このページでできること
- 鉄筋の種類・Fc・呼び名を選ぶと、定着と重ね継手の長さを「40d=760mm」の形で出します。
- 一緒に出るのは、同じ条件の D10〜D41 の一覧と、使った標仕の表の番号・ページです。
- 表に値がない組み合わせ(SD490 など)は数字を出さず、確かめる先を案内します。
図面の「40d」が何mmになるのか、配筋検査の前にその場で確かめたいときに使ってください。無料・登録不要で、入力した内容はどこにも送りません。
鉄筋の定着・重ね継手の長さ計算機公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の表で計算
上から選ぶと、すぐ下に「◯d=◯◯mm」と、D10〜D41 の一覧が出ます。入力した内容はどこにも送りません。
値は、国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」(2025年5月12日改定版)から写しています。長さは表5.3.2・表5.3.4・表5.3.5、フックの形と継手の位置は表5.3.1・表5.3.3 です。日本建築学会の JASS 5 の値は使っていません。工事では構造図・特記仕様書の値が優先です。構造・安全にかかわる判断は、構造設計者・監理者に確認してください。表の確認日:2026年11月4日。標仕の PDF(国土交通省)
表の値は、国土交通省の「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版から写しました。日本建築学会の JASS 5 は使っていません。工事では構造図・特記仕様書の値が優先なので、計算機の数字は図面と照らす目安として使ってください。まずは、長さがどう決まるのかを表で見ていきます。
鉄筋の定着長さ・重ね継手長さは「倍数×d」で決まる
定着の長さも重ね継手の長さも、標仕の表で「d の何倍か」を引き、呼び名の数値 d を掛けて mm にします。倍数は、鉄筋の種類とコンクリートの設計基準強度 Fc で変わります。
d は鉄筋の実測の太さではなく、呼び名に使う数値です(標仕 5.3.2(3))。たとえば SD345・Fc24・D19 の L1 は 40d なので、40×19=760mm になります。
L1・L2・L3 の違いは「どこに定着するか」
L1・L2・L3 は、定着する場所で分けた直線定着の長さです。末尾に h が付く L1h・L2h・L3h は、同じ場所にフックを付けて定着するときの長さです。
| 記号 | 何の長さか(標仕の決まり)と、SD345・Fc24・D19 の例 |
|---|---|
| L1 | L2・L3 以外の、ふつうの直線定着(表5.3.4 注1) 例:40d=760mm |
| L2 | 割裂破壊のおそれのない箇所への直線定着。どこが当たるかは構造図・特記で確認(注2) 例:35d=665mm |
| L3 | 小梁とスラブの下端筋の直線定着。小梁は 20d、スラブは 10d かつ 150mm 以上、片持ちは 25d。基礎耐圧スラブと、それを受ける小梁は除く(注3) 例:小梁 20d=380mm/スラブ 10d=190mm |
| L1h・L2h | L1・L2 と同じ場所の、フックありの定着。フック部分は含まない(注5) 例:L1h 30d=570mm/L2h 25d=475mm |
| L3h | 小梁の下端筋の、フックありの定着。スラブの欄は「─」(注4) 例:10d=190mm |
| 重ね継手 L1・L1h | 鉄筋どうしを重ねる長さ(表5.3.2)。耐力壁は 40d と比べて大きい方、柱・梁の主筋は特記による(5.3.4(3)) 例:L1 40d=760mm/L1h 30d=570mm |
| La・Lb | 折曲げ定着の投影定着長さ(表5.3.5)。フックありの定着の長さが取れないときに使う(5.3.4(5)(イ)) 例:La 20d=380mm/Lb 15d=285mm |
柱・梁の主筋の重ね継手は、標仕では「特記による」とだけ書かれています。特記がないときの長さは決められていないので、構造図の特記を先に見てください。耐力壁の重ね継手は、特記がなければ 40d(軽量コンクリートは 50d)と表5.3.2 の値の大きい方です。
フックありの長さは、フック部分を含めない
直線定着は、定着起点から鉄筋の先までが長さになります。フックありの定着は、定着起点からフックの曲げ始めまでが長さで、フック部分 l は含めません(図5.3.2)。
フックの形そのもの(折曲げの内法直径と余長)は、表5.3.1 で別に決まっています。計算機でフックありを選ぶと、呼び名ごとの内法直径と余長も一緒に出ます。
標仕の倍数の一覧(SD295・SD345・SD390)
計算機に入れている倍数を、そのまま表にしました。L3・L3h は、どの種類・Fc でも同じ値です。
| 種類 | Fc | L1 | L2 | L1h | L2h |
|---|---|---|---|---|---|
| SD295 | 18 | 45d | 40d | 35d | 30d |
| SD295 | 21 | 40d | 35d | 30d | 25d |
| SD295 | 24・27 | 35d | 30d | 25d | 20d |
| SD295 | 30・33・36 | 35d | 30d | 25d | 20d |
| SD345 | 18 | 50d | 40d | 35d | 30d |
| SD345 | 21 | 45d | 35d | 30d | 25d |
| SD345 | 24・27 | 40d | 35d | 30d | 25d |
| SD345 | 30・33・36 | 35d | 30d | 25d | 20d |
| SD390 | 21 | 50d | 40d | 35d | 30d |
| SD390 | 24・27 | 45d | 40d | 35d | 30d |
| SD390 | 30・33・36 | 40d | 35d | 30d | 25d |
