二級建築士の受験資格|実務経験なしで受けられる人と改正の予定

資格・試験:二級建築士の受験資格と改正の予定 資格・試験

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二級建築士の受験資格は、建築の「指定科目」を修めて学校を卒業していれば、実務経験なしで受けられます。2020年(令和2年)の建築士法改正から、学歴で受ける人の実務経験は「受験の条件」ではなく「免許登録の条件」になりました。建築の学歴がない人は、建築実務7年以上で受験できます。この記事では、学歴別の年数、施工管理が実務に数えられる範囲、2026年に公布された改正建築士法で変わる予定のところを、試験機関と国土交通省の資料で整理します。

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入社1年目の春、現場事務所で。

ルー

二級建築士って、設計の人の資格ですよね?現場監督の僕が受けても意味あるんですか。

Kony

元請の現場でやる施工管理は、建築士の「実務」に数えられる範囲があるんだ。だから現場監督にも関係のある資格だよ。

ルー

でも、実務経験が何年か要るんですよね。僕、まだ1年目です。

ミサキさん

指定科目を修めて卒業していれば、実務経験なしで受けられるわよ。実務経験を見られるのは、合格したあとの免許登録のとき。

Kony

僕も入社1年目に受けた。今日は受験資格、実務経験の数え方、改正の予定、準備の順番で話すね。

この記事で分かること

  • 学歴別に、受験までと免許登録までに要る実務経験の年数
  • 現場の施工管理が「建築実務」に数えられる範囲
  • 2020年の改正で変わったことと、改正建築士法(2026年公布)で変わる予定のこと

二級建築士の受験資格は学歴で決まり、実務経験は免許登録のときに見られる

二級建築士の受験資格は、建築士法第15条で決まっています。建築技術教育普及センター(試験機関)の受験資格のページでは、「建築に関する学歴又は資格等」に応じて、必要な建築実務の年数が決まる形で整理されています。国土交通大臣が指定する建築の科目(指定科目)を修めて卒業した人は、最短0年、つまり実務経験なしで受験できます。

ここで勘違いしやすいのは、「実務経験が要らなくなった」わけではないことです。同センターの令和8年の受験要領には、学歴のみで受ける場合の建築実務の経験は登録要件となり、受験申込時ではなく合格後の免許登録時に確認する、と書かれています。受かってからも、免許を受けるまでに実務を積む必要がある人がいます。

学歴で受ける人(指定科目を修めて卒業) 指定科目を修めて卒業 受験実務 最短0年 合格 建築実務0〜4年 ※ 免許登録 建築の学歴がない人 建築実務 7年以上(学科の試験の前日まで算定) 受験・合格 免許登録 ※ 学校の種類と指定科目の単位数で変わる(下の表)。高校で15単位の人は受験にも実務1年が要る。
図1受験から免許登録までの道のり(模式図)。建築技術教育普及センター「受験資格」「二級建築士・木造建築士の受験・免許登録時の必要単位数」、令和8年受験要領から作成

学歴別の受験資格と、免許登録までに要る実務経験

学歴で受ける場合、何年の実務が要るかは「学校の種類」と「修めた指定科目の単位数」で変わります。下の表は、同センターの「二級建築士・木造建築士の受験・免許登録時の必要単位数(学校種類別)」から、よくある学校の区分だけを抜き出したものです。年数はいずれも卒業後の建築実務の年数です。

学校の種類指定科目の単位数受験に要る実務免許登録に要る実務
大学・短期大学・高等専門学校など40単位0年0年
大学・短期大学・高等専門学校など30単位0年1年
大学・短期大学・高等専門学校など20単位0年2年
高等学校20単位0年2年
高等学校15単位1年3年
専修学校(高卒で入学・修業年限2年以上)40/30/20単位0年0/1/2年
建築の学歴なし—7年以上—
表1 二級建築士の学歴別の受験資格(抜粋)。建築技術教育普及センター「二級建築士・木造建築士の受験・免許登録時の必要単位数(学校種類別)」「受験資格」、令和8年受験要領から作成

