埋戻しの締固め基準|300mmごとに転圧し、巻き出しの写真を残す

土工事:埋戻しの締固めは300mmごと|巻き出しの写真を残す 06 土工事

埋戻しの締固め基準は、公共建築工事標準仕様書(標仕)で「300mm程度ごとに締め固める」です。初めて埋戻しを仕切る人に向けて、層の厚さ・残す写真・山留めの抜き跡の順に話します。

06 土工事|施工中

  1. 段取り:掘削の段取り/根切り幅の決め方
  2. 施工中:この記事
  3. トラブル対処:—

基礎の打設が終わり、型枠をばらした翌朝、詰所で。

ルー

埋戻し、今日一気に入れちゃっていいですか?

Kony

一気に入れると、下の方が締まらないんだ。だから標仕でも300mm程度ごとに締め固めることになってる。

テツさん

巻き出し厚さ決めとけよ。写真もな。

ルー

写真って、転圧してるところを撮ればいいんですよね?

Kony

厚さが分かる写真じゃないと、あとで説明できないんだ。今日は層の厚さと、残す写真、山留めを抜いたあとの話の順番で話すね。

結論から言うと、埋戻しは300mm程度ごとに巻き出して締め固め(標仕 3.2.3(2))、材料と工法は特記で確かめます。監督は巻き出し厚さが分かる写真を何か所か残し、山留めの抜き跡まで埋め戻して、地盤と前面の舗装を沈ませないことが大事です。

この記事で分かること

  • 埋戻しを何mmずつ締め固めるか、材料と工法はどこで決まるか
  • 埋め戻す前にやっておくことと、監督が残す写真
  • 山留めを引き抜いたあとの抜き跡の埋め方

土工事の埋戻しの締固め基準:300mm程度ごとに締め固める

標仕の3.2.3(2)には、埋戻し及び盛土は300mm程度ごとに締め固めると書かれています。一度に厚く入れて上から転圧するのではなく、300mm程度ずつ巻き出しては締め固め、を繰り返して地盤の高さまで上げていきます。余盛りは土質に応じて行う、とも書かれています。

僕の現場では、埋戻しは一層30cmで決めて進めてきました。そのやり方で、あとで地盤が沈んで困ったことは今のところありません。ただ、層の厚さを決めるのは僕の慣れではなく標仕と特記なので、工事ごとに特記仕様書を先に見ます。

断面の模式図・寸法は標仕の値 地中梁・基礎 地盤の高さ 根切り底 1層目 2層目 3層目 巻き出し → 転圧 巻き出し → 転圧 巻き出し → 転圧 300程度 300程度 300程度 写真を撮る位置:層の厚さが分かる所を何か所か
図1埋戻しの層と転圧の順番(断面の模式図)。層の厚さ300mm程度は標仕 3.2.3(2) の値。層の数は例で、根切りの深さで変わります

根切りで余掘りした分も、ここで埋め戻す部分です。余掘りをどれだけ取るかは根切り幅の決め方にまとめています。掘る側の段取りは掘削の段取りで書きました。

材料と工法は特記、なければ表3.2.1:水締めするのはA種・D種

標仕 3.2.3(2) では、埋戻しの材料と工法は特記によります。特記がなければ表3.2.1により、その種別は特記で決まります。つまり、まず特記仕様書を開いて、どの種別の材料で、水締めをするのかを確かめるのが先です。

種別材料工法
A種山砂の類水締め、機器による締固め
B種根切り土の中の良質土機器による締固め
C種他現場の建設発生土の中の良質土機器による締固め
D種再生コンクリート砂水締め、機器による締固め
表1 埋戻し・盛土の種別(出典:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 表3.2.1)

水締めをするのは、砂のA種と再生コンクリート砂のD種です。根切り土を使うB種や、他の現場の発生土を使うC種で、良質土として認められない場合は、監理者(公共工事なら監督職員)と協議します(標仕 3.2.3(3))。土の良し悪しを監督の目だけで決めないことです。

埋め戻す前に:型枠を取り除き、防湿シートを地中梁に掛けておく

標仕 3.2.3(1) では、埋戻しに先立って、埋戻し部分にある型枠などを取り除きます。存置するなら監理者と協議します。型枠をばらした翌日に土を入れるなら、埋める範囲に型枠や桟木が残っていないかを先に見て回ります。セパ折った後の錆止めも忘れずにしないといけません。

もう一つ、埋め戻す前に必ずやるのは、防湿シートを地中梁に掛けて立ち上げ、砕石の層にも飲み込ませておくことです。忘れて埋め戻したあとに気づくと、土を掘り返すことになります。砕石と捨てコンの確認は捨てコンと砕石地業の確認にまとめています。

監督が残すもの:巻き出し厚さが分かる写真を何か所か

埋戻しで僕が一番大事にしているのは、巻き出し厚さ(転圧のピッチ)が分かる写真を必ず撮っておくことです。埋めてしまえば、あとから層の厚さを見せる方法はありません。できれば1か所ではなく、何か所か撮っておきます。

基礎の立ち上がりに埋戻しの層ごとの印(1〜3)をスプレーで付け、スタッフを当てて巻き出し厚さを示した写真
工事名
●●●工事
工種
土工事
内容
埋め戻し転圧 300ピッチ確認

写真1基礎の立ち上がりに、層ごとの印(1〜3)を付けてスタッフを当てたところ。土を入れる前に撮っておくと、層の厚さを写真で示せる(写真は鉄骨造の店舗の現場)

埋戻しの1層目をプレート型の転圧機で締め固めているところ。奥の立ち上がりに層の印が見える
工事名
●●●工事
工種
土工事
内容
埋め戻し転圧 1層目

写真21層目の転圧。奥の立ち上がりの印と一緒に写すと、どの層を締めているかが分かる(写真1と同じ現場)

転圧している様子だけの写真では、何mm入れて締めたのかが伝わりません。印やスタッフと一緒に、層ごとの厚さが読める写真にしておきます。下の表は、埋め戻す前・最中・あとに僕が見ていることです。

いつ監督が見ることなぜ
埋め戻す前特記で材料と工法(水締めの有無)を確かめる。型枠などが残っていないか、防湿シートを地中梁に掛けたか埋めてからでは、掘り返さないと直せない
埋め戻している間300mm程度ごとに巻き出して転圧しているか。巻き出し厚さが分かる写真を何か所か層の厚さは、埋めたあとでは見せられない
埋め戻したあと建物の周囲を幅2m程度、水はけ良く地均ししたか(標仕 3.2.4)。山留めの抜き跡と前面の舗装沈みや隙間を、そのままにしない
表2 埋戻しの前・最中・あとに監督が見ること(標仕の箇所以外は僕の現場でのやり方)

Konyの現場メモ

埋戻しでは、巻き出し厚さが分かる写真を必ず撮るようにしています。1か所だけだと、その場所がたまたまそうだっただけに見えるので、何か所か残します。

埋戻しの締固め度・試験は、特記と監理者で決まる

埋戻しの締固め度を何%にするか、締固めの試験をするかどうか、どんな方法でやるかは、この記事では数値を書きません。工事ごとに特記仕様書で決まることなので、書いてあればそれに従い、書いていなければ監理者に確認します。数字を覚えて現場に持ち込むより、特記のどこに書いてあるかを先に探す方が確実です。

構造に関わるところ

埋戻しの材料や締め方を変える、建物のまわりの地盤が沈んだ、といったときは、建物や基礎に関わることがあります。現場監督の判断で済ませず、必ず構造設計者・監理者に確認してください。

山留めの抜き跡:引き抜いた空洞は裏込めで埋め、前面の舗装を割らない

僕の現場では、矢板や親杭の引き抜きは、躯体の打設が終わり、埋戻しが終わってからでした。ただ、いつ抜くかは山留めの計画で決まり、監理者と確かめるものです。標仕 3.3.3 でも、山留めの撤去は撤去しても安全であることを確認してから慎重に行い、鋼材などの抜き跡は地盤の変形を防ぐ適切な措置をとる、とされています。

矢板を引き抜くと、そこに空洞ができます。前面にアスファルト舗装などがあると、その空洞のせいで舗装が割れることがあります。僕は裏込めの砂を水締めしながら入れ、転圧して埋めていきます。

断面の模式図 建物側の埋戻し部分 前面の舗装(アスファルトなど) 前面の地盤 矢板の抜き跡(空洞) ① 裏込めの砂を水締めしながら入れる ② 転圧して締める 舗装との隙間・割れは放置しない 見つけたら補修する いつ抜くか・どう埋めるかは山留めの計画と監理者で確かめる
図2矢板の抜き跡と前面の舗装(断面の模式図)。埋め方は僕の現場でのやり方で、抜き跡の処置は標仕 3.3.3 にあるとおり、地盤の変形を防ぐ措置として監理者と決めます

僕の現場では、山留めを引き抜いたあと、前面道路の舗装との間に隙間ができて、補修することになりました。いちばん良くないのは、隙間を見つけてもそのまま放置することです。山留めを抜いたら、前面の舗装との境目まで確認の範囲に入れてください。

抜いた跡は、砂を水で締めながら入れて、転圧しとけ。テツさん(職長)

次の埋戻しの前に、特記で材料と工法(水締めの有無)を確かめ、300mm程度ごとの巻き出し厚さが分かる写真を何か所か撮る段取りを、土工の職長と決めておきましょう。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版3章 土工事 3.2.3 埋戻し及び盛土(1)〜(3)・表3.2.1、3.2.4 地均し、3.3.3 山留めの撤去

「一層30cmで決めて進めてきた」「巻き出しの写真を何か所か撮る」「抜き跡を砂で水締めして埋める」は僕の現場でのやり方です。締固め度や試験の数値は特記と監理者で決まるので、この記事には書いていません。実際の工事では、特記仕様書と最新版の基準を確認してください。

次に読む

コメント

タイトルとURLをコピーしました