打設3日前の夕方、詰所で。ルーが土間コンクリートの数量拾いを終えて、生コン工場に出す注文の数字を見せに来ました。
結論
- 土間コンクリートの数量拾いは「設計の厚さ×梁や基礎に接する内法面積」で体積(m³)を出し、1か所0.5m²を超える開口だけを引きます。鉄筋・配管などの小口径管・0.5m²以下の開口は引きません。
- 生コンの台数は「注文量÷工場に確認した1台の量」。ただし砕石の高さがずれると入る量もずれるので、砕石の段階で高さを測って注文量に反映し、最後の数台は残りの範囲を見て決めます。
- ワイヤーメッシュとスタイロフォームは面積を1枚の面積で割らず、重ね継手(1節半以上かつ150mm以上)と切れ端の使い道まで割付図に描いて、枚数で拾います。
内法20m×10mで厚さ150だから30m³です。ぴったり30m³で頼んでおきました!
掛け算は合ってるね。ピットの開口は引いた?
あっ……。じゃあ排水マスも配管も、全部引き直します。
全部は引かないよ。小さいものは引かないって積算基準で決まってる。
それより砕石の高さだな。下が低けりゃ、その分だけ生コンが食われる。
30.00m³と小数点まで揃うと安心するけど、砕石はその桁を知らないんだ。拾い方から台数、メッシュまで順番に話すね。
土間コンクリートの数量拾いは「厚さ×内法面積」から始める
土間コンクリートの数量は、設計の厚さと、梁や基礎に接する内法の面積を掛けた体積(m³)で拾います。公共建築数量積算基準には「土間コンクリート」という名前の項目はないので、この記事では床板(スラブ)の計り方に合わせます。床板の数量は「設計寸法による板厚と梁等に接する内法面積とによる体積」で、柱との取り合いの部分は引きません。(積算基準 第4編第2章第2節 2(4))
寸法の単位はm、端数は四捨五入で、長さ・面積・体積は小数点以下第2位までにそろえます。基準でいう数量は、原則として設計図書の寸法から求めた「設計数量」です。切り無駄や施工上やむを得ない損耗を含んだ「所要数量」とは分けて書かれていて、コンクリートの通則も設計寸法による体積になっています。(積算基準 第1編 2 基本事項(2)(4)(6))
つまり、拾った数字そのものには「余裕」は入っていません。何をどれだけ足して注文するかは、基準ではなく現場の判断になります。その判断の材料をそろえるのが、このあとの話です。
引くもの・引かないもの
新人がいちばん迷うのが「穴や配管の分を引くか」です。積算基準の答えは、表1のとおり意外と少なく、引くのは大きな開口くらいです。小口径管類については、径が何mm以下かという定義は基準にありません。迷う大きさの管が通るときは、どう扱うかを社内か監理者と先に決めておきます。
| 欠けているもの | 扱い | 積算基準の箇所 |
|---|---|---|
| 鉄筋 | 引かない | 第4編第2章第2節 1通則(1)2) |
| 配管・CD管などの小口径管類 | 引かない | 同上 |
| 開口(ピット・点検口・マスなど)1か所0.5m²以下 | 引かない | 1通則(1)4)、床板は2(4)1)でこれによる |
| 開口 1か所0.5m²を超える | 内法寸法×厚さの体積を引く | 同上 |
| 柱との取り合い | 引かない | 2(4)1) |
厚さが変わる所は、別の行で拾う
拾いを1行の「面積×厚さ」で済ませると、厚さが違う所が抜けます。サッシやシャッターのぬすみ(欠き込み)がある所は、そのままだと土間の厚さが足りなくなり、鉄筋も下げてもらわないと納まりません。土間の段差も同じで、厚さが変わる範囲は面積と厚さを別の行に分けて拾います。
土間排水の側溝(レインシューター)の所は、僕の現場では底のコンクリートだけを先に打ち、底の部分で土間の厚さ分を必ず確保していました。先に打つ分は別の打設になるので、数量も別の行にしておくと注文を分けやすくなります。側溝まわりの段取りはレインシューターの施工にまとめています。
基礎・地中梁と土間を同じ日に打つときは、取り合いのダブりにも気をつけます。基礎・地中梁は形が複雑なぶん、見落とし・抜け・ダブりがあると、すぐ生コン車1〜2台分くらい計算が狂います。基礎や地中梁の拾い方はコンクリートの数量拾い方(基礎・スラブ)で順番に書いています。
土間コンクリートの計算例:200m²・厚さ150で生コンは何台?