専修学校の中卒入学、職業訓練校、建築設備士、外国の大学を出た人などは、区分が細かく分かれています。また、学歴の区分は学校への入学が平成21年度以降か、平成20年度以前かでも変わります。自分の区分は、試験機関の学校種類別の表で確かめてください。

ここでいう単位数は、卒業した学校で修めた「指定科目」の単位の合計です。学校の単位の合計とは別なので、まず学校が出している指定科目の一覧と、自分の成績を照らすところから始めるのが確実です。

実務経験なしで受けられる人、実務経験7年で受ける人

表1のとおり、大学・短大・高専などで指定科目を修めて卒業した人は、単位数にかかわらず実務経験なしで受験できます。高校卒業でも20単位を修めていれば0年です。現場に出て1年目でも、学歴の条件を満たしていれば受験の申込みはできます。

建築の学歴がない人は、受験要領の「第三号 建築実務の経験を7年以上有する者」で受けます。この7年は受験の時点で要る年数で、令和8年の受験要領では「学科の試験」の前日までの期間、つまり二級建築士は令和8年7月4日までの実務で数える、と書かれています。学歴で受ける人とちがい、こちらは受験の前に実務を積んでおく必要があります。

学歴で受ける人は、受かってからが実務経験のカウントの本番よ。ミサキさん(先輩監督)

実務経験に数えられる仕事:現場の施工管理はどこまで入るか

同センターの受験要領では、令和2年3月1日以降の建築実務として、建築物の設計、工事監理、建築工事の指導監督、建築物の調査・評価、工事の施工の技術上の管理(施工管理)、確認審査などが挙げられています。施工管理は「原則として元請が施工現場において実施する施工の技術上の管理」で、建設業法別表第一の建築一式工事の施工管理が中心です。例として、施工計画・工程管理、品質管理、安全衛生管理、原価管理なども並んでいます。

専門工事では、大工工事、とび・土工・コンクリート工事、鉄骨工事、鉄筋工事などの施工管理が対象として示されています。一方で、左官・塗装・防水などを単独で行う工事、地盤調査や地業だけの施工管理、外構工事だけの施工管理、サッシやドアなどの製品の取付けだけの工事は対象外とされています。単なる庶務や会計の仕事も実務には入りません。

要領の書き方からすると、元請の現場監督として建物一棟の工程・品質・安全を見ている仕事は、この「施工管理」のまんなかに入ります。ただ、担当が外構だけだった期間や、事務の仕事だった期間は数え方が変わります。自分の期間が当てはまるか迷うときは、受験要領の例示と照らし、試験機関や登録の窓口に確認してください。日々の段取りの中身は、竣工前1か月の段取りのような仕事が、まさに工程管理・品質管理にあたります。

受験資格の改正:2020年に変わったことと、これから変わる予定

まず、すでに施行されている改正です。国土交通省の報道発表「令和2年から建築士試験の受験要件が変わります!」では、改正法の施行期日は令和2年3月1日で、受験の要件だった実務経験を、免許登録までに積んでいればよいことにした、と説明されています。ただし、実務経験だけで二級建築士・木造建築士の免許を受ける場合などは除かれています。大学を出てすぐ受験し、合格後に実務を積んで登録する流れは、この改正でできるようになりました。

次に、これから変わる予定のものです。2026年(令和8年)7月に公布された「建築士法の一部を改正する法律」(令和8年法律第74号)の要綱では、二級建築士・木造建築士について、①年度末までに卒業見込みで指定科目の単位を修得している在学中の人も受験できる、②受験に必要な実務経験を7年から2年に短縮する、③免許を受けるのに必要な実務経験を7年から4年に短縮する、とされています。

この部分の施行は「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」で、2026年10月17日時点で施行日はまだ決まっていません。2026年10月6日の報道発表で2027年4月1日の施行が決まったのは、設計・工事監理の契約の書面化などの部分です。受験資格の見直しとは別なので、混同しないようにしてください。

