準(令和5年改定)にそのまま書いてあります。躯体は「基礎、柱、梁、床板、壁、階段及びその他」に分けて、この順番で拾い、重なるところは先に来る部分を全部拾い、あとの部分を先の部分に「接続」させて拾う決まりです。

各部分の計測・計算は、第1章第2節の躯体の区分の順序に従い、その接続は原則として「さきの部分」に「あとの部分」が接続するものとして計測・計算する。

公共建築数量積算基準 第4編 第2章 第2節(令和5年改定)

たとえるなら、重なるところは順番が先の部材がもらい、あとの部材は残りだけをもらう、というルールです。基礎と地中梁なら基礎が先なので基礎を全部拾い、地中梁は柱・基礎の間の内法で、基礎と重なる部分を除いて拾う。梁と床なら梁が先なので、床は梁に囲まれた内側の面積で拾う。誰が拾っても同じ数字になるように、順番で決めてあるわけです。部位ごとにまとめると、こうなります。

部位拾い方(積算基準)現場で気をつけること
基礎独立基礎は設計寸法による体積(基礎の底から、柱や地中梁とつながる面まで)。地中梁(基礎梁)は断面積×基礎・柱の間の内法の長さ。べた基礎などの底盤は、盤厚×基礎・地中梁などに接する内法面積地中梁が基礎に食い込んでいる部分は、基礎で拾っているので地中梁から引く。基礎の上面より上にある地中梁は、地中梁で拾う
柱断面積×長さ。基礎柱は独立基礎の上面から基礎梁の上面まで。最下階は基礎梁の上面から直上階の床板の上面まで、各階は床板の上面から上の階の床板の上面まで柱の長さに床の厚さが入る。基礎柱の拾い忘れに注意
梁断面積×柱(小梁は大梁)に接する内法の長さ床を梁の内側で拾うので、結果として床と重なる部分は梁に入る
床板(スラブ)板厚×梁などに接する内法面積。柱との取り合い部分は引かない梁の上に乗る部分は床で拾わない。柱と床の取り合いは小さいので、二重になっても引かない決まり
壁壁厚×柱・梁・床板などに接する内法面積開口は内法×厚さを引く。ただし1か所0.5m²以下の開口は引かない
階段段スラブ・踊場などの板厚×内法面積段の三角形の部分を忘れない(下の計算例)
捨てコン面積×厚さ(第3編 砂利地業等)。図面に書いていなければ、躯体の側面から0.1m広げた寸法で拾う上の節の「梁面から100mmずつ広く」と同じ考え方。砕石への食い込みは、設計数量(図面どおりの体積)には入らないので、注文のときに見込む
鉄筋・細い配管コンクリートから引かない鉄骨鉄筋コンクリートの鉄骨は、7.85tを1.0m³として換算して引く
端数計算は小数点以下第2位まで。内訳書に載せる数量は、第2位を四捨五入して第1位まで部位ごとの数量も第2位まで書いて残す
表1 部位ごとの拾い方(公共建築数量積算基準 令和5年改定 第1編・第3編・第4編から要約。民間工事でも、拾いの順番をそろえるのに使える)

数字を入れると、こんな感じです(数字は例です)。

  • スラブ:梁の内側が10m×10m、厚さ150mm → 100m²×0.15m = 15.00m³
  • 立上り:長さ40m、厚さ200mm、高さ600mm → 40×0.2×0.6 = 4.80m³(0.5m²を超える開口があれば、その分を引く)
  • 勾配のある土間:厚い側200mm・薄い側150mm → 平均の厚さ=(0.20+0.15)÷2=0.175m。面積100m²なら17.50m³

形が複雑なところは、四角に近いかたまりに分けて拾い、最後に足すとミスが減ります。なお、この順番は「ダブらせないため」のルールです。打設の管理に使うときは、同じ数字を打設の区画や打ち継ぎの高さで集計し直すと、当日「あと何m³か」が分かります。

もう一つ、積算基準どおりに拾っても合わないのが、施工図にだけ出てくる量です。フカシ(仕上げのための躯体の増し)、増し打ち、ピットや釜場、段差の部分は、上乗せの率ではなく、拾いそのものに入れます。施工図と設計図を見比べて、増えている部分を拾い足してください。

デッキスラブの拾い方:全厚×面積では多すぎる

鉄骨造の床でよく使うデッキスラブは、拾い方で数量が大きくずれやすい部位です。積算基準にはデッキの溝の扱いの決まりがないので、メーカーの値を使います。溝(山と谷)のあるデッキ(QLデッキなど)は、下が山と谷の形なので、谷にしかコンクリートが入りません。図面の全厚×面積で拾うと、山の部分まで生コンを数えてしまいます。

メーカーは、溝の中のコンクリートを平らにならした厚さ(溝の平均厚さ、Sa)を出しています。JFE建材の「QLデッキ設計マニュアル」(2026年8月)では、QL99-50が23.3mm、QL99-75が36.3mmです。数量は次の式で出せます。

デッキスラブの数量 = 面積 ×(デッキ上の厚さ S + 溝の平均厚さ Sa)