内法20,000×10,000、厚さ150の倉庫の土間で計算すると、設計数量は29.78m³になります(寸法は説明用の例です)。床にはピットの開口が1か所、排水マスが1か所、CD管が通っているものとします。図1が平面と断面、表2が拾いの行です。
| 行 | 式 | 数量 |
|---|---|---|
| 土間(内法) | 20.0 × 10.0 × 0.15 | 30.00m³ |
| ピット開口(1.44m²>0.5m²) | −1.2 × 1.2 × 0.15 | −0.22m³ |
| 排水マス(0.16m²≦0.5m²) | 引かない | 0 |
| CD管・配管 | 引かない | 0 |
| 設計数量 | 30.00 − 0.22 | 29.78m³ |
ルーの「30m³」との差は0.22m³で、ここだけ見れば誤差の範囲です。台数は、注文量を工場に確認した1台あたりの量で割って出し、割り切れない分が最後の1台になります。1台に何m³積むかは工場・車の大きさ・道路の条件で変わるので、この記事では数字を決め打ちしません。本当に効いてくるのは、次の節の砕石の高さです。
部位を行で足していく計算は、コンクリート数量計算ツールでもできます。部位ごとの寸法と、割増し、1台あたりの量を入れると、合計と台数の目安が出ます。割増しと1台の量は自分の現場の値を入れてください。
図面どおりに入らない理由:砕石の高さで数量はずれる
拾いと実際の量がずれる一番の原因は、下の砕石の高さです。積算基準では、砕石地業も「設計図書による面積とその厚さとの積による体積」で、上に乗る土間も設計の厚さで拾います。(積算基準 第3編第2章第2節 2(5))基準の上では、砕石の天端は図面どおりの高さにあることになっています。
でも現場の砕石は、高さが狂いやすいものです。図1の断面のように砕石の天端が平均で10mm低いと、土間は150ではなく160の厚さになり、200m²なら200.00×0.01=2.00m³多く入ります。面積が1,000m²なら10.00m³で、平均1cmの違いだけで量が大きく変わります。さらにコンクリートは砕石に少し潜っていくので、僕は土間を拾った数量より少し多めに見ています。
だから、砕石の高さは早めに自分で確かめます。敷き込みと転圧が全部終わってから「やり直して」と言うのは酷なので、途中の段階でレベルを据えて一度見ておき、基準の高さがGLからかFLからかも計算して間違いがないようにしています。全体が高いのか低いのかが分かれば、捨てコンや生コンを少し多めにしたほうがいいかを先に判断できます。確認の順番は捨てコンと砕石地業の確認に書いています。
高さが狂うなら、捨てコンは高いより低いほうが無難です。捨てコンが高いと鉄筋も高くなり、土間なら天端の鉄筋のかぶりが少なくなり、構造体の厚みも薄くなります。土に接するスラブの最小かぶり厚さは、特記がなければ40mmで、捨コンクリートの厚さは含みません。(標仕 表5.3.6・注3)かぶりの確かめ方は土間コンクリートのかぶり厚さへどうぞ。
土間のワイヤーメッシュの拾い方:重ね継手まで割付図に描く
土間のワイヤーメッシュは、面積を1枚の面積で割らず、重ね継手を入れた割付図を描いて枚数で拾います。溶接金網はJIS G 3551によるもので、鉄線の径や網目の寸法は特記で決まります。重ね継手は「1節半以上、かつ、150mm以上」です。(標仕 令和7年版 5.2.2・5.3.4(6) 図5.3.4)
重ねは設計図に載っていることもありますが、僕は基本は仕様書の数値で見ています。網目100mmなら1節半は150mm、網目150mmなら225mmで、こちらは150mmより長くなります。「150だけ覚えておけばいい」と思っていると、網目の大きいメッシュで重ねが足りなくなるので、網目と一緒に覚えておきます。
計算例の20,000×10,000に、網目150mm・2,000×4,000のシート(説明用の寸法)を重ね225で割り付けたのが図2です。1枚目は4,000、2枚目からは重ねの分だけ進みが短くなり、横は3,775ずつ、縦は1,775ずつ進みます。横6列・縦6段になり、6列目は幅1,125の細いシートで足ります。
| 拾い方 | 枚数 | 結果 |
|---|---|---|
| 面積÷1枚の面積(200÷8) | 25枚 | 重ねの分が抜けて足りない |
| 割付図を描き、切れ端は使わない(6×6) | 36枚 | 余る |
| 割付図を描き、6列目を切れ端でまかなう(30+2) | 32枚 | 図面どおり敷ける |
面積で割った25枚と、割付図の32枚の差は7枚です。これは重ねの分がそのまま消えた量で、面積で拾うと必ず足りない側に外れます。僕は図面に描きながら拾うのがいちばん確実だと思っています。CD管はメッシュを敷く前に仕込んでおくとやりやすく、通し方は電気屋さんの範囲ですが、順番は知っておくと段取りが組めます。
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メッシュ割付ノート
図面をなぞるだけで、ワイヤーメッシュ・CDメッシュの割付、切断図、枚数・トン数・スペーサー数まで出せるWebツールを作りました。土間やスラブのメッシュを拾うときに使ってください。
スタイロフォームと防湿シートも「割付」で拾う
