倉庫の土間の配筋検査を来週に控えて、メッシュの注文を詰めている日の事務所で。
メッシュ、何枚頼めばいい?……ってテツさんに聞かれたんですけど、面積を1枚の大きさで割ればいいですよね?
割り算だけだと、重ねの分と、壁際で切った半端の分が抜けるんだ。入隅があったりピットがあったりすると、なおさら合わない。
半端って、捨てるしかないんですか?
大きさによっては別のところに回せる。そこまで考えて初めて「何枚」が決まるんだよ。今日は図面をなぞって、割付と切断図まで一緒に出してみよう。
結論から言うと、ワイヤーメッシュの枚数は「面積÷1枚の大きさ」では決まりません。重ね代をどれだけ取るか、どの角から敷きはじめるか、切った端材をどこに回すかで変わります。このページでは、倉庫のL字土間と玄関ポーチを例に、メッシュ割付ノートでワイヤーメッシュの割付から切断図、数量計算(枚数・トン数・スペーサーの個数)までを出す流れを、画面の順に説明します。
ツールは無料で、登録もいりません。メッシュ割付ノートのページを別のタブで開いて、手を動かしながら読むのがおすすめです。
このツールで分かること(30秒)
図面の上でメッシュを敷く範囲をなぞると、3つのことが分かります。ひとつ目は割付です。どこに生材(加工なしのシート)を敷き、どこに切った片が入るかが図面の上に出ます。ふたつ目は切断図です。どのシートからどの片を切り出すかが番号付きで並び、切った残りを別の場所へ回した結果まで分かります。みっつ目は数量です。必要な枚数、合計のトン数、スペーサーの個数が出て、単価を入れれば金額も出ます。

①が合計です。トン数・メッシュの枚数・スペーサーの個数・面積がいつも見えています。②が割付図、③のタブで「エリア」「割付・切断」「集計」「規格・設定」を切り替えます。④の凡例で、青が生材、オレンジの点線が切って使う片、黄色の櫛がCDメッシュのひげです。
対応しているのは、トーアミの在庫品表にあるワイヤーメッシュ(φ2.6〜φ6、網目50〜200、1×2と2×4)とトーアミCDメッシュ(CD6)です。基本は大きい規格で拾い、隙間に1×2が入るならそちらも使います。
サンプル現場でワイヤーメッシュを割付してみる
ここからは、ひとつの現場を最初から最後まで追いかけます。例にするのは、倉庫のL字の土間(外形12.6m×9.0m、入隅が1か所、ピットの開口が1,200×1,000で1か所)と、玄関ポーチ(3.2m×1.8m)です。メッシュはどちらもφ6×150にします。
練習用の図面を用意したので、保存して同じ手順で試してみてください。ツールを開いたときに出る「サンプル表示」も同じ現場なので、答え合わせにも使えます。

図面を開く
やること 右上の「図面を開く」を押して、PDFか画像(PNG・JPEG)を選びます。PDFは1枚目のページが開きます。図面がなければ、右の「寸法で長方形」から幅と奥行を入れてエリアを作ることもできます。
画面でこう見える 図面が背景に出て、すぐに縮尺合わせの案内に切り替わります。図面のデータはブラウザの中で開くだけで、どこにも送られません。
現場のひと言 配筋図より、土間の伏図や仕上げの平面図のほうが外形の寸法が追いやすいことが多いです。僕は基礎伏図と土間の範囲が両方載っている図を探してから開くようにしています。

①が「図面を開く」、②が縮尺合わせのボタン、③が画面下の案内です。案内に書いてあるとおりに進めば迷いません。
縮尺を合わせる
やること 図面の中で、寸法がはっきり書いてある長い線を探します。サンプルなら一番上の12,600です。その線の始点と終点をクリックして、実寸に「12600」と入れて「合わせる」を押します。
画面でこう見える 2点目をクリックすると「今の縮尺では ○○ mm」と出ます。実寸を入れて合わせると、図面全体がその寸法に合うように伸び縮みします。
現場のひと言 短い寸法で合わせると、クリックの1ミリのずれが全体に効いてきます。一番長い通り芯間か外形寸法で合わせてください。PDFなら「図面の縮尺」で1/100などを選ぶだけでも合います。