S=デッキの山の上からスラブ上端までの厚さ(全厚−山の高さ)。メーカーのスラブ自重の式「(S+Sa)×γ(コンクリートの単位体積重量)+デッキ重量」のうち、コンクリートの部分を体積にしたもの

100m²、QL99-75、デッキ上の厚さ80mm(全厚155mm)数量
全厚×面積で拾った場合0.155×100 = 15.50m³
「全厚の95%」で拾った場合15.50×0.95 = 14.73m³
(S+Sa)×面積で拾った場合(0.080+0.0363)×100 = 11.63m³
表2 デッキスラブの拾い方の違い(計算例)

「デッキは全厚の95%くらい」という覚え方を見かけることがありますが、この例では、100m²あたり3m³ほど多くなります。生コン車がほぼ1台、行き先をなくす計算です。上面が平らなフラットデッキ(床型枠用のデッキ)は、デッキの上がすべてコンクリートなので、面積×デッキ上の厚さで拾います。どちらも、使う品番のカタログの値で確かめてください。なお、S+Saは設計数量です。デッキや梁のたわみで実際の量は増えることがあるので、注文はこれより少し多めになります。

階段の拾い方:斜めの板と、段の三角形に分ける

階段は、斜めの板(段スラブ)と、その上に乗る段の三角形に分けると、すっきり拾えます。踊場は床と同じで、面積×厚さです。蹴上げは1段の高さ、踏面は1段の奥行きのことです。

例:幅1.2m、蹴上げ180mm×12段、踏面250mm、段スラブの厚さ150mm計算
斜めの長さ水平3.0m(0.25×12)、高さ2.16m(0.18×12)→ √(3.0²+2.16²)≒ 3.70m
段スラブ(斜めの板)3.70×0.15×1.2 ≒ 0.67m³
段の三角形0.18×0.25÷2×12段×1.2 ≒ 0.32m³
踊場(1.2m×1.2m)1.2×1.2×0.15 ≒ 0.22m³
合計約1.21m³
表3 階段の計算例(踏面12枚として計算。実際は、いちばん上の段が踊場や床になって踏面が1枚少ないことが多いので、図面の枚数で数える。段スラブの厚さは、斜めの板に直角に測った厚さ)

階段は量が少ないぶん、生コン車1台の端数に効きます。スラブと一緒に打つなら、スラブの数量に足してから最後の車を決めます。

拾った数量は、打設の段取りと答え合わせに使う

拾った数量は、生コン工場への注文と、ポンプ車・生コン車の段取りにそのまま使います。最初の節で書いたとおり、1日で打ち切れるか、受入れ試験を何回取るかも、この数字から決まります。工区や部位ごとの数量は、打設の順番と一緒に打設計画に書き込んでおくと、当日「あと何立米か」がすぐ分かります。

Konyの現場メモ

拾った数量を信じすぎて失敗したこともあります。「あと何m³入るはずだから」と最後の生コンを決めたら、余って1台帰ってもらうことになったり、足りなくて職人さんみんなに「あと30分待ってください」と謝ることになったり。今は、打ち終わった面積と出た量から残りを出し直して、それを参考に最後の台数を決めています。

打設が終わったら、納品書の合計と拾った数量を比べておくのがおすすめです。差が食い込み・型枠のはらみ・拾い漏れのどれから来たかを見ておくと、次の現場で自分の拾いのクセが分かります。打設当日の流れはコンクリート打設の段取りにまとめています。

生コンの注文数量の決め方:ロス率(上乗せ)・台数・試験回数

拾った数量は、図面どおりに作ったときのコンクリートの体積(設計数量)です。工場に注文する量は、そこに現場で消える分を足したものになります。では何%足せばいいのか(いわゆるロス率)。建築の公共建築数量積算基準は図面どおりの数量の決まりで、注文の上乗せ率は決めていません。土木の積算(標準歩掛)には工種ごとのロス率がありますが、これは費用を計算するための値です。結局、注文の上乗せは現場の実績で決めることになります。

一方で、工場側の量には決まりがあります。生コンのJIS(JIS A 5308:2024 箇条6)は、荷卸し地点での容積が、納入書に書いた容積を下回ってはならないとしています。つまり、足りなくなる原因は、たいてい現場の側にあります。

  • 捨てコンや土間の、砕石への食い込み
  • 型枠のはらみ(側圧でふくらむ分)
  • ポンプ車と配管の中に残る分
  • 拾い漏れ・ダブり(これは上乗せではなく、拾い直しで直すもの)

捨てコンの食い込みは、上の節で書いたとおり数量×1.05くらいで見ています。最後の数台は上のメモのとおり、打設中に残りを出し直して決めます。上乗せを大きくして安心を買うと、あとで残コンという請求書が届きます。率を悩むより、納品書の合計と拾った数量の差を毎回記録しておくほうが、次の現場で効きます。

コンクリート数量の計算表

部位を足していくと、合計、注文の目安、生コン車の台数、受入検査(強度試験)の回数、打設時間の目安まで出ます。最初の節の「300m³なら75台、12.5時間」の計算も、この表でできます。