土間下のスタイロフォーム(押出法ポリスチレンフォーム)も、m²だけで拾うと外れます。切った残りは、ほかの場所にはめられるからです。面積だけで拾うと多すぎたり、逆に切りむだが出て足りなくなったりするので、僕は一度図面に割り付けを描いて「この切れ端はこっちに使える」と見ながら拾っています。
考え方はワイヤーメッシュと同じで、柱や地中梁で欠ける所、ピットの立上り、段差の際に、どの切れ端を回せるかを図に書き込みます。
防湿シートは、重ね幅で必要な量が変わります。重ね幅は標仕で250mm程度、厚さは特記がなければ0.15mm以上です。(標仕 令和7年版 4.6.2(4)・4.6.5(2))僕は150mmだと思い込んでいて、標仕を見直して250mmだと分かりました。重ね方と補修の話は土間の防湿シートの重ね幅にまとめています。
シートは地中梁に掛けて立ち上げる分も要ります。職人さんには、梁に掛けた分は少し多めに埋め込ませ、梁の上でくるくる丸めて留めておくよう伝えています。言わないと長く垂らしてシートを無駄にして、拾った数量が合わなくなることがあるからです。
最後の1台で困らない:注文と当日の調整
拾った数量は、注文して終わりではなく、打設の日まで使い続ける数字です。打設の前に、僕はいつも協力会社さんに送る数量表を作っています。ガードマンの手配も、左官さんに数量を伝えるのも打設前の段取りで、左官さんの押さえに時間がかかると、夜まっ暗になって押さえができなくなることがあります。
数量は試験の回数も決めます。標仕では、受入れの強度試験は打込み日・工区ごと、かつ150m³以下にほぼ均等に分けた単位ごとに1回です。(標仕 6.9.3 表6.9.2)僕の現場では155m³の土間でこれを超えるのが分かっていたので、監理者と相談してテストピースを2セット採り、受入検査は6回に分けて行いました。150m³を超える日の時刻表は土間コンクリートの打設計画で紹介しています。
当日は、最後の数台の量を拾いのまま頼まないことです。残りの量は、まだ打っていない範囲の面積×厚さで出し直せます。一度に打ち切れない土間は、打ち止めの所にコン串を入れて区切ります(コン串の使い方)。
現場でやらかした話
拾った数量を信じすぎて、「あと何m³入るはずだから」と最後の生コンを調整したことがあります。そのせいで生コンが余って1台帰ってもらうことになったり、逆に足りなくて、職人さんみんなに「あと30分待ってください」と謝ることになったりしました。
コンクリート工事は段取り8割で、人・物・時間・天気まで前日までに8〜9割決めておけば、当日は楽になります。その中に「余らない・足りない」の数量計算をしっかり入れておくことです。生コンの手配から前日の確認までの流れはコンクリート打設の段取りにまとめています。
よくある質問
Q. 土間コンクリートの計算式は?
体積(m³)=厚さ(m)×内法面積(m²)です。厚さ150mmなら0.15を掛けます。1か所0.5m²を超える開口は内法寸法×厚さで引き、厚さが違う範囲は別の行で拾います。
Q. 土間の生コンは何台必要?
注文量を、生コン工場に確認した1台あたりの量で割ります。1台の量は工場・車・道路の条件で変わるので、決め打ちせずに工場に聞きます。割り切れない分が最後の1台になるので、当日は残りの範囲を見て量を決めます。
Q. 土間のワイヤーメッシュの重ね代は?
公共建築工事標準仕様書では、溶接金網の重ね継手は1節半以上、かつ150mm以上です。網目150mmなら1節半は225mmになります。設計図や特記に指定があれば、そちらに従います。
Q. 土間コンクリートのロス(割増し)は何%見ればいい?
積算基準のコンクリートの数量は設計寸法による体積で、鉄筋(所要数量は設計数量の4%増が標準)のような割増しの率は書かれていません。何%足すかは会社や現場のルールで決まります。僕は率よりも先に、砕石の高さを測って足りるかどうかを見ています。
数量が出たら、いくらになるかも。生コン・ワイヤーメッシュ・砕石のいまの相場と値動きを、建材相場ボードにまとめています。
生コンの相場を見る →参考にした基準・資料
- 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築数量積算基準」令和5年改定(令和5年3月29日 国営積第8号)。第1編 総則 2 基本事項(2)(4)(6)、第3編 第2章 第2節 2(5) 砂利地業等、第4編 第2章 第2節 1 通則(1)・2(4) 床板、第4編 第3章 1 通則 9)。閲覧日 2026-10-28
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版。4.6.2(4)・4.6.5(2) 床下防湿層、5.2.2 溶接金網、5.3.4(6) 図5.3.4 溶接金網の継手(PDF 38頁)、表5.3.6 最小かぶり厚さ(PDF 39頁)、6.9.3 表6.9.2(PDF 62頁)。確認日 2026-10-02〜2026-10-25
特記や設計図に指定がある場合は、そちらが優先します。構造に関わる厚さ・かぶりの判断は、構造設計者・監理者に確認してください。
この記事の確認日:2026-10-28
- 打設の日の時刻表土間コンクリートの打設計画(1日150m³の時刻表)
- 拾いの前に高さを見る捨てコンと砕石地業の確認
- 基礎・スラブも拾うコンクリートの数量拾い方(基礎・スラブ)