土間の外形をなぞる
やること 左の「なぞる」を選んで、土間の角を順にクリックしていきます。最後に始点をクリックするか「閉じる」でエリアが完成します。寸法が分かっている辺は、長さを入れて矢印ボタン(またはキーボードの矢印)でも描けます。
画面でこう見える クリックするたびに辺の長さが出ます。縦と横に近い向きは自動で吸着するので、少々手がぶれても直角に描けます。閉じるとすぐにメッシュの割付が重なって表示されます。
現場のひと言 入隅のある土間は、角を飛ばすと一気に数量が狂います。僕は外周をなぞったあと、必ず辺の数を図面の角の数と見比べています。


なぞり終わったら、右の「エリアの設定」の下にある「辺の寸法」を見て、図面の数字と合っているか確かめます。ずれていたら、ここに図面の数字を打ち直せば形が直ります。サンプルは辺1から順に9000、12600、5400、5400、3600、閉じ辺が7200です。

規格と向きを決める
やること 「エリアの設定」で、名前を「倉庫 土間」にして、規格でφ6×150を選びます。敷く向きは「自動」、敷きはじめは「左下」、重ね継手は「規格から自動」のままにします。
画面でこう見える 向きを自動にすると、重量が軽くなるほうを選んで「長辺を横で割り付けています」と出ます。重ね継手はφ6×150の2×4なら、長辺方向300mm、短辺方向250mmが入ります。
現場のひと言 敷きはじめの角は、職長と「どこから敷くか」を決めてから合わせてください。生材は敷きはじめの角から並び、切った半端は反対側の壁際に寄ります。現場の段取りと割付図がずれると、職人さんは図面を見なくなります。

このサンプルで敷く向きを「長辺を縦」にすると17枚になり、自動(長辺を横)の16枚より1枚増えました。向きひとつで1枚変わることがあるので、迷ったら自動のまま見てください。
ピットを開口で抜く
やること エリアの設定の「開口」にある「開口をなぞる」を押して、ピットの4つの角をクリックします。寸法で入れたいときは「寸法で開口」から、左端・上端からの距離と幅・奥行を入れます。
画面でこう見える ピットが赤い斜線の「開口1」になり、メッシュはその範囲を抜いて割り付けられます。開口が中に残る片には「開口」の印が付き、切断図でも穴の位置が描かれます。
現場のひと言 このサンプルでは、ピットを抜いてもメッシュの枚数は15枚のままで、スペーサーが130個から129個に1個減っただけでした。開口は数量を減らすためより、切る位置を職人さんに伝えるために入れる、くらいに考えるとちょうどいいです。

玄関ポーチも同じように、「エリア」の「なぞって追加」から4つの角をなぞって、名前を「玄関ポーチ」にします。ここまでで、合計は0.391t、メッシュ16枚、スペーサー144個、面積98.5m²になりました。
割付を見る
やること ツールバーの「図面」のチェックを外して、割付だけを表示します。片の上にマウスを置かなくても、番号と寸法が図面の上に出ています。
画面でこう見える 青い片が生材で、そのまま敷く2000×4000のシートです。オレンジの点線の片は切って使うもので、「#10」のような番号が切断図の番号です。黄色のひし形はスペーサーの位置です。
現場のひと言 割付図は、そのまま朝礼で職長に見せられる形にしています。僕は印刷して、生材の列だけ先に荷降ろし場所を決めてもらうことが多いです。

①のA-1は生材です。②のA-12は「#10」の切断図から取る片で、寸法は1,500×2,000です。図面の上では幅1,400ですが、鉄線の間で切るために網目の150単位に切り上げています。
片をクリックして切断図を見る
やること 図面の上の切る片(オレンジの点線)をクリックします。下に出る案内の「切断図を見る」を押すと、右の「割付・切断」タブのその番号まで移動します。
画面でこう見える A-12をクリックすると「1,500×2,000 に切って使う ← 切断図 #10(φ6×150・2000×4000)から」と出ます。#10を見ると、1枚の2000×4000からA-12とA-8の2片を取り、残りが1,000×2,000です。
現場のひと言 切断図の番号は、切る場所に置くシートの番号です。荷降ろしのときに #番号をマーカーでシートに書いてもらうと、どれを切るシートか現場で迷いません。