コンクリート数量の計算表(部位ごとに足して、台数と試験回数まで)

寸法はm、厚さはmmで入れます。重なる部分をどちらで拾うかは、先に決めておいてください(上の「さきの部分」のルール)。最初に入っている行は例です。

上乗せ・1台の量・打設時間は、工場や現場の実績で決める値です。初期値は計算の例として入れているだけです。

拾ったあとの検算:別の切り方で、もう一度足す

同じ順番で拾い直すと、同じところで同じ間違いをします。検算は、切り方を変えるのがコツです。部位ごとに拾ったなら、次は通り芯ごと・工区ごとに足してみる。合計が合えば、ダブりと抜けはかなり減ります。もう一つの方法は、平均の断面×総延長のような大づかみの計算と比べることです。ケタ違いの間違いがすぐ見つかります。積算書の数量があるなら、部位ごとに並べて比べ、大きく違う部位だけを見直します。

1級建築施工管理技士を目指すなら、受験資格から合格後までの流れを先に確かめておく。

全体の手順を読む →

コンクリートの数量拾いでよくある質問

コンクリート1トンは何m³ですか?

普通コンクリートは1m³あたり約2.3〜2.4トンなので、1トンは約0.42〜0.43m³です。構造計算でよく使う単位体積重量は、普通コンクリートの無筋で23kN/m³、鉄筋コンクリートで24kN/m³で、23kN÷9.8≒2.35トンになります(川崎市「建築構造設計基準」表4.2など)。実際に使う生コンの重さは、配合計画書の各材料の単位量(kg/m³)を足すと分かります。

鉄筋の体積はコンクリートから引きますか?

引きません。公共建築数量積算基準では「鉄筋及び小口径管類によるコンクリートの欠除はないものとする」とされています。引くのは、鉄骨鉄筋コンクリートの鉄骨(7.85tを1.0m³として換算)と、0.5m²を超える開口です。

小さな開口やスリーブは引きますか?

積算基準では、開口部の内法の見付面積が1か所0.5m²以下なら、原則として引きません。設備のスリーブのような小さな開口は、引かずに拾うのが基準の考え方です。

デッキスラブは全厚の何%で拾えばいいですか?

%で覚えるより、「面積×(デッキ上の厚さ+溝の平均厚さ)」で拾うほうが確実です。溝の平均厚さはメーカーのカタログにあり、たとえばQL99-75なら36.3mmです。全厚の95%で拾うと、溝の深いデッキでは多くなりすぎます。

セメント25kgで、コンクリートは何m³できますか?

配合で変わります。1m³あたりのセメントの量(単位セメント量)で25kgを割ると出ます。たとえば単位セメント量が300kg/m³の配合なら、25÷300で約0.08m³です。生コンの場合は配合計画書に、自分で練る場合は使う配合に、単位セメント量が書いてあります。

数量は小数点以下何桁まで出しますか?

公共建築数量積算基準では、計算の長さ・面積・体積は小数点以下第2位までです(内訳書の数量は第1位まで)。部位ごとの数量も第2位まで出して残しておくと、検算のときに合わせやすくなります。

まとめ

コンクリートの数量拾いは、式だけなら小学校の算数です。差が出るのは、重なりをどちらで拾うか、デッキの溝や階段の三角形を忘れないか、そして拾った数量と注文する量を分けて考えられるか。この3つです。

順番は積算基準の「さきの部分」に合わせ、部位ごと・工区ごとの数量を残しておく。打設が終わったら納品書と比べて、自分のクセを記録する。これを2〜3現場続けると、「何立米か拾っといて」と言われても、もうドキッとしなくなります。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省「公共建築数量積算基準」(令和5年改定)第1編 総則(端数)、第3編 第2章(捨コンクリート)、第4編 第1章・第2章(躯体の区分の順序、「さきの部分」「あとの部分」の接続、鉄筋・開口の扱い、柱・床板・壁・階段の数量)
  2. 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版6.9.3・表6.9.2(構造体コンクリートの強度の試験:打込み日ごと・打込み工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分割した単位ごと。1回の試験は供試体3個)
  3. JFE建材「QLデッキ設計マニュアル」(2026年8月)付3 デッキプレート溝中のコンクリート平均厚さ(Sa):QL99-50 23.3mm、QL99-75 36.3mm。付4 スラブ自重の式
  4. 川崎市「建築構造設計基準」(令和2年7月)表4.2 コンクリートの単位体積重量(普通コンクリート 23・鉄筋コンクリート 24・鉄骨鉄筋コンクリート 25 kN/m³)
  5. JIS A 5308:2024「レディーミクストコンクリート」箇条6 容積:荷卸し地点での容積は、納入書に記載した容積を下回ってはならない

この記事の確認日:2026年10月20日。基準は版によって変わることがあります。実際の工事では、設計図・特記仕様書・最新版の基準を優先し、監理者に確認してください。記事中の計算は、考え方を示すための例です。

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