| 種類 | Fc | L1(フックなし) | L1h(フックあり) |
|---|---|---|---|
| SD295 | 18 | 45d | 35d |
| SD295 | 21 | 40d | 30d |
| SD295 | 24・27 | 35d | 25d |
| SD295 | 30・33・36 | 35d | 25d |
| SD345 | 18 | 50d | 35d |
| SD345 | 21 | 45d | 30d |
| SD345 | 24・27 | 40d | 30d |
| SD345 | 30・33・36 | 35d | 25d |
| SD390 | 21 | 50d | 35d |
| SD390 | 24・27 | 45d | 35d |
| SD390 | 30・33・36 | 40d | 30d |
- 軽量コンクリートは、どの表も値に 5d を足します(各表の注)。
- SD490 と、Fc が 36 を超えるときの値は、標仕の表にありません。
- mm の端数の扱いは標仕に書かれていないため、計算機は d×倍数のまま出します。
数字が分かったら、次は配筋検査でその長さをどこで、どう測るかです。
配筋検査で定着・継手の長さを見るところ
配筋検査では、図面の長さと現場の長さを、同じ測り方で比べます。標仕の条文に沿うと、見るところは次の6つです。
- 特記を先に見る:構造図に定着・継手の長さの表や特記があれば、そちらが優先です(5.3.4)。
- 重ね継手は重なった長さを測る:太さが違う鉄筋どうしは、細い方の d で長さを出します(5.3.4(3))。
- フックありはフック部分を除いて測る:柱の四隅の主筋の重ね継手などは、フックが要る場所です(5.3.2(2))。
- 隣り合う継手の位置:重ね継手は 0.5L ずらすか、0.5L 以上離します。圧接・溶接継手は 400mm 以上ずらします(表5.3.3)。
- D35 以上の重ね継手:標仕では、原則として D35 以上に重ね継手を用いません(5.3.4(1))。
- 梁主筋の柱への折曲げ定着:全長・余長 8d・投影定着長さ La の3つを見ます。La は柱せいの 3/4 倍以上も要ります(5.3.4(5)(イ))。
計算機で「重ね継手」を選ぶと、0.5L の mm も一緒に出ます。隣り合う継手のずれを測るときの目安にしてください。
構造にかかわるところ
長さが足りない、図面どおりに納まらない、図面と標仕で値が違う。こうしたときは現場で判断せず、監理者に報告して、構造設計者・監理者の指示を受けてください。
重ね・あき・かぶりを検査の前にどう測っておくかは、配筋検査の記事にまとめています。
>>配筋検査で指摘されやすい箇所|本数より重ね・あき・かぶりを先に見る
ここまでで迷いやすいところを、よくある質問にまとめました。
よくある質問
定着長さの「d」は、鉄筋の実際の太さですか?
いいえ、呼び名に使う数値です。標仕 5.3.2(3) に、異形鉄筋の径 d は呼び名に用いた数値とすると書かれています。D19 なら d=19 で、40d は 760mm です。
太さの違う鉄筋どうしの重ね継手は、どちらの d で測りますか?
細い方の d です(標仕 5.3.4(3))。たとえば SD345・Fc24 で D22 と D19 を重ねるときは、D19 で計算します。L1=40d なので、40×19=760mm です。計算機では「重ねる相手の鉄筋」を選ぶと、細い方で出します。
フックありの長さ(L1h など)は、フックまで含めて測りますか?
含めません。標仕の図5.3.1・図5.3.2 では、フック部分 l を除いた長さが L1h・L2h・L3h です。フックの余長と折曲げの内法直径は、表5.3.1 で別に決まっています。
SD490 や Fc39 以上のときは、どの長さを使えばいいですか?
標仕の表には値がありません。表にある鉄筋は SD295・SD345・SD390 で、Fc は 18〜36 の区分だけです。構造図・特記仕様書の値を使い、書かれていなければ構造設計者・監理者に確認してください。
計算機の値のもとになった資料は、次のとおりです。
参考にした資料(閲覧日:2026年11月4日)
- 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」(2025年3月21日制定・2025年5月12日最終改定)https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001888816.pdf
5章3節:表5.2.1 鉄筋の種類(26ページ/PDF 32)、5.3.2(2)(3)・表5.3.1 折曲げ形状(26〜27ページ/PDF 32〜33)、5.3.4(1)〜(3)・表5.3.2 重ね継手の長さ(27〜28ページ/PDF 33〜34)、表5.3.3 隣り合う継手の位置(29ページ/PDF 35)、5.3.4(5)(ア)・表5.3.4 定着の長さ・図5.3.2(30ページ/PDF 36)、5.3.4(5)(イ)・表5.3.5 投影定着長さ(31ページ/PDF 37) - 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」の掲載ページと正誤表 https://www.mlit.go.jp/gobuild/kenchiku_hyoushi.html(正誤表で直ったのは、表5.3.2 注2 の記号「l」だけ)
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版」https://www.mlit.go.jp/gobuild/content/001879204.pdf(表5.3.2・表5.3.4・表5.3.5 の値が令和7年版と同じことを確認)
このページの確認日:2026年11月4日(標仕 令和7年版の表)。表は版の改定で変わることがあります。新しい版が出たら、この計算機の値も見直します。
長さが決まったら、次は本数と重さを拾う段取りです。拾いと検査の記事もあわせて見てください。