コールドジョイントの対策|原因と打継ぎとの違い、出たときの決め方

コンクリート工事:コールドジョイントの対策と、出たときの決め方 10 コンクリート工事

壁の打設の途中、筒先が止まったところで。

ルー

次の生コン車、渋滞でまだ着かないそうです。もう何分止まってるんだろう……。

テツさん

時計ばっかり見とらんで、壁を見ろ。前の層、もう固まりかけとるぞ。

ルー

じゃあ、着いたらすぐ上から重ねれば間に合いますよね?

テツさん

固まりかけた上にいくら重ねても、くっつかんぞ。

ルー

えっ、今ですか? 生コン車を待つんじゃなくて?

Kony

待つ前に、どこで空けるかを今決めよう。継いでいい所で止めておけば、継ぎ目は計画した打継ぎで済むんだ。

結論から言うと、コールドジョイントの対策は、先に打った層が固まり始める前に次の層を重ねられる打つ順番を組むことです。標仕は打重ね時間間隔の限度を、先に打ったコンクリートの再振動可能時間以内としているので、その時間に収まる順番と、空いたときに継ぐ位置を打設前に決めておきます。それでも出てしまったら自分で直さず、監理者に報告して補修方法を決めます。

この記事で分かること

  • コールドジョイントと打継ぎの違い(計画したか・処理したか)
  • 原因と、打重ねの時間の限度を標仕で確かめる方法
  • 出さない打つ順番と、出たときに監理者と決めること

コールドジョイントとは:打継ぎとの違いは「計画したか」

コールドジョイントは、先に打ったコンクリートと後から打ったコンクリートが一体にならず、境目が面になって残ったものです。見た目は打継ぎと同じ「継ぎ目」ですが、中身が違います。打継ぎは位置を先に決め、継ぐ面を処理してから打つ、計画した継ぎ目です。コールドジョイントは、計画していない所に、処理もされずにできた継ぎ目です。

標仕では、打継ぎの位置は特記によるとし、特記がなければ梁・スラブはスパンの中央か端から1/4付近、柱・壁はスラブ、壁梁または基礎の上端に設けるとしています(6.6.4(1))。継ぐ面は、レイタンスやぜい弱なコンクリートを取り除いて、健全なコンクリートを出します(6.6.4(4))。コールドジョイントには、この位置の検討も面の処理もありません。打継ぎの位置と処理のくわしい話は、コンクリートの打継ぎ位置と処理に書きました。

比べるところ打継ぎコールドジョイント
計画したか打設前に位置を決める計画していない(時間が空いてできる)
位置特記による。なければ梁・スラブはスパンの中央か端から1/4付近、柱・壁はスラブ・壁梁・基礎の上端(標仕6.6.4(1))打込みが止まった所、重ねるのが遅れた層の境目
継ぐ面の処理レイタンスやぜい弱なコンクリートを取り除く(標仕6.6.4(4))されていない
扱い施工計画どおりの継ぎ目せき板を外したあとに有無を確かめ、欠陥なら報告して補修を決める(標仕6.6.7・6.9.6)

コールドジョイントの原因:次の層を重ねるまでの時間が空く

原因は、次の層を重ねるまでの時間が空くことです。標仕は、棒形振動機を打込みの各層ごとに使い、下の層に先端が入るように挿入するとしています(6.6.5(3))。下の層が固まりかけていると、この「下の層まで振動をかけて一体にする」ができなくなります。

層1を打ち終えてから、層2を重ねるまでの時間層1 打ち終え▽ 限度再振動可能時間以内A 限度の内に重ねた層1層2→ 一体になるB 限度を過ぎてから重ねた層1筒先が止まる層2→ 継ぎ目が残る(コールドジョイント)時間
図1打重ねの時間とコールドジョイント(模式図・寸法は例)。限度は標仕(令和7年版)6.6.3(8)で、先に打ったコンクリートの再振動可能時間以内。何分かは特記・施工計画書で確かめます

時間が空く理由として、僕が気をつけているのは二つです。一つは生コン車が来ないこと、もう一つは打つ順番の組み方で、元の場所に戻るまでに時間がかかることです。標仕も暑中コンクリートの節で、1回の打込み量、打込み区画と打込み順序を適切に定めて、コールドジョイントの発生を防ぐとしています(6.12.3(5))。暑い日の打設の判断は、雨と猛暑の日の打設判断にまとめています。

打重ねの時間の目安:標仕は「再振動可能時間以内」

標仕(令和7年版)は、同じ区画を打ち続けている間の打重ね時間間隔の限度を、先に打ったコンクリートの再振動可能時間以内としています(6.6.3(8))。つまり標仕の本文には、打重ねについて何分という固定の数字はありません。何分で管理するかは、特記仕様書と施工計画書で確かめてから打設に入ります。日本建築学会のJASS 5にも目安の時間がありますが、どちらに従うかも含めて、特記で確かめるのが先です。

これとは別に、練混ぜから打込み終了までの時間の限度があります。標仕では外気温が25℃以下なら120分以内、25℃を超えるなら90分以内です(6.6.2(1))。こちらは生コン1台ごとの時間で、打重ねの時間とは数え始めが違うので、分けて考えます。

何の時間か標仕(令和7年版)の決まり箇所
打重ね時間間隔の限度先に打ち込まれたコンクリートの再振動可能時間以内(同じ区画を打ち続けている間)6.6.3(8)
練混ぜから打込み終了までの時間外気温25℃以下は120分以内、25℃を超えると90分以内。温度を下げる・凝結を遅らせるなどの措置をとる場合は、監督職員の承諾を受けて変えられる6.6.2

標仕は、1回で打ち込むように計画した区画の中では、コンクリートが一体となるように連続して打ち込むともしています(6.6.3(4)(イ))。区画の中に継ぎ目を作らないことが、仕様書の前提です。打設当日に打重ねの時刻をどう見ていくかは、打設当日に監督が見るところで書いています。

コールドジョイントを出さない打つ順番:つなげながら打つ

僕がコールドジョイントを出さないためにいちばん気をつけているのは、打設する順番です。先に打った所と、時間が経ってから打ち継ぐことにならないように、つなげながら打っていきます。順番は当日に考えるのではなく、打設前に決めておきます。

基礎の立上がりにホースでコンクリートを打ち、振動機で締め固めている様子
工事名
●●●工事
工種
コンクリート工事
内容
立上がり コンクリート打設状況

写真1基礎の立上がりに、ホースで打ちながら振動機で締め固めているところ(写真は鉄骨造の店舗の現場)

長い壁や梁を端から一方向に打ち上げていくと、最初の場所に戻るまでの時間が長くなります。区間に分けて、1層目を一回りしたら戻りながら2層目を重ねる順番にすると、戻るまでの時間を短くできます(図2)。区間の長さは、一回りの時間が打重ねの限度に収まるように決めます。

長い壁を区切って、回りながら層を重ねる(平面)X1X2X3X4X51層目:区間1 → 4区間1区間2区間3区間4打継ぎにしてよい位置(例)2層目:区間4 → 1(戻りながら重ねる)区間1に戻るまでの時間を、打重ねの限度より短くする
図2打つ順番と、打継ぎにしてよい位置(模式図・寸法は例)。どこを継いでよいかは特記と監理者の指示で決めます

図2の「打継ぎにしてよい位置」は、生コン車が空いたときの逃げ場です。どこを継いでよいかは特記と監理者の指示で決まるので、打設前に確かめて、筒先の職人さんとも共有しておきます。段取り全体はコンクリート打設の段取り、土間の打つ順番の組み方は土間コンクリートの打設計画を見てください。

生コン車が空いたら:どこで空けるかを先に決める

打設の途中で生コン車が思いがけず空いたとき、僕が最初に確かめるのは、今どこまで打ち進んだかです。そこがちょうど打継ぎにしてよい区間なら、そこで待てます。違うなら、継いでよい区間で止まるように、打つ場所を寄せていきます。

待っとる間にも固まるんだ。止めるなら、継いでいい所で止めろ。テツさん(職長)

待てる時間の上限は、上で確かめた打重ねの限度です。計画と違う位置で継いだときや、限度を過ぎてから重ねたときは、構造に関わるので監理者に報告します。誰に上げるかの目安は、次のとおりです。

打つ順番を組み替えて、継いでよい区間で止まるように打ち進める現場で直す
打継ぎにしてよい位置で止めた。継ぐ面を処理して(標仕6.6.4(4))、継いだことを監理者に伝える直して報告
計画していない位置で継いだ、限度を過ぎてから重ねた。処理と補修を構造設計者・監理者に確認する指示を仰ぐ

コールドジョイントが出てしまったら:補修方法は監理者と決める

コールドジョイントが出たかどうかは、標仕ではせき板を外したあとに、豆板や空洞などと一緒に確かめるとしています(6.6.7(1)(ア))。欠陥があれば6.9.6に進み、打込み欠陥部などを確かめて監督職員に報告します。設計図書に合わないときは、必要な措置を定めて承諾を受け、その方法で補修して、補修後すぐに検査を受けます(6.9.6(2)(3))。

僕がコールドジョイントを補修するのは、継ぎ目から水が入り、中の鉄筋が錆びて爆裂するのを防ぐためです。ひび割れ補修のような注入などの補修を、監理者と決めてから行います。工法や材料は、自分で決めずに監理者と決めます。

構造に関わるところ

コールドジョイントは、構造体の一体性と耐久性に関わります。補修するかどうか、どの方法で直すかは、現場監督の判断で済ませず、監理者に報告して、必ず構造設計者・監理者の指示を仰いでください。

コールドジョイントは、打設の当日に慌てて防ぐものではなく、打つ順番と継いでよい位置を前もって決めておくことで防ぐものです。次の打設計画では、特記と施工計画書で打重ねの時間の限度を確かめ、打つ順番と「空いたらここで継ぐ」位置を、打設前に職人さんと決めておいてください。

参考にした基準・資料

  1. 国土交通省 大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」令和7年版6章 コンクリート工事:6.6.2(練混ぜから打込み終了までの時間)、6.6.3(4)(イ)・(8)(打込み区画の連続打込み、打重ね時間間隔の限度)、6.6.4(1)・(4)(打継ぎの位置と打継ぎ面)、6.6.5(3)(棒形振動機の挿入)、6.6.7(1)(打込み後の確認)、6.9.6(2)・(3)(仕上りの確認と補修)、6.12.3(5)(暑中コンクリートの打込み)

2026年10月16日に国土交通省の掲載PDFで確認しました。基準の数値は版によって変わることがあります。実際の工事では、特記仕様書と最新版の基準を確認してください。

次に読む

コメント

タイトルとURLをコピーしました