「割付・切断」タブの一番上には「生材(加工なし)5枚、切って使う12片を11枚から取ります」と出ています。さらに「端材を他の場所へ回すと、1片1枚で拾うより1枚(24.4kg)少なくなります」とあるとおり、1片ごとに1枚ずつ拾うと17枚、端材を回すと16枚です。下には、短辺300mm以上の残材として#8の550×2,000、#9の850×2,000、#10の1,000×2,000、#11の2,500×2,000が並びます。
集計を見て、単価を入れる
やること 「集計」タブを開きます。単価の欄に1枚あたりの単価を入れると、金額が出ます。スペーサーも同じように1個あたりの単価を入れられます。
画面でこう見える メッシュ数量の表には、規格・サイズごとに枚数と重量が出ます。サンプルは2000×4000が16枚(生材5・切断用11)、390.72kgで、合計0.391tです。スペーサーはエリアごとに、倉庫 土間129個、玄関ポーチ15個、合計144個です。
現場のひと言 単価はこのブラウザに残るので、次の現場で開いても入ったままです。見積の単価が変わったら、忘れずに打ち直してください。

集計をコピーして使う
やること 集計タブの下にある「集計をコピー(Excelに貼れる形)」を押して、Excelやスプレッドシートに貼り付けます。
画面でこう見える 規格・サイズ・枚数・うち生材・うち切断用・kg/枚・重量・単価・金額の列で貼り付きます。合計(t)とスペーサーの行も一緒です。
現場のひと言 注文書や数量表に手で写すと、桁を間違えたときに気づけません。コピーで貼って、元の割付図をPDFで一緒に回しておくと、あとで「なんでこの枚数?」と聞かれたときに説明できます。

CDメッシュのときに気をつけること
同じ現場を、トーアミのCDメッシュ(CD6×150)に変えてみます。「エリア」タブで倉庫 土間と玄関ポーチの規格をそれぞれCD6×150に切り替えるだけです。
CDメッシュは、シートの片側に延長筋(ひげ)が出ていて、そのひげを隣のシートに重ねて継ぎます。重ね継手は35d(Fc21〜30未満)で210mmになり、丸鉄線のワイヤーメッシュの300mm・250mmより短くなります。サイズは2050×4000です。
ひげが敷きはじめ側のとき
ひげの向きは、エリアの設定の「ひげ(延長筋)」で選びます。最初は「敷きはじめの壁側」です。この設定だと、合計は0.420t、メッシュ17枚になりました。φ6×150の16枚より1枚多い結果です。

ひげが敷き終わり側のとき
ひげを「敷き終わりの壁側」に変えると、0.395t、16枚になりました。重ね代は同じなのに、ひげの向きだけで1枚変わります。

理由は切断図に出ています。隣のシートと重ねる片は、ひげの付いた端から切り出さないと継げません。敷きはじめ側にひげがあると、右の壁際に並ぶ幅1,200の細い片(A-10とA-14)は、どちらも長辺方向のひげが要ります。ひげはシートの片端にしかないので、2片ともその端に付けて切ることになり、1枚から並べて取れずに別々のシートになります。敷き終わり側にすると、壁際の片は長辺方向のひげが要らなくなり、A-10・A-14・A-6の3片を1枚のシートから横に並べて取れるようになります。

切断図では、シートのひげ側を左端と上端の黄色い櫛で描いています。片の寸法の横に「ひげ要」とあるのは、その片をひげの付いた端から切る、という意味です。
現場のひと言 ひげの向きは、敷く順番と搬入の向きで決まります。数量の都合だけで決めず、拾う前に職長と「どっちから敷く?」を一言合わせておくのが一番の近道です。僕は一度、ひげの向きを確かめずに拾って、壁際でひげのない端材ばかり余ったことがあります。ひげの長さや付く辺は製品によって違うことがあるので、メーカーの図面でも確かめてください。
もうひとつ、CDメッシュの1枚あたりの重量は公表値がないため、鉄線の本数と長さから計算しています。端部の直交筋が省かれている分は含めていないので、実際の重量はやや軽くなります。
数字の出し方
ツールが何をしているかを知っておくと、出た数字を人に説明できます。ここでは割付と数量計算のルールをまとめます。
割付の並べ方
エリアの外周から控え(初期値50mm、型枠から離す分)を取り、敷きはじめの角から基本サイズのシートを重ね代込みで並べます。基本サイズは、その規格でいちばん大きいもの(2×4など)です。並べきれない半端は「切る片」にし、必要な寸法を網目の単位に切り上げます(鉄線の間で切るためで、設定で外せます)。重ね代の中に収まってしまう細切れは数えません。
入隅にかかる片はL字に切る片、斜めの辺にかかる片は斜めに切る片として、どちらも1枚として扱います。中に開口が残る片は「開口切り」として1枚です。開口で端が欠けるだけなら、片を縮めて扱います。
重ね継手の長さ
丸鉄線のワイヤーメッシュは、最外端の横筋の間で「網目+50mm以上、かつ150mm以上」を取り、そこにシート端の鉄線の突き出しを両側分足しています。φ6×150の2×4なら、横筋間200mmに突き出しを足して、長辺方向300mm、短辺方向250mmです。CDメッシュは延長筋型の重ね継手で、Fc21〜30未満なら35d、Fc30〜60なら30dです。CD6ならそれぞれ210mm、180mmになります。どちらもエリアごとに手で書き換えられます。
板取りと端材
切る片は、シートの中に詰めて並べる方法(板取り)で、少ない枚数に収まるように配置します。切った残りは同じエリアの別の片にも、別のエリアの片にも回します。隙間に1×2のシートが入るなら、小さい規格のほうで取ります。「規格・設定」で端材を回すのを外すと、1片につき1枚で拾った数になります(サンプルでは16枚が17枚になります)。
枚数と重量
枚数は、生材(加工なしで敷くシート)と切断用のシートの合計です。重量は購入するシートの重量で、切った残りの分も含みます。サンプルなら2000×4000(24.42kg/枚)が16枚で390.72kg、0.391tです。ワイヤーメッシュのサイズと重量はトーアミの在庫品表の値を使っています。
スペーサーの個数
スペーサーは、初期値で縦横900mm間隔、外周から100mmの位置に置いて数えます(開口の中は除きます)。サンプルは倉庫 土間129個、玄関ポーチ15個で144個です。「規格・設定」で間隔を変えたり、m²あたり・1片あたりの数え方に切り替えたり、予備を何%か足したりできます。
重ね長さとスペーサーの間隔は、設計図書や特記仕様が最優先です。ツールの初期値は、指定がないときの目安として使ってください。
よくある質問
重ね長さが図面と違うときは?
エリアの設定の「重ね継手」で「規格から自動」のチェックを外すと、長辺方向と短辺方向の重ねを手で入れられます。重ね長さを特記で指定している現場もあるので、拾う前に図面の特記を一度見ておいてください。
スマホでも使える?
使えます。スマホでは図面の下に合計とタブが縦に並びます。ピンチで拡大・縮小もできます。ただ、角を正確にクリックするにはパソコンのほうが楽です。僕は事務所のパソコンでなぞって、現場ではスマホで割付図と切断図を見る使い方をしています。

データはどこに残る?
図面も入力した内容も、使っているブラウザの中だけで処理していて、どこにも送信していません。なぞったエリアや単価はそのブラウザに保存されるので、同じパソコンの同じブラウザで開けば続きから使えます。ブラウザの閲覧データを消すと消えます。別のパソコンへ持っていく仕組みは今のところないので、残したい結果は集計をコピーしておいてください。
斜めの辺は描ける?
描けます。角をクリックしていけば斜めの辺もそのまま描けて、縦と横に近いときだけ吸着します。Shiftキーを押しながらクリックすると吸着しません。長さと角度を入れて描くこともできます。斜めの辺にかかる片は斜めに切る片として1枚で数えます。斜めに切り落とした三角の端材は、今のところ別の場所へは回していません。
画面の用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 生材 | 加工なしでそのまま敷くシート。割付図では青で表示します。 |
| 切断用 | 切って使う片を取るためのシート。1枚から何片取っても、枚数は1枚です。 |
| 歩留 | 切断用シートのうち、片として使う割合。100%なら残りなし、37%なら6割以上が残ります。 |
| ひげ | CDメッシュの延長筋。隣のシートに重ねる側で、図面と切断図では黄色い櫛で表示します。 |
| #番号 | 切断図の番号。割付図の片に書かれた#番号のシートから、その片を切り出します。 |
片の名前(A-12など)は、エリアの記号と片の通し番号です。寸法は「長さ方向×幅方向」で書いています。
メッシュの拾いは「どこから敷くか」で決まる
ワイヤーメッシュの割付は、面積ではなく「どの角から、どの向きで、どこに半端を寄せるか」で枚数が決まります。サンプルでも、向きを変えると16枚が17枚に、CDメッシュではひげの向きで17枚が16枚に変わりました。ツールで割付図と切断図まで出しておけば、職長と同じ図を見ながら話せます。
メッシュ割付ノートはここから使えます。ほかの数量拾いツールは数量拾いツールの一覧にまとめていきます。
土間まわりの段取りは、土間コンクリートの数量拾いと施工管理、土間コンクリートの打設計画、捨てコンと砕石地業の確認、レインシューターの施工もあわせて読んでみてください。