現行 改正後(予定・施行日未定) 在学中の受験 できない 卒業見込み+単位修得で可 受験に必要な実務経験 7年 2年 免許に必要な実務経験 7年 4年 棒の長さは年数に比例(1年=60px)。7年は現行の実務経験だけで受ける場合の年数。
図2現行と改正予定の比較(二級建築士・木造建築士)。国土交通省「建築士法の一部を改正する法律(令和8年法律第74号)要綱」から作成。施行は公布から3年以内の政令で定める日(2026年10月17日時点で未定)

改正後の細かい条件(どの学校の何年生から受けられるかなど)は、政令や省令、試験機関の受験要領で決まっていきます。受ける年が近づいたら、その年の受験要領で確かめるのがいちばん確実です。

いつ受けるか、どう準備するか

試験は「学科の試験」と「設計製図の試験」の2つです。同センターの案内では、令和8年は学科が7月5日、設計製図が9月13日でした。次の年の日程と申込期間は、試験機関の発表で確かめてください。

僕は入社1年目に受けました。製図は独学では厳しいと聞いていたので、学校に通いました。時間配分は学校で教わりましたが、エスキス(設計製図の試験で、最初に間取りや配置を決める下書き)は流れ作業で、考えている時間はあまりありません。作図は最初かなり時間がかかるので、無駄なく描けるかどうかが勝負でした。

Konyの現場メモ

1回で受かったけど、すごく大変だった。残業のあとに学校へ行って、長い日は夜12時まで。日曜も毎週通って、やっと受かったというのが本音です。

1年目の現場は、覚えることも多く帰りも遅くなりがちです。受けると決めたら、学科と製図の時期を工程表のように並べて、学校や講座の時間を先に押さえておくのが現実的だと思います。1年目の働き方は施工管理1年目の仕事にまとめています。

通学がむずかしい人には、通信で学ぶ講座という選び方もあります。僕は通学の学校に通ったので、下の通信講座は使っていません。中身と費用は、申し込む前に各講座のページで確かめてください。

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二級建築士の受験資格は、まず「自分の学歴が指定科目を満たしているか」で決まります。今日やることは一つで、卒業した学校の指定科目の単位を、試験機関の学校種類別の表と照らしてみてください。受けられると分かれば、あとは何年目に受けるかを、現場の繁忙期と並べて決めるだけです。

この記事は2026年10月17日時点の情報です。

参考にした基準・資料

  1. 公益財団法人 建築技術教育普及センター「二級建築士試験 受験資格」学歴区分と実務経験年数(指定科目を修めて卒業:最短0年/学歴なし:7年以上)、入学年・実務期間による区分
  2. 同「二級建築士・木造建築士の受験・免許登録時の必要単位数(学校種類別)」学校種類・単位数ごとの受験時・免許登録時の実務経験年数(表1)
  3. 同「令和8年 二級建築士試験 受験要領」(令和8年3月)学歴のみの場合の実務経験は登録要件、第三号(建築実務7年以上)、実務の算定期限、施工管理の実務の範囲
  4. 同「二級建築士試験」令和8年の試験日(学科7月5日・設計製図9月13日)
  5. 国土交通省 報道発表「令和2年から建築士試験の受験要件が変わります!」改正法の施行期日(令和2年3月1日)、実務経験を免許登録の要件に
  6. 国土交通省「建築士法の一部を改正する法律(令和8年法律第74号)要綱」在学中の受験、受験の実務経験7年→2年、免許の実務経験7年→4年、施行期日
  7. 国土交通省 報道発表「改正建築士法の施行に伴う関係政令を閣議決定」(2026年10月6日)契約の書面化などの部分の施行日(令和9年4月1日)

制度は改正で変わることがあります。受験・登録の前に、その年の受験要領と試験機関の最新の案内を確認してください